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温暖化へ宣戦布告 ‐ 山本良一・東大教授

2007-12-12 08:39:44 | 地球環境


 日経ECOLOMY(-環境+経済+私-)インタビューコーナーで、12月13日から始まる「エコプロダクツ2007」に向けて、実行委員長を務める東京大学生産技術研究所の山本良一教授のインタビュー記事を公表している。
 タイトルは、「『温暖化へ宣戦布告』 - <エコプロ2007を前に(上)>山本良一・東大教授」である。
 記事タイトルにリンクを張っておくので、記事自体をチェックすることをお勧めする。

 山本教授は、「温暖化に対する宣戦布告が必要。脱炭素社会の実現に向けて、消費者も企業も国も、ありとあらゆる手段を駆使して戦うことが重要だ」と語っているとのこと。
 確かにその通りである。
 消費者自らも、全ての企業も、国家も、それぞれが自ら主体的に、ありとあらゆる手段を駆使し、対応していく必要がある。同時に世界レベルでの国家間連携も必要である。
 山本教授のインタビュー記事の、一問一答の部分を引用しておく。

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 記事引用
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 …(前略)…

○地球環境保全というテーマが消費者1人1人の問題になってきました。消費者はどう行動すべきなのでしょうか。

 まずは消費者が意識を変える必要があります。2007年は人類にとってひとつのマイルストーン。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が第4次リポートで、産業経済活動、日常生活が、温暖化の主要原因であることを科学的に実証したからです。
 さらに北極海の氷は、日本の面積の3個分がすでに消失し、2030年末にも北極海氷がなくなる、という説もあります。こういった科学的知見を突きつけられて、ようやく世界の認識が一変してきました。
 いまは「温暖化地獄の一丁目」だといえます。2丁目はグリーンランドの氷床の全面融解が始まるとき。そして3丁目は2050年、アマゾンの熱帯雨林がサバンナ化しインドのモンスーンが消滅するときです。続々と地獄の2丁目以降が待ち構えている。だからこそ世界は認識を一変したのです。
 北極海氷の減少は、IPCC第4次リポートよりも40年前倒しする速いペースで進んでいます。全世界の科学者がスーパーコンピューターを駆使して得たシミュレーションよりも、現実のほうがずっと進んでいるのです。地獄の1丁目から脱出しないと、人類に未来はありません。

○国民、消費者1人1人はまず何から始めたらよいのでしょうか。

 まず地球上の人間が認識しないといけないのは、「温暖化に対して宣戦布告する」、という激しい認識を持つことだといえます。この戦いは明確に戦争なのです。
 まずは省エネ。新しくモノを買う際には、一番環境性能の高い製品を選ぶ。すでに製品を所有している場合は、なるべく早い時期に新しいものに切り替える。これが最低限必要です。
 さらにエコ製品に切り替えた後は、そのエコ製品をいかに適切に使うかも併せて重要です。ハイブリッドカーだからといって、毎日乗り続けていては地球環境に優しいとはいえないでしょう。

 
(北極圏グリーンランド沖で崩落する氷山)

○かつてエネルギーショックのとき、省エネブームがありました。当時と今回の違いは何でしょうか。

 当時を上回る取り組みが必要です。なぜなら、科学的根拠が明確にわかったからです。かつての省エネブームの際は地球温暖化が起きているということは、ほとんどの人は知らなかった。ごく一握りの科学者だけが知っているだけだった。
 でも今では温暖化が実際に起きていて、さらに加速している。まさに地獄の一丁目です。温室効果ガスは世界中で年間264億トン排出していて、その60%は海や森林に吸収されずに、数千年もの間、大気中を漂うことがわかっているのです。
 そういう危険性が明らかになったからこそ、米連邦最高裁判所はCO2が大気汚染物質だ、と判決で明確に示したわけです。私たちはそういう状況を踏まえて行動しないといけないのです。

○温暖化の危機は少しずつ私たちの間に浸透してきているようにも思えます。しかしなかなか行動につながりませんね。

 地球温暖化に対する宣戦布告は、実際に英国はすでにやっています。チャールズ皇太子がすでに「これは新たな世界大戦である」、と宣言して国民に奮起を呼びかけています。
 アル・ゴア氏はノーベル平和賞受賞のときに、「今の事態はプラネタリー・エマージェンシー(=惑星的非常事態)だ」と宣言しました。今後、1000年は続く苦しく長い戦いなんですよ。主要国でそう主張していないのは、もはや日本だけです。

○なぜ日本は言えないのでしょうか。

 科学がわかっていないからだといわざるをえません。いま100%温暖化ガス排出を削減しても、気温は0.6度は上がります。さらに海水堆積が膨張するため、海面水位の上昇は続きます。われわれの子孫はそういった事態に耐えないといけないのです。

○日本は省エネ先進国だとも言われています。

 まず日本は科学技術と経済において先進国であることを自覚しないといけません。その上で中国、インド、アフリカ、ブラジルに手本となる行動を示す必要があります。
 まず、1人1人が年間2トンの炭酸ガスの放出で回していける経済構造を構築しなおすことが大切です。ドイツのメルケル首相が提唱しています。私たちが出している炭酸ガスを、海や森林が吸収できる量まで減らすのです。
 まず日本国民はもっとも環境性能に優れた製品しか使わない、という強い志を掲げて実行に移すことです。クルマはハイブリッドカーだけ、テレビでもエネルギー効率が最高のものだけを選び、それ以外の製品は購入しない。消費者がそういう行動に徹すれば、産業界では環境性能の向上を目指して激しい市場競争が起きます。

○エコ製品を選ぶも選ばないのも消費者次第です。消費者にいわば強制力をもたせるには、どうすればいいのでしょうか。

 企業サイドの努力と行政の連携も必要となるでしょう。産業界が勝利を収めるには、エコイノベーションと技術革新が必要です。企業は善意だけでは動きませんから、1つは税金でやるという方法があります。環境税を導入し、炭酸ガスをたくさん放出する製品は高い税金を課す。もうひとつは消費税方式で、環境性能が高い製品は消費税が低くするとか、税制面での普及の後押しも必要です。
 しかし何よりも、消費者・国民が環境性能の高い製品しか買わない、と宣戦布告すれば、企業は自然とそういう製品・サービスを重点的に生産販売するという好循環が始まります。
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 Written by Tatsuro Satoh on 10th Dec., 2007

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