呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

駐在員としての資質

2010年09月30日 | 日記

 以前とあるお仕事でご一緒した中国人会計士の方から、中国に駐在員としての資質ということで教えてもらったことがある。資質というとちょっと思い感じもするだろうが、軽い気持ちで読んでもらえればいいと思う。

・日本で経営したことがない人がいきなり中国に行き、経営することはリスクが高まる
傾向がある。

 

・中国語ができない人がいきなり中国に行き、経営することはリスクが高まる傾向がある。

 

・初めて出会う中国の方と一緒に中国で会社を作ることは、リスクが高まる傾向がある。

 

・中国での一般的な生活に慣れない方がいきなり中国に行き、経営することはリスクが高まる傾向がある。

 

・自分の能力の不足部分を専門家に頼り補う予定のない方が中国で、経営することはリスクが高まる傾向がある。

 

・中国が好きになれない方が中国で、経営することはリスクが高まる傾向がある。


・中国が嫌いになった方が中国で、経営することはリスクが高まる傾向がある。

 

・しっかりした独自の優位性を持っていない方が中国で、経営することはリスクが高まる傾向がある。

 

・通訳を過信する方が中国で、経営することはリスクが高まる傾向がある。

 

・現地のスタッフを見下している方が中国で、経営することはリスクが高まる傾向がある。

 

・現地のスタッフを育てる気持ちのない方が中国で、経営することはリスクが高まる傾向がある。

 

・口だけで、行動が伴わない方が中国で、経営することはリスクが高まる傾向がある。

 

・中国の悪い所しか言わない方が中国で、経営することはリスクが高まる傾向がある。


・中国の悪い所しか見えない方が中国で、経営することはリスクが高まる傾向があ
る。

 

13億人を養う大国の気持ちで中国の制度と法律を見ようとしない方が中国で、経営することはリスクが高まる傾向がある。

 

・すぐに『中国は』と全般否定する方が中国で、経営することはリスクが高まる傾向がある。



 私が中国にやってきたときに言われたのは、「中国のことは好きでも嫌いでもどっちでもいい。でも興味は持ちなさい。」
 上に並べたものについては個人的にちょっと違うと思うところもあるし、今のこのご時勢で納得しづらい部分もあるかもしれないが、感覚的にはわからなくもない。ご参考くだされ。


偽中国通

2010年09月29日 | 日記

 中国通を装うためにパスポートに日中間の偽の出入国記録スタンプを押し捲っていた日本人が捕まった。なんと、82もの偽の出入国スタンプを捺印し、22もの出入国スタンプの日付を改ざんしたというものだ。

 

 報道によると、この男はなんと1億円ものコンサルティングサービスの案件をとろうとするためにこのようなことをしたということだ。依頼主がこの男がどれだけ中国を理解しているかを証明する資料を要求してきたために、この男はこんなことをしたという。依頼主も最後の最後でいかに中国通であるかの確認をとろうとしたというのは賢明といえるが、でも捏造の事実を見つけたのは空港のパスポートコントロールであって、依頼主ではない。パスポートコントロールを潜り抜けていればこの1億円のコンサル契約も締結していたかもしれない。しかし1億円とは大きなコンサル契約だ。こんな男に相談するくらいならオイラに相談してくれよ!


通関が滞り始める

2010年09月28日 | 日記

 お客さんからメールをいただいた。「尖閣列島問題で日本向け輸出の検査率が大幅に上がり半期決算を前に人不足、電気に続き、混乱がひどくなってきています。」ということだ。メディアでもこの件について報道されている。 

 

<中国>対日通関検査を厳格化 企業に打撃 漁船衝突関係か(毎日新聞)


 中国の一部の税関当局が、日本向けの輸出品や日本からの輸入品に対する通関検査を厳格化し、自動車や家電の部品などの輸出入が滞るケースが頻発していることが26日分かった。尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件に関連した中国側の対抗措置の可能性もある。日本企業の生産活動に支障をきたす恐れがあるため、日本政府が情報収集を急いでいる。

