Someday-Somewhere!

海、川、山。自然の中で遊ばせてもらいながら、
その中で感じたことを素直に、写真と文章を通して表現していきます。

2016年回顧録~アマゴ・ヤマメ~初夏、盛夏編

2017-02-08 05:13:27 | トラウト(渓流)
1年のうちで最も心が躍る時期。
それは、新緑で森が萌える5月あたり。

その頃に溪に入ると、
釣りにカメラに山菜にと、
本当に忙しい。

少し進むたびに、
眩いばかりの景色が迫ってきて、
足が止まり、目が留まる。

雨が降れば、それはそれで、
森の生命感溢れる様にはっと息を吞む。










この日は本当によく晴れ渡った日で、
アマゴの朱点が周りの黄緑との対比で、
より美しく見えた。












そして、7月。
山は落ち着いた深い緑色へ変わり、
渓流に何度か足を運んで、
人間も心が落ち着いてくる頃。





汗が滝のように流れるのが
最初の頃は心地良いのだが、
魚の反応が悪いと疲れも加わり、
足が途端に重くなる。

道路から離れていて、
エスケープできないエリアだと、
まるで山登りのようにしんどくなる。













この日は増水気味で、
河原も水没しているところが多く、
流れに逆らって歩いたせいで、
帰りはもうくったくた。

道路へと上がれるはずの階段が見つからず、
川通しに歩いて戻ったのだが、
気を抜いた瞬間に深みにドボン。
頭まで濡れネズミ。


それでも、かえって気持ち良いのが、
盛夏の良いところ。


梅雨が終わると、
雨の降り具合によって、
釣果が左右されやすく、
魚の姿も拝みにくくなるけれど、
釣りという点だけで言うと、一番好きな季節かも。

やっぱり、夏男なんだな。



適応能力の発揮どころ

2017-02-03 02:18:37 | ライトゲーム(メバル・アジなど)
適応能力に欠けていると感じる時がある。

例えば、最新式のトイレを利用した時、
どうやって流せばいいのかすぐわからず、
あたふたしたりする。

例えば、マツダスタジアムで、
新しいチャンステーマが取り入れられた時、
手拍子がうまく合わせられなかったり。





そして、釣りで初めてのポイントに入った時、
やっぱり同じなのだ。

新しいポイントに入ることを
望んでいるにもかかわらずそうなのだ。




適応能力に長けるアングラーは、
キャストするたびにひとつひとつ
ポイントの特徴を把握していく。




カメラを片手に様子を見ていると、
さっそく大きく竿を曲げる。







暗くなってからも…











激流のボトムを攻略しては良型のアジやメバルを。
シーバスの姿を見つけてはちゃっかり騙してしまうのだ。





一方、こちらと言えば、
良型メバル連発の立ち位置を譲ってもらっても、
流れに翻弄されて、メバルの口元までリグを運べず。






より流れが緩く、
より水深のない釣りやすい場所で、
ちょこちょこと密かに楽しんだ。















また、今回の楽しみは釣りだけにあらず。
爆風を避けるのに苦労しつつ、野外料理を楽しんだ。








調理道具を持ってくる代わりに、
家に置いてきたものが、
実は、ここのポイントを攻略するのに必要なもの
だったりしたんだけどねぇ。

それでも、身体の冷える中での、
暖かい野外料理は、
心がふわふわするほど美味しく、
心がぽかぽかするほど楽しく、
文句なしに大成功。




その後、どうなったかというと、
適応能力を発揮し続けたふたりの
大きいクーラーボックスは、
朝には持ち上げるのが大変なほど
どっしりと重くなっていて。

一方、こちらと言えば、
お腹を満たした後、
アジの時合が訪れたなんてつゆ知らず、
寝袋の中でぐっすり朝まで夢の中。




どこでも寝られるということに関しては、
適応能力があるんだけどなぁ。


2016年回顧録~初顔合わせ~

2017-01-31 03:34:34 | トラウト(渓流)
マス類に魅了されて、
約9年?10年?

