大衆文化評論家指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です。多くのジャンルをさすらいます。

『君の名は。』

2016年12月10日 | 映画

来週にやるトークイベントで、戦後の浪人時代の円谷英二の特撮の傑作として、佐田啓二と岸恵子の名作『君の名は』の冒頭の東京大空襲のシーンを上映するので、今大ヒットのこれも見ておこうと上大岡の東宝シネマズに行く。

平日の午前中なので、大ヒットの観客である若者はいなくて、私と同じ高齢者ばかり。

                                         

 

話は、東京に住む男の子と、地方の盆地に住む女の子が夢の中で入れ替わってしまって、という物だが結構分かりにくい筋になっている。

彗星が落ちてきて、大災害になるのを主人公たちの奔走で助かるということだが、公式記録的には偶然防災訓練をしていたので助かったということになっている。この辺も良くわからないが、画面は相当に細密でよく出来ている。多分、初めに写真を撮って背景を書いたのだろうと思う。

 

これを見て、1953年の『君の名は』との差異を考えたが、やはりメロドラマは、戦争や革命などの大事件が背景にないと成立しないということである。

『風と共に去りぬ』は南北戦争、『戦争と平和』は対ナポレオン戦争、『君の名は』は太平洋戦争、『ドクトル・ジバゴ』はロシア革命という具合。

『君の名は。』では最後に「君の名は」と聞くが、元の『君の名は』では、冒頭の数寄屋橋での氏家真知子と後宮春樹が別れるとき、春樹が「君の名は?」と聞くのである。

今の日本の映画にドラマがないということは、それだけ日本が平和だということの証明である。

 

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