 関係筋によると、上海の税関当局が21日、大手運輸業者に対し、通常は30%程度の抜き取り検査の航空貨物を全量検査し、検疫の検査の割合も10%から50%に引き上げると通告してきた。全量検査は時間がかかり、日本への輸出品を航空機に積み込めない事態も発生している。北京などの税関でも通関が厳格化されているという。

 

レアアース:中国への過剰依存を露呈 輸出手続き停滞問題(毎日新聞)


 「中国政府は否定しているが、複数の商社から日本向けレアアースの新規契約や船積み手続きを止めるよう指示があったという情報が入っている」。大畠章宏経済産業相は24日の閣議後会見でこう指摘した。

 

船長釈放で事態好転への期待感も出ているが、中国が、今後も「経済カード」で日本に揺さぶりをかけてくるリスクは消えない。ある経産省幹部は「日中関係が悪化するたびに日本製品の不買運動が繰り返されてきた。経済圧力で交渉を優位に運ぼうとする中国の常とう手段だ」と説明する。

 

 中国は「それはそれ、これはこれ」という考え方をしないようだ。一時チャイナプラスワンという言葉が流行ったものの、結局は中国一辺倒になりその後あまり聞かなくなったが、今回の騒動であらためてチャイナプラスワンという言葉がクローズアップされてくるだろう。プラスワンの対象となりうる東南アジアやインドにとっては日本からの投資受け入れのチャンスでもあるといえる。日本企業が中国という一極に集中しすぎる問題は以前から提起されており、今回その問題が顕在化したことから、今後の海外投資戦略も見直しが図られるだろう。

 


信頼と可愛がり

2010年09月27日 | 日記

 カルフールがシンガポール、マレーシア、タイにある資産をイギリスのTESCO、フランスのCasino、日本のイオン等といったところに売却しようとしている。カルフールが言うには、二次的な市場から退出して中国等の潜在市場を拡張していく計画とのことだ。しかし、カルフールは以前にも紹介したように店長の権限が弱くなり、それもあって店長レベルがどんどん退職しているというのを紹介したことがある。人材が流出して行ったり、管理レベルも下がり、店舗あたりの売り上げも下落している。

 

 ウォルマートに店舗数でも抜かれてしまったカルフールも今年は買収による拡大の動きも出ている。保龍倉の51%の持分を買収し、これにより11店舗増加する。しかし、カルフール中国の管理層の中で、この買収はたまたまのものであると発言している人がいる。カルフール内部には買収を専門とする舞台もなく、買収を高度な戦略としているわけでもないようだからだ。カルフールは毎年20%店舗を開店しようとしているが、これもウォルマートよりは緩やかなペースとなっている。

 

 カルフール中国地区で長らく幹部を務めていた丁利国氏によると、カルフールの中国地区の政策決定層の現地化が逆戻りしていることが現在のカルフールの低調につながっているとの見方をしている。90年代末にカルフールがどんどん拡張していっていたときというのは、カルフール中国は総裁が外国人であった意外は、部門総監、区域経理等の政策決定層は台湾人、大陸人で半分以上を占めていた。ところが現在は総裁、高級副総裁といった政で構成される政策決定層に華人は一人もいない。本部の権限集中というのがその理由のようだが、それにしても全て外国人で固めるというのがナンセンスだ。これはひょっとすると現地職員のことを信用していないということだろうか。確かに、肝心かなめな部分は本社主導でもいいだろうが、この体制だと現地職員に対するリスペクトが無さすぎやしないだろうか。自分たちが信用されていないと気付いた現地職員はどうなるだろうか。これは立場を自分に置き換えてみればいいだろう。何かやろうとしても結局は信じてもらえないとなると、間違いなくモチベーションに影響するだろう。以前日本で同期の同僚が言っていたのを思い出す。「人間って気持ちで動くんや」。そう、気持ちで動くのである。また人が動くにあたり、その人が自分がどれだけ可愛がられているかというのもかなり重要だと思う。人によって色んな思いがあるかと思うが、この考え方は間違っていないだろう。


