ウィンドウ・ショッピング

今日は、一月七日。
七草がゆを、いただく日です。

その昔、春の七草や餅などを食材として、塩味のおかゆを食べていました。
一年間の、無病息災を願って、食べられていたそうです。

お寺に来られた檀家さん二人と、そんなお話に花を咲かせていました。
お話の内容は、やがて食費に移っていきました。

ちなみに、檀家さんは女性です。

　「今朝、テレビで言ってたけど、ネットで買い物をする人もいるんですってね。
　　ポイントも含めると、年間12万円くらい安く買えるんだって」

　　すごいですね。

　「それに、冷蔵庫を覗いて、足りないものだけを買うから、衝動買いしないそうよ。
　　節約にも、一役かっているって」

私自身も、近所に本屋さんがないから、小説をネットで購入したことはありました。

でも、食材までとは・・・。
世の中、変われば、変わるものです。

相槌を打っていた、もう一人の女性が、口を開きました。

　「でも、私はやっぱり、お店に行きたいな。
　　自分の目で、あれこれ見るのは、楽しいもの。

　　外に出ることも、気分転換にもなるしね。
　　ネット通販は便利だけど、そればかりじゃ、味気ないわよ」

いつの間にか、私は聞き役に回っていました。

ウィンドウ・ショッピング・・・男性には、永遠の謎の言葉。

もはや、井戸端会議と化した空間に、私は一人、居心地の悪さを感じていました。

◆ 参考文献 Wikipedia 七草がゆ