日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

雪の災難

2008年02月09日 | お仕事な日々
大阪城公園内の
梅林公園での仕事が、
ウェイトレスだと勘違いした原因は、
「お茶屋さんでの仕事みたいよ」と、
派遣元の人に言われたからだ。

最初の最初は、
「テキ屋」みたいなもんだろうと思っていた。
(もちろん、公設だとは思ってたけど)
が、
「お茶屋さん」と聞いたら、
よく時代劇でみた、
「峠の茶屋」みたいなものを想像し、
「あの、お茶とお団子を持ってくる町娘のような仕事か?」
とさらに連想し、
「ウェイトレス?えぇ~……」と、
人知れず憂鬱になっていたんだけれど。

実際には、
無料休憩所の
林の時期だけ開店する店で(やけに“バイ”がつくなぁ~)、
300円で甘酒を売るという仕事だった。

もちろん、他にも、
焼きそば、うどん、おでん、五平餅、
ビールに熱燗などなども、
売っているのだが、
ほとんどは売店のバイトさん(やっぱり“バイ”だ)が仕切り、
土日の忙しいときだけ、
簡単な甘酒を担当してもらう為、
某メーカーからヘルプに来てもらうという仕組みらしくて。

その某メーカーのヘルプが、私。
なので、仕事的にはちょっとごまめちゃん扱いってことで、ほっ……。

それを知ったとたん、
天気は、私にとって、
敵とか見方とかの範疇外の存在となった。

     ★

三連休の初日とあって、
裏方で仕込みをする店の人ふたり、
店頭で販売をするバイトの人ふたり、
メーカーからのヘルプの私で、
5人体制となっていた。

ほどなくして、雪が降ってきた。

週間天気予報では確かに今日は雪だったけど、
今朝の天気予報では雨に変わっていたはずで。

「雨よ降れ~!お客よ来るなぁ~!!」なんて、
あれだけ勝手に願っていたのに、
あっさり勝手に取り消して、
無関係な気分でめずらしい雪を眺めていた。

まさか積もるとは思いもよらず。

無料休憩所に来るのは、
雪をよけにきたスズメと、
ツウなカメラを持った人が、少しうろちょろするばかり。

最初の願いが叶ったかのように、ヒマ。
ボーっとつっ立っている状態に。

強弱の差はあれど、
雪は断続的に降り、
あれよあれよという間に、
固いつぼみの梅すら、白い雪の花をつけ、
大阪城のマリンブルー?エメラルドグリーン?の屋根の色は、
白一色に染まり、
ひとつひとつ積み上げられた
お城の石垣も、
うろこみたいにその境目を白く浮き立たせだした。

みるみるうちに、
梅林公園の売店は、スーパーの試食の時より、
寒い環境に。

雪の冷気を含んだ風が、
ぴゅーぴゅー吹きすさんでくるもんで。

     ★

ヒマなので、
バイトの女の子が外に出て、
ケータイなどで、外の写真を撮り出した。

「ちょっとぐらいだったらいいよ」と、
私も早速ケータイを持って外へ。

踏みしめた雪は、キュっとなった。

で、写真……と、ケータイを“撮影”に切り替えて、
アングルを決めて……としていたら、
30秒もしないうちに、充電が切れた。くそぅ!!

お店の人は、午後1時には
バイトの女の子ふたりに、
上がるよう指示した。

私は給料の出所が違うので、そのまま5時まで。

そして皮肉にも、
お店は3人体制になったとたん、
雪の梅を見たくなったのか、
お客さんが増え始めた。

私はごまめちゃんの予定だったのが、
甘酒だけじゃなく、
五平餅やら、おでんやらと、
オールマイティに対応しなければならなくなり、
こんなはずでは、と、アワワアワワ状態に。

そんなパニックの中、
だんだんと、
この雪道を歩いて、駅までたどり着いて、
帰らなければならないということを
心配をし始めた。

私は、11年前の大雪の時、
雪道ですってんころりんして、
めちゃくちゃ大変だった過去がある。

あぁ、新たな憂鬱が……。

     ★

仕事は10分ほどはやく上がらせてくれた。

電車のダイヤは乱れていないだろうか、と、
心配になったが、とにかくまず、
この雪道を、この安物のヒモ靴で、
歩かなくては何も始まらない。

お店のお客さんには、
雪の山登りの時に履くような、
ザックザックと音を立てる靴で来ている人もいた。

雪で転倒し、
腰を打った過去のある私は、果てしなく羨ましく思え。

本当は森ノ宮駅へ行きたかったのだが、
そこへ行くには、大きな坂道が二箇所あり、
それが恐くて、
平坦な道ばかりの、
大阪城ホール近くの大阪城公園駅を目指すことにする。

何歩目かで、靴の中に雪水が染込んできた。
それはもう、冷たいというよりは、痛いという感覚だった。

梅林公園は、森ノ宮だろうが大阪城公園だろうが、
駅からは遠いところに位置する。
ただでさえそうなのに、
立ち仕事で、棒状になった足で、
雪道を歩くのは、本当に辛く。

ほうほうのていで帰宅して、
TVのニュースを見ると、
ナマでみた大阪城の雪化粧が映し出され、
甘酒を休憩所で飲んでいったご婦人が、
インタビューに答えていた。

この分だと、
明日も雪、残っているだろうな……。
デジカメ持っていっておこう。

で、写真を撮ったんだけど、
それはまた、改めます
(っていうか、時間が経ちすぎて、
最初に考えていた、
文章のオチがわかんなくなっちゃいました・笑)。

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