びっくりした

2010年09月24日 | 日記

 尖閣問題に一応の終止符が打たれることになった。那覇地検が処分保留という判断を下し、船長の釈放を決めたのだ。大事なのはここからだ。この判断の中で「国民への影響や今後の日中関係も考慮すると、これ以上容疑者の身柄拘束を継続して捜査を続けることは相当ではないと判断した」とコメントしたという。びっくりした。地検は法律どおりに物事を進めるところかと思っていたのだが、なんと外交問題を判断基準に組み入れたのだ。このあたり色んなところから結構突込みが入っているようだが、そりゃあそうだろう。私ですら記事を見た瞬間「?????」と感じたくらいだ。検察っていつの間にかかなり偉くなったしまったようですね。

 


共産圏

2010年09月23日 | 日記

最近尖閣諸島問題がメディアをにぎわせている。個人的に思うところはあるが、本ブログではこのような政治的な問題について触れるつもりはない。しかし、この一連の動きの中で気になった点がある。発言内容だ。特に中国側の。単なる主張だけであればいいのだが、それを超えてしまっている発言が目立つ。いくつか取り上げてみよう。

中国外務省の馬朝旭報道官

日本側が独断専行し、過ちの上に過ちを重ねるなら、中国側は強烈な報復措置を講じる。その全ての結果は日本側が負うことになる

温家宝首相

「日本側が独断専行すれば、中国はさらなる行動を取る。発生する一切の深刻な結果は、すべて日本側の責任だ。」

 

中国外交部の王光亜副部長(外務次官)

「日本側が船長を即時無条件解放しないなら、中国側は強烈な報復措置を講じる。その全ての結果は日本側が負うことになる」

姜瑜報道官

「中国側は事態の発展を注視し、今後さらなる対応をとる権利を保留している」

 

この一連の発言を聞いてふと思った。北朝鮮の発言と似てはいないかと。ということで、北朝鮮が行ってきた発言についてみてみよう。

朝鮮外務省の報道官

「もし敵対勢力が安保理の議長声明発表後も、依然として武力による威嚇と制裁に固執すれば、朝鮮は必ず強い反応を示すだろう。これによって引き起こされた衝突拡大の責任は、すべて敵対勢力にある」

 

朝鮮人民軍総参謀部報道官

 韓米合同軍事演習に対して「最も厳しい軍事対抗措置を講じる」

朝鮮人民軍総参謀部報道官

 「韓米が近く実施する合同軍事演習は、その規模、内容、性質のいずれにおいても、われわれを標的にした『全面戦争演習』『核戦争演習』だ」

 

朝鮮人民軍西部前線司令部

韓国軍の海上射撃訓練について「単なる訓練ではなく、わが領海に対する露骨な軍事侵攻行為であり、不法な『北方限界線』を固守しようとする無謀な政治的挑発だ」

 

なんか時代が100年くらい戻ってしまったような気がする発言だ。この二国で共通しているのが、単なる主張以上のメッセージ性を有している点だ。私個人が誰かとトラブルを起こし、以上のような発言をされるときわめて不快に感じるはずだ。相手を不快にさせることを目的としているとしか言えない。また、発言内容も脅迫まがいといわざるを得ない。なんというか、ドラマでしか聞くことないセリフで、「○○さん、確か小学校に通う娘さんがいましたよね」と娘さんに危害を加えることを匂わせるようなのがあるが、こんなのよりももっとストレートだ。

 

毎日上海で生活していて特に困ることもないのだが、このような一連の発言を聞いていると、上海はこんなに発展したとはいえ、中国もやっぱり共産圏なんだなあと感じる。なんというか、ものの言い方が共産圏チックなのだ。資本主義と共産主義はやはり相容れないものなのだろうか。


中国のFC2復活は道半ば

2010年09月23日 | 日記

 中国でFC2が復活したということで、緊急避難的に利用していたgooブログから当初から使っていたFC2ブログに戻したばかりですが、どうも記事のアップができなくなってきました。画面自体は見ることができるのですが、書き込みができません。また、画面自体にリンクできないという超えも聞こえてきていますので、またgooブログで記事をアップしてきます。FC2が復活すればまた戻しますが、当面はgooブログをご覧ください。

