僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

訪れた、悲しみ

2017年05月18日 | 日記
 「うちの嫁が、認知症になりました」
私がそう告げられたのは、、先月のことでした。

最近、物忘れが多い。
そう心配したお嫁さんは、今年の初めに、病院の診察を受けました。

診察の結果は、認知症。
病にかかるには、あまりにも早い年齢でした。

今朝は、月忌回向にお伺いする日です。

 「おはようございます」
玄関を開けると、お嫁さんの姿がありました。

心なしか、不安げな顔をしています。

そして、おばあちゃんに、ひとつ、ひとつのことを、何度も確認しています。
そのたびに、おばあちゃんは、「大丈夫だよ」と、返事をしていました。

それは、幼い子供に言うような、やさしい声。

人は、いつかは年をとり、衰えるときがやってきます。
けれど、あまりにも早く訪れた困難を目の前にすると、人は悲嘆にくれてしまう。

 「健康であるように、一緒に手を合わせましょう」

一心に、願う姿。
なぜ、人はこんな悲しみを背負うのだろう。

幸せな毎日は、なぜ壊れてしまうのだろう。

背負っていかなければならない、現実。
その前では、気休めの言葉なんて、消えてしまう。

 「もう、いい? おばあちゃん」

小走りに、座敷を後にするお嫁さん。
そして・・・無力な自分。

重い足取りは、いつまでたっても心から消えようとはしませんでした。
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