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海外赴任者が帰国後に退職してしまう理由

2017年04月22日 | 政治社会問題
海外赴任者が帰国後に退職してしまう理由
ダイヤモンド・オンライン 4/20(木) 6:00配信

海外赴任者が帰国後に退職してしまう理由
写真:ダイヤモンド・オンライン
● 帰国後に退職してしまう海外赴任者は何割?

 企業がグローバル人材育成を行っていく上でのゴールとは、若手や中堅を海外に送り出すところにあるのではありません。海外赴任から戻った帰任者たちが、帰国後もその経験を活かし、グローバルリーダーとして活躍できるようにするところにあります。

 グローバル人材育成とは、採用を含めた初期の育成、そして途中の実務担当者時代のフィードバックや海外赴任の準備、そして海外赴任中と帰任後のフォローまで、人事のプロセスを総動員して人を育てること。

 その意味では、海外赴任者の帰任後というのも、グローバル人材育成を考えるうえでは、重要なポイントとなります。

 みなさんは、海外勤務で大活躍をした方が、帰任後すぐに会社を辞めてしまった、転職してしまった、といった話を耳にしたことはありませんか?

 実は帰任後すぐに会社を辞めてしまう例は、海外でもよくあることのようで、アメリカの研究者 (Lazarova and Caligiuri 2002)が調査を行っています。

 では、ここで問題です。

 Q.海外赴任帰任者が、帰任後2年以内に辞める割合は何%でしょうか?
(1)5%
(2)10%
(3)25%

● 海外帰任者が辞めてしまう理由とは?

 正解は(3)の25%です。

 海外の調査ではありますが、実に4人に1人の割合で海外赴任者が帰任後2年以内に辞めてしまっているというわけです。日本人はそこまで高い割合ではないかと思われますが、同じような傾向は確かにあるのではないでしょうか。

 実は、海外赴任の帰任後というのは、キャリア論では中立圏(ニュートラルゾーン)という時期に当たります。中立圏とは、簡単に言うと「何かが終わる時」と「何かが始まる時」の間の「宙ぶらりんの時期」ということです。

 この時期を過ぎるとまた、新しい環境への再適応ができるようになってくるわけですが、この「宙ぶらりんの時期」というのは、空虚感に包まれ、アイデンティティを喪失し、場合によっては退職の可能性が高まってしまう、人事的には極めて危険な時期なのです。

 海外帰任者は、なぜ辞めてしまうのでしょうか。

 先ほどの調査研究(Lazarova and Caligiuri 2002)によると、「海外に比べて挑戦性のない仕事が割り当てられた」、「海外で培った獲得したスキルが生かせなかった」、「海外に出ている間に昇進機会がなくなった」、「海外のように自立的な仕事を行うことができなくなった」「キャリアが不透明になった」「同僚、本社の人的ネットワークからの離脱」「本国文化への逆適応への失敗」といった理由が挙げられています。また、「同僚からのやっかみ」といった理由もありました。

 どれも、本国で働き続けている人からすれば、「やむをえないこと」ではあるのですが、帰任者にとっては、それがどうしても我慢ならないこととなってくるようです。\


● 帰任者は「自分が小さくなった感じ」になる?

 実際、ダイヤモンド社と中原研究室との共同調査によると、帰任者の60%は裁量の低下を感じ、53%は役職が低下したように感じるという調査結果が出ています。多くの方から出る言葉は「自分が小さくなったような感じ」というもの。

 「結果的に離職はしなかったものの、帰任後に『このままでいいのか』という思いが沸き上がった人も入れると、相当数が離職を考えたと思います」と言う方や、「本社に戻ったらいきなり一マネジャーに戻ってしまって、何かガクッていう感じなんだよね」と話す方もいました。

 海外赴任者は、海外でのタフな仕事経験を通して、知識やスキルだけではなく、「新しい視点」を持つようになります。そこで獲得した「新しい視点」は、これまでの慣れ親しんだ「元の職場の風景」を、まったく別の「色あせた風景」に変えてしまう可能性をはらんでいます。

 海外赴任によって、「新しい視点」を身につけることは、有意義なことではありますが、それが帰任後の違和感、失望感につながってしまうこともあるのです。

 また、当然のことながら、「損得勘定してみると、海外赴任をせず、国内で仕事をしていた方が早くいいポジションへ昇進ができてお得だった」という人事システムが出来上がってしまっていたとしたら、人は「合理的選択」の結果として、わざわざグローバルな舞台で活躍しようとはしません。

 人事の仕事として「グローバル人材育成」を行う場合は、帰任後にどれだけ魅力的なキャリアを積めるのか、といったところまできちんと整備しておく必要があります。

 そして、実際に帰任した後には、個別のキャリア面談を施すなど、丁寧なコミュニケーションを図ることが重要です。

 海外赴任は、リーダーシップ開発においても、重要な職務経験の一つとなります。海外帰任者を、将来のグローバルリーダー候補として大切にするという視点も、大事なところではないかと思います。


● 個人に甘え過ぎていた日本企業

 ここまで5回にわたって、グローバル人材育成のあり方について、様々な視点でお話ししてきました。

 結論として申し上げたいのは、「グローバル人材育成というのは、単に教育研修を行うことではなく、人事の全てのプロセスをかけた試みである」ということです。

 「人事の全てのプロセスをかけた試みである」ということは、採用時の見極め、新人育成など初期の育成、そして中堅、実務担当者時代の育成やモチベーション維持のためのフィードバック、海外赴任前の準備、そして渡航中、帰任した後のフォロー…といった一連のプロセスを全てグローバル人材育成の観点で再構築していく、ということです。

 アメリカにおいて、グローバル人材育成の観点で、人事プロセスを再構築していくことが注目されたのは、1980年代のことでした。帰任者の退職という問題が深刻化したためです。

 日本では、なぜこうした問題が大きくならなかったのでしょうか。少し挑戦的な言い方をすると、日本企業は長らく、個人の持つ(1)高度で勤勉な適応学習能力、(2)会社が発動する強力な人事権への諦め、(3)配偶者と家族の献身的な努力、といったものに甘えてきただけなのではないでしょうか。私にはそう思えて仕方ありません。

 グローバル人材育成は人事のプロセスを総動員して人を育てることに他なりません。新たな教育研修を企画する前に、まずは一つ一つの人事プロセスを、グローバル人材育成の観点で見直すところからはじめていただきたいと思います。

 (東京大学大学総合教育研究センター准教授 中原 淳、構成/井上佐保子)
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