 それにしてもいい加減にして欲しいわ。たかだかブログ程度のものをアクセス制限するなんて。


中秋節 ~今日から三連休~

2010年09月22日 | 日記
 今日から中秋節休暇で三連休だ。なんやかんやとやることがあるので3日間も休むわけには行かない。
 さて、みなさんは月餅は好きでしょうか?日本で和菓子があるように、中国にも中華菓子があるのだが、月餅はその代表格といえよう。中秋節のおりには月餅チケット(引換券)が配られることが多い。でも月餅を本当に好きで食べる人はどれだけいるのだろうか。日本だとおはぎや桜餅が好きだという人はいると思うのだが、中国で月餅が好きだという人はほとんど会ったことがない。でもこの季節になると引換券が配られる。不思議だ。とはいうものの、人気の月餅もある。ハーゲンダッツの月餅だ。まあ、中身はアイスクリームなので月餅と呼ぶには違和感はあるのだが。私引換券をもらったので引き換えに行かなければならないのだが、引き換え期限が22日、要するに今日までなのだ。昨日行ってきたのだが、あまりに人が多く、並んでられないので今日にしたのだ。でもやっぱりたくさんの人が並んでいた。

  

 ぎりぎりに来てしまったのでエラい目にあってしまった。しょうがない、並ぶとするか。並んでいると何台も冷蔵車がとまっているのが見えた。

 

 その理由がわかった。ハーゲンダッツにせっせと月餅(アイスクリームですが)を運んでいるのであった。最終日なので品切れさせるわけにはいかないのだ。



 そうこうしてやっと月餅がゲットできた。

 

全然月餅じゃない。どこからどうみてもアイスクリームだ。さて、帰るとするか。するとものすごく渋滞しているのがわかった。



 冷蔵車が大量に停まっていた影響もあるとはいえ、自分勝手な人間が多いので、ちょっと車が多くなるとすぐにこうなってしまう。ホント、何とかならないものだろうか。どうみても歩行者優先の状況でクラクションを鳴らし続けながら突っ込んでくる車は今でも少なくない、というかそれが当たり前の光景になっている。こればっかりはいつまでたっても直らない。

代理購入の現状

2010年09月20日 | 日記

 91日から個人海外郵便により輸入する貨物に対する免税限度額が従来の500元から50元に引き下げられている。課税額が50元を超える場合、全て商品価格に対して輸入税の課税が行われる。私は当初通達レベルでは公布されたものの、実際の施行に際してどこまで厳しく運用されるか懐疑的に思っていた。しかし、新聞紙上では大きく取り上げられ続けており、どうも厳しく運用されそうな雰囲気を感じる。

 

 中国電子商務研究中心というところが発表した《2010年(上)中国電子商務市場データモニタリング報告》によると、20106月末まで出、海外代理購入の市場取引規模は78.2億元に達し、年末までには110.3億元に達すると予想している。この報告の中には十大売れ筋商品として、化粧品、粉ミルク、旅行用カバン、靴・帽子、衣料品、電子製品、高級腕時計、食品、個人運動器材及び海外特産品、となっている。

 

 いまのところ、代理購入は専門的な国際代理購入サイトと個人代理購入サイトとに分かれている。前者は関税が追加されることを既に表示しているのに対して、後者は依然として「関税は必要なし」としているところもあるという。また、法人の場合は関税リスク回避のために小刻みに輸入するという手間を嫌がって、輸出入手続きをアウトソーシングするケースも増えてきているという。小規模法人や個人はアリババ等の電子商務プラットフォームまたは物流会社を通じて集中的に通関してもらうことでコストを下げているケースもある。

 

 規模を大きくやっていたところは大量の貨物を一気に通関するという方法をとっていたところが多く、免税限度額の引き下げの影響は少ないとのことだ。一方、普通に考えれば個人で行っていた代理購入の勢いは徐々になくなっていくように思われる。とはいうものの、ここは中国、従来どおりの代理購入が意外と長生きするかもしれない。


