僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

死者の往く 場所

2016年10月19日 | Book
  死者は砂に還り やがて再び 生命となる
                       「キーリ 2 砂の上の白い航跡」壁井ユカコ著 電撃文庫

死者の往く、場所。

キーリは、幽霊船で、母親と再会をします。
ガラス玉の目を持った、人形に宿る、母親。
「私と、そっくり。」

記憶の底から、よみがえる、幼い日の出来事。
「必ず迎えに行くから、ここで待っていてね。」

母親は、キーリに、そう言い残して、階段を駆け上りました。
響き渡る、銃声。

黒髪を広げて横たわる母親の傍らには、ガラス玉の目を持った人形が残されていました。

「お母さんなの?」
キーリは、再会を喜びます。

でも、喜びは、別れの序章でもありました。

12年間、幽霊船でキーリとの再会を待ち続けた母親が、「死者の往く、場所」へ、たどり着いたとき、
キーリは、ずべてを悟りました。

「行かないで、お母さん。」
人形に手を伸ばす、キーリ。

「愛してるわ、キーリ。」
でも、母親は言葉を残して、流砂の梅へと消えていきました。

この世に思いを残した人たちが、改めて別れを告げる。
キーリのやさしさによって、願いを叶える、精霊たち。

  死者は 砂に還り やがて再び 生命となる

EDで、キーリは、母親の宿っていた、ガラス玉の目を持った人形を、流砂の海へ放ちます。
なぜ、人形を手放すの。
持っていてよ!
と、私は叫んでしまいました。

「今は、ハーヴェイがいるから、大丈夫。」
キーリの、このつぶやきが、本書の真意なのでしょうか。

過去は振り返らない。
未来へ進む・・・か。

過去に未練ばかりの私には、胸の痛む、EDでした。

◆ 参考文献 「キーリ 2 砂の上の白い航跡」壁井ユカコ著 電撃文庫
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