実家のお寺の月忌回向を、お手伝いに行きました。
最後に訪れたのは、久しぶりにお伺いする、お宅でした。
ここは、十数年前に、幼いお嬢さんを亡くされた、ご家庭です。
お母さんが目を離した間に、浴槽に落ちてしまいました。
悔やんでも、悔やみきれない・・・。
自分を責め続けて、毎日を過ごされてきたようです。
私がお伺いしても、お嬢さんのお話をすることはありませんでした。
私の姉も、娘を突然死で失っていました。
だから、いつも、お嬢さんのお位牌を前にしたとき、胸に痛みを感じていました。
そんなお母さんが、口を開きました。
「先日、お母さんが留守の間に、幼い姉弟が火事でなくなる事件があったでしょう?
私、あの子たちのことを思うと、悲しくて涙が止まらない」
私は、お茶を頂ながら、黙って聞いていました。
返す言葉が、見つかりませんでした。
目の前いる彼女の心に、どんな感情が渦巻いているのか。
彼女の瞳に、どんな光景が見えているのか。
そこには、呵責の念に包まれた母親の姿がありました。
この世界には、決して癒えない、悲しみがあります。
言葉の見つからない自分に、苛立ちを感じながら、私は家を後にしました。
最後に訪れたのは、久しぶりにお伺いする、お宅でした。
ここは、十数年前に、幼いお嬢さんを亡くされた、ご家庭です。
お母さんが目を離した間に、浴槽に落ちてしまいました。
悔やんでも、悔やみきれない・・・。
自分を責め続けて、毎日を過ごされてきたようです。
私がお伺いしても、お嬢さんのお話をすることはありませんでした。
私の姉も、娘を突然死で失っていました。
だから、いつも、お嬢さんのお位牌を前にしたとき、胸に痛みを感じていました。
そんなお母さんが、口を開きました。
「先日、お母さんが留守の間に、幼い姉弟が火事でなくなる事件があったでしょう?
私、あの子たちのことを思うと、悲しくて涙が止まらない」
私は、お茶を頂ながら、黙って聞いていました。
返す言葉が、見つかりませんでした。
目の前いる彼女の心に、どんな感情が渦巻いているのか。
彼女の瞳に、どんな光景が見えているのか。
そこには、呵責の念に包まれた母親の姿がありました。
この世界には、決して癒えない、悲しみがあります。
言葉の見つからない自分に、苛立ちを感じながら、私は家を後にしました。