僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

「もうひとつの土曜日」

2017年02月21日 | Music
  昨夜眠れずに 泣いていたんだろう
  彼からの電話 待ち続けて

  テーブルの向こうで 君は笑うけど
  瞳ふちどる 悲しみの影
                 「もうひとつの土曜日」 浜田省吾

家内と食事に行きました。
子供たちは学校に戻ったので、二人っきり。

窓の外は、夜のとばりが降りようとしています。

こうしていると、知り合ったころを思い出します。

あのころ、車の中で、この曲を聴いていました。
僕は、お寺の次男坊。

将来は、ほかのお寺に養子に行かないといけません。
でも、目の前にいる女性のことが好きでした。

絶対に、親には言えません。
彼女とは、結婚できない。

そのことは、彼女も知っていました。
どうすればいい・・・。

泣き顔の、彼女。

よくあるお話ですよね。
ここは「君のいる町」のように、きっぱりと別れないといけないのでしょうが、僕にはできませんでした。

それが、家内です。
そして、僕たち二人は、山口にある、お坊さんが五年間いなかった、小さなお寺にやってきました。

振り返れば、色々なことがありました。
でも、過ぎてしまえば、笑顔で話せることばかり。

泣きはらした、顔。
何度も涙をぬぐって、君は僕を見つめていたよね。

あのとき、席を立たなくてよかったと思っているよ。
今こうして、君といるだけで、僕は幸せなんだ。

ps
あれから、20年。
変わり果てた、お互いの顔を見ながら、穏やかな時を過ごしていました。


◆ 参考文献 「もうひとつの土曜日」 浜田省吾

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