今日の読売新聞にアメリカのスクリプス研究所で
新型万能細胞(iPS細胞)を、もとの細胞に遺伝子を入れない方法で、世界初のマウス実験に成功
をした、という記事が載っていた。
従来の遺伝子を入れた方法は、細胞の染色体を傷つけ、ガン化が起こりやすかった。
アメリカチームのやり方は、より安全性が高い、新しい方法で、再生医療に期待が高い。
少し前になるが、4/19(日)の読売新聞の3面に大きく、iPS細胞の現状が掲載されていた。
知っている方は、ご存知の山中京都大学教授が世界に先駆けて作った新型万能細胞(iPS細胞)
は、現在治療法がない病気に対する、再生医療につながるとして、世界中で研究競争が激化している
という。だが研究・開発した日本よりアメリカの方がその治療法が盛り上がりをみせており、再生医療に
力をいれている、オバマ政権のもと、日本発のiPS細胞技術も、その果実は、今や、アメリカにさらわれつつ
あるというのである。
『オバマ大統領は生命科学に理解が深く、これで再生医療が前進すると医学会は沸き立っている』
そうなのである。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)という、全身の筋力が失われていく難病・・・
今年の夏には、世界初の再生医療の患者に対して臨床試験が行われるという。
と、同時期の今年の夏にも、脊髄損傷患者8~10人を治療する世界初の臨床試験を
スタートさせる予定だそうだ。
1年前に、主治医にこのiPS細胞技術の事を質問した時には、心筋や肝臓などの臓器には適用
されると思うが、神経系には、この技術はむかないという事であったが、
上記の様に、神経難病の中でも、難解なALSや、パーキンソン病、無理だと思われていた脊損にも
この技術が適用される。
ブッシュ前大統領は、生命倫理の観点からこの件に消極的だったが、オバマ大統領になった途端に
解禁するなど、やはり、政治家の目指す観点が、これほどまでに
アメリカ大統領の権力には凄さを感じる。
何故、日本が開発した技術なのに、アメリカでこんなに早いスピードで、注目され
臨床実験が進むと言えば、ES細胞などの研究者数が、アメリカでは1000人以上、日本には100人以上と
10倍の開きがあり、研究予算もアメリカは国立衛生研究所だけでも、940億・・・
オバマ大統領は予算の上積みを決めており、研究費はさらに増えるというのである。
日本政府も将来の産業の柱として位置づけ、今年度55億の研究費を支出するが
内閣府では,『日米の研究費には10倍以上の差がある』と公式に認めている。
医師達も、ボランテイアで、仕事をしている訳ではないので、研究費が高い
仕事をやるのは、当然だし、研究数が増えれば、新しい発見や今迄、治らないと
されてきた、病気が、治る確率も格段にあがってくる。
ある国などは、マウスで実験が成功すれば、即、人間の臨床試験を
行なう国もある。ただし、当然リスクもあるが、何も治療しなければ、余命数年だと
言われれば、治る可能性があるなら、それに、賭けたいという患者の気持は痛い程理解出来る。
日本には、厚生労働省という薬事法を扱う、TOPの役所があって
新薬を開発しても、認可がおりて、患者に投与されるまで
平均8年以上かかり、安全性、安全性と言い続ける、国民性もある。
いつかは、確実に人間には死が訪れる。
例えば、この薬で、自分の脚で立って歩け、障害なく普通に会話が出来、SCDの症状は
半年で回復するけど、10年後には、がんになる可能性があります。
と言われても、いまの僕なら、躊躇なく、その薬を投薬してもらい、余命10年は
毎日・毎日、無駄のない生き方をする事を考えるだろう…。
余命と言っても、ベッドの中や病院通いの余命ではなく、普通に
生活が出来る生き方とでは、雲泥の差がある…と思うからである。