アマゴ、ヤマメ、ゴギ、イワナ、サツキマスと、
県内及び近県で釣れるマス類は、
サクラマスを除いて手中に収めてきた。


毎年のサイクルも出来上がっていて、
ちょっとマンネリ化してきた感もあった。

そのようなタイミングで、
誘ってもらったのが、
まだ出逢ったことのない魚が泳ぐ川。


どっちかというと、
魚そのものよりも、
今まで踏み込んだことのないエリアへの遠征
という要素に心惹かれたのだけれど。






普段、アマゴやヤマメを狙っている
規模のこの細い流れの中に、
60cmになる大物が潜んでいるという。




その魚の名は、
“ブラウントラウト”。

表情は、アマゴよりも、
イワナに近い雰囲気。










渇水気味のためか、
期待した大きな影が姿を現すこともなく、
流れもこんなに細くなってきた。







まさに、ラストポイントで、
釣れてくれたこの日の最大魚。













この魚が潜んでたポイント。



奥の流れ込みにキャストしたのだけど、
枝にラインが乗っかって、
まさに虫のようにポトンと静かに落下したルアーに
飛沫を上げて襲い掛かってきた。

完全に偶然の産物。
キャスト下手だからこそ釣れたラッキーな1匹だけど、
そんなこと関係なく素直に喜んだ1匹だったよ。





こういう生き物を食べて、
大きくなるんだって。





刺激たっぷりの1日に、
またどこかに遠征したい気持ちが
際限なく膨らんできてる。


まだまだ、全国にはマス類、
いろいろいるもんね。
キリがなくなりそうで怖いんだけど。。。



2016年回顧録~ゴギ~その2

2017-01-26 03:59:17 | トラウト(渓流)
小学生4年か5年の頃だったと思う。
ぎりぎり汽水域の川、
買ってもらったばかりの釣り竿セットで、
掘ったミミズを餌に魚を釣っていたときのこと。

突如、竿がひん曲がり、
リールのハンドルが思うように巻けない。
あたふたしてると徐々に魚が寄ってきて…


そして、目の前で飛沫を上げて、
魚は濁った水の中へ消えていった。


恐らく、正体はボラかイダだと思うけど、
釣りを始めたばかりの少年には
身体が固まってしまうほどの衝撃だった。

今でもそのそばの道を車で通ることがあれば、
自然とその場所に眼を向けてしまう。





時は流れに流れて…


初めて釣ったその姿に、
膝まづいて感動のあまり声が出なかった魚がいる。


それが、前回の記事で、
話に取りあげた“ゴギ”という魚。






初遭遇からさらに時は経ち、
今では、そのありがたみも薄くなって、
申し訳ないような気もする。

1シーズン、ゴギから離れてみようかと
思ったこともあった。
それでも、水量が減る真夏になると、
ゴギが恋しく愛おしく沢の奥深くに足を向けてしまうのだ。







お気に入りの沢を案内して、
納得のいくゴギに出逢ってもらうのも
また嬉しいひととき。








身体をくねらせて暴れて、
なかなか落ち着いて撮影をさせてくれないことが
この魚との付き合いでの悩み。













こういう沢の写真を眺めていると、
本当にシーズン開幕が待ち遠しく、
今からそわそわしてしまう。



今から、いつまで、
元気に沢を歩くことができるのか。
いつまでもゴギたちと出逢えるというわけではない。

1匹1匹との出逢いを大切に、
心に刻んでいかなくてはいけない。

いつしか、年老いた頃、
かつて歩いた沢の近くを車で通ることがあれば、
やっぱり、自然と沢の方に眼を向けると思う。
その日までに悔いのないように歩き回っておこう。









2016年回顧録~ゴギ~その1

2017-01-24 02:54:00 | トラウト(渓流)
“ゴギ”という魚の存在は知っていた。
いつ、何のきっかけで、
知ったのかは覚えてないけれど。
広島県の天然記念物ということも知っていた。


今年の春でちょうど10年前かな。
ふと、思いもよらなかった渓流釣りを始めた。


ゴギなんて、
滅多に姿が見れないものだと思っていたし、
釣っていいものかどうか、
戸惑ったことも覚えている。


ちなみに、今でも、
広島県のHPには、
“目撃したら情報をお寄せください”
という記述があるもの。










ただ、実際に、
奥深い渓流に入ってみて、
ゴギの多さに気付かされた。

知識を得るだけなのと、
実際に体験してみることの大きな違い。


まぁ、マニアによる無秩序な放流で、
水域ごとの特色が薄くなっているというのは本当らしいけど。






急に身近になった魚、ゴギ。
ここから彼らの虜になっていくわけだ。

当然、沢をより深く入り込むようになっていく。
細い枝沢も気になってくると、
次第にキリが無くなっていく。
彼らは水が動いている限り、
どこまでも上っていくのだから。



ゴギ特有の頭部の斑紋。
他のイワナ族との大きな違い。





個人的に、ゴギの好きなところは、口の形。
というか、口を中心とした表情の豊かさ。

ヤマメやアマゴが、
釣られた後でも威嚇してくるような
凛とした表情を崩さないのに対して、
ある魚は観念してるように見え、
ある魚は助けを乞うているように見え、
または、自分の欲深さを後悔してるようにも見えるものも。









今年は、どのような表情を
拝むことができるのだろうか?

ここ最近、渓流釣行は、
暖かくなった5月あたりからスタートしているのだが、
今シーズンは久々に雪が残る3月の溪にも入ってみようかな。
アマゴがまだ動きが鈍いその時期にも、
彼らはより活発に餌を求めているから。


残雪を背景にした
ゴギの写真にも挑戦してみたいと思っているのだ。