蛭児の葦船

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トルコ旅行記:パムッカレ観光

2011-04-23 23:26:18 | どこかに行った話
 いい加減旅行の記録を先に進めねば、という事でパムッカレの石灰棚観光の時の話を書こう。
 今回は似たような写真が沢山。



 パムッカレは、石灰棚やヒエラポリスの遺跡と観光する場所があり、僕はもっぱら石灰棚の方ばかりを散策していた。
 この石灰棚は、遠くから見ると山の一角だけが雪解けしていないように感じられるが、近くからみると巨人が地面に生クリームを塗りたくったように見える珍妙な所だった。
 僕たちの行った時期が悪いのか、それとも行った場所が悪いのか、よく観光案内などの写真で見られる水が溜まり棚田のようになった場所は全然なくて、あるのは上にあげたような景色ばかりだった。
 石灰棚は、靴さえ脱げばある程度の散策が許されている。
 
 ……こんな感じにだ。
 ただ、生クリームのように柔らかな景観とは裏腹に足場はデコボコだらけの石の大地。例えそれが爪を立てれば容易に崩れる石灰で成り立っていたとしても、足裏には地獄の針山の親戚みたく感じられた。
 多くの観光客は、足の痛みに耐えかねて上の方、靴を脱いで石灰棚に降り立った付近のまだ足場が丸みを帯びているところを歩いただけで満足してしまう。僕が写真を撮った地点は、皆がいる場所からそう離れているわけではないのに、この場所までやってくるのは僕と、写真に写っている彼ばかりである。(ちなみに、上の写真に写っている男性はどこぞのツアー旅行者であるところ赤の他人で、左下の影が僕だ)
 
 
 
 足の痛みに耐えながら少し進むと、何らかの作業をしている人の姿が見受けられた。景観を保全しているのか、それとも人の手で何かを作り出しているのか。なんにせよ、彼らの履く長靴がうらやましくてならなかった。
 
 
 
 靴を脱ぎ、石灰地帯に入れる場所からかなり下ったところの写真。ようやく観光ガイドにあるような景観を撮る事が出来た。
 此処は、スタート地点からだと崖の影になっていて先端がわずかに見えるばかりの場所。痛みをこらえ最低の足場を踏み越えてようやくここまでやってくるような人間は、僕と、同じツアーで後に「何故だかついていてしまった」と僕にくっついてきた青年一名、別のツアーの日本人で僕たちとすれ違った二名と、僕の知るかぎり、この四名だけだった。
 ここまで足を運ぶ事により、失ったモノは結構な時間(そのせいで、僕は近くにあった浴場を見損ねてしまった)。得たモノは足の痛みと、絶景と言ってもいいような景色だった。

 

 

 

 スタート地点から遠く、ほとんどの人間が足を運ばなかった棚の一つ。
 昨夜から朝方まで降り続けた雨かそれとも上で流れていた温水か、水が崖をつたって流れ込み小さな池を作っている。池の水は淡く青く、どんな命も宿さぬほどに清浄としていた。
 たとえ此処までの距離が遠く、足の裏が痛むとしても、こんな景色があると知っていたならもっと多くの人が足を運んでいただろう。
 でも、誰もそれを知らないからその場にいたのは僕ともう一人だけだった。

 自然の造形美に見とれ、この絶景がほぼ独占状態である事に浮かれて僕はここで多くの時間を費やした。
 そのために石灰棚以外の、遺跡群を見る時間をなくしてしまい、その点だけが残念でならない。

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