入札案件

2010年09月19日 | 日記
 もっと仕事を取っていかなければならないと思い、日本から発注される入札案件を探してみた。入札期限を越えているもので面白いものがあったが、これはさすがにしょうがない。ずっと見続けているとあったあった、中国関連の入札案件が。内容を見ていると、これはできそうだなと思うものを見つけたので、入札要領を見てみた。まず入札資格としては日本国内の法人に限るとあった。当社は中国にある現地法人なのでこの時点で入札資格はない。じゃあ、日本本社に元請してもらって、その下請けでうちでやればいいやと思ったところ、なんと、「原則下請けの活用は不可」、要するに本社元請け当社下請けのスキームはダメということだ。つまり、中国関連案件にもかかわらず、原則全て日本国内で完結させましょうということだ。例えばこれが軍事に関することで、外国企業に委託するのはリスクが高いということであればそれもわかる。しかし、投資環境や産業調査でこの縛りは果たしていかがなものだろうか。せっかく会社として中国関連業務を行うために中国拠点を設けたというのに、その活用を認めてもらえないなんて、理屈がよくわからん。いちおうその理由を問い合わせてみたのだが、いまひとつ腹に入らない内容であった。おかしいと思いますよね?

ネットショップ支援サービス

2010年09月19日 | 日記
 李寧という中国のスポーツブランドがある。ここがタオパオモールに旗艦店を出店したのだが、2009年の売上高が5000万元を超え、単一の店舗としてみた場合、その他の実体店舗を上回る規模に達している。この後ろにいるのが上海宝尊公司という会社だ。同社の主な業務内容は、ネット販売のブランド作り、具体的にはタオパオモールに出店する企業に対して旗艦店を作り上げることだ。

 このビジネスはこのようにして始まった。ある会社のために従業員が買い物するプラットフォームを作ったのだ。フィリップス、強生、HP等の社員が自社の製品を社員価格で購入するのだが、それを複数の会社が相互乗り入れするシステムを作ったのだ。気がつけば十数社がこのスキームに参加するようになった。この中で同社はフィリップスと関係を強化し、フィリップスがタオパオモールに旗艦店を出店する際にサポートを行った。ネットの旗艦店の売り上げは急激な伸びを示し、続いて李寧、HP、美的、HPにも同様のサービスを提供した。

 収益モデルはネットショップの設立を支援した顧客からは販売コミッションを徴収するというものだが、徴収方法は顧客により異なる。ネットショップ設立の場合は二種類に分かれるのだが、①ネットショップ開設に当たってのサービス費用(システム構築、ウェブサイトの設計、内装、データのIT応用への結合等)、②運営における販売コミッション(15-25%の間)、以上の二つだ。Eコマースに必要とする写真撮影、制作等については個別に徴収し、ネットショップの全体プロモーションについても一定比率の市場プロモーションサービス費を徴収する。このビジネスモデルにアリババも目を付けて戦略投資を行っている。

 なるほど新しいビジネスモデルだ。コミッション15-25%は結構高いかもしれないが、本当にたくさん売れるのであればこれくらい構わない。でもよく見ると市場プロモーションサービス費とやらも徴収するのでやっぱりそこそこの費用体系だ。外資のネット販売に関して緩やかに取り扱う旨の通達も出たばかりであるので、今後は外資でもタオパオモール+自社ネット旗艦店舗という組み合わせが増えてくると思われる。まだまだこのビジネスモデルは受け入れられるだろう。

中国でのFC2復活宣言は早すぎたようです

2010年09月19日 | 日記
 中国でのFC2復活千元をしたのですが、FC2が復活仕切れてないエリアがあるので、FC2に一本化するのはまだ早いという指摘を受けました。しばらくgooとFC2を並存させていきます。ご指摘してくださった方、ありがとうございました。

中国でFC2復活!

