僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

「おめでとう」 星降る街

2017年09月08日 | Wish
「山口県・〇〇寺修徒・ナオキチ」
日蓮宗総本山・身延山久遠寺・祖師堂に響く、声。

「はい!」
足がしびれて、ふらつきながらも、彼は大きな声で、力強く立ち上がりました・・・。

夜明けの空には、美しい月が浮かんでいました。
最後の朝を迎える青年たちを、まるで祝福しているような気がしました。

午前四時半。
静まり返った身延山に、大音声が響き渡りました。

お題目を唱える、声。
そして、うちわ太鼓の音・・・。

山間に響く声が、私の心を打ちました。

平成二十九年、九月八日。
第三期・信行道場の終了の日を迎えました。

本山の朝勤に向かう、青年僧侶。
出迎えの、檀信徒の方々。

急な坂を、足並みそろえて上って行きます。

その姿を見て、私は、彼らの頑張りを実感しました。

指導教官の言葉に対する、返事の力強さ。
速やかに、行動する姿。

それだけで、わかってしまうんだ。
僕たちの時とは、まるでちがうって・・・。

そこには、言葉にはできない感動がありました。

「あなたが親だから、そう思うのよ」
そう考える方も、たくさんいることでしょう。

もしかして、その通りなのかもしれません。

でも、こんな気持ちは初めて。

「既存の宗教なんて、いらない」
そんな言葉が、世の中に満ち溢れています。

お寺への批判。
耳の痛いことばかりです。

でもね・・・今朝の彼らの姿を見て、思ったんだ。
君たちがいる限り、大丈夫だと。

こんなヨレヨレのおじさんじゃなくて。
曇りのない、純粋なまなざしを持った君たちがいる限り、灯火は消えることはない。

本当に、感動したよ。

信行道場に行けるのは、一生に一度。
そこにある経験は、二度とやってこない。

だからこそ、この日々を、いつまだも忘れないでね。
たとえそれが、どんなにか細いものだとしても、悲しみに満ち溢れたこの世の中の、支えになってください。

人に、うそをつかずに、
人の悲しみを、自分のこととして感じ。

背伸びをすることなく。
けがれのない心を、大切にしてください。

今は、まだスタート・ラインに立ったばかり。
君たちの、未来を応援しています。

信行道場の無事修了、おめでとう!
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