2010年09月15日 | 日記
 ついに中国でFC2が復活した!今までgooで書いていた記事も移し変えた。何せよそのブログから無理やり引っ張ってきたものなので、レイアウトがおかしくなってしまっているところがあるが、これらについては徐々に直して行きたい。ということで、今までgooで『呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記(別館)』をご覧いただいていた方々は、今後は『呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記』をご覧ください。別館という名前が取れただけですが。
よろしく!

小売業界の007

2010年09月14日 | 日記

 賃借料0、リベート率0、7日後決済。北京純本百家商場のサプライヤーに対する条件だ。今まで中国の小売業はサプライヤーにとって条件が非常に厳しいイメージがあったが、こんな条件なら大歓迎だろう。売り場は商品毎に1-35元の取引費用を徴収し、低価格多販売を行う。しかしそもそもなんで中国の小売業ってこんなんなのだろうかについて見て行こう。

 アメリカの靴のブランドでNINE WESTというのがある。よく見るブランドだ。これがアメリカでは一足20ドル程度で売られているという。しかし中国では800元程度であり、だからといって粗利率が高いわけでもないらしい。売り場の高率のリベートのほかにも、売り場に入るための支払わざるを得ないグレーな部分のコストや在庫コストもある。百貨店で普遍的に見られるのはリベート率が25-45%、掛期間が45日~9ヶ月、販促コストは全額サプライヤー負担、といったものがあり、これば小売価格を押し上げている原因になっている。また、サプライチェーンの流れの中で、具体的には工場⇒総代理⇒地域代理⇒販売代理店⇒売り場、こういった流れの中で、価格がどんどん上がっていってしまってる。衣類を例に取ると、百貨店の小売価格は6倍以上の膨れ上がり、高級百貨店では10倍以上にも膨れ上がる。

 リベート率の高さに不満を言う業者がいる。受け入れざるを得ないのだが、これがために10-15%の新利率が食われてしまうとぼやく。
 回収期間の長さに不満を言う業者がいる。北京のSOGO百貨ではなんと9ヶ月のも期間を強いられ、耐え切れずに撤退するサプライヤーも少なくない。
 
 
純本百家商場は中間フローを排除して、生産業者と直接取引することで、賃借料0、リベート率0とし、しかし一方で、小売価格を市場価格の35%掛け(65%引き)にすることを要求する。このような価格設定を行っているのは全体の80%に上る。知名度のあるブランドについてはこの対象外だ。となると、純本百家にある商品は知名度の劣る商品が多く集まっていることになる。この問いかけに対しては有名デザイナー等を集めてサプライヤーに生産指導を行ったり、売り場を見て回ることで受けの悪い商品を除外していく動きを取っているという答えが返ってきている。

 いずれにせよ、従来のスーパーや百貨店のような、なにかと高コストであることとは全く正反対のビジネスモデルだ。あえて従来型の小売モデルに対抗するこのモデルの先行きに注目だ。


こういうのは素直にうれしい

2010年09月13日 | 日記

 メディアの力は凄い。9月10日に日経新聞で、『中国、ネット通販を外資に解禁』という記事が掲載されるやいなや、問い合わせがいくつも来た。「知ってましたか?」という問い合わせが多かったのだが、既にこの記事は9月1日の時点でニュースレターに仕上げて会社のウェブサイトやこのブログにもアップしていたのだ。ついでにこれも。
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 しかし悲しいかな、やはりメディアの力にはかなわない。話題になったのはやはり新聞に記事が掲載されてからだ。いまさらながら自分のセルフプロデュース力のなさに気付かされる。

 ものを書いていると、それが評価されると素直にうれしく感じる。たまたまとあるブログで以下のような記事を見つけた。

 

 おおお、『中国ネット販売ハンドブック』といえば我が社の作品ではないか!確かにこれは気合が入った。評価してもらえてうれしいです!そういえば、これの一環として3月に日本でネット販売に関するセミナーをしたなあ。あの頃から私の見解としてはプラットフォームを提供するようなスキーム意外でのもネット販売は外資でもかまわないというものであったが、新聞記事のおかげもあってようやくこの考え方に賛同していただける人も増えてきそうだ。