呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

新聞を利用した支払督促

2008年05月29日 | 未分類

 新聞を見ていたところ「催款通知」というものが掲載されていた。

 


  これは要するに支払を督促をする内容である。内容は次の通りである。

○○(上海)有限公司

貴社は当社への2007年8月よりの広告代金を支払っておらず、当社は2007年年末に何度も督促し、貴社の主席財務長官(CFO)は2008年2月3日に2008年4月末までに全額支払うことを承諾している(電子ファイル内容は次の通り・・・この部分は省略)

しかしながら今日(2008年5月22日)にいたるまで、130万元しか支払われておらず、なお当社への広告代金が支払われておらず(契約で規定されている滞納金を含めないで)合計621万8500元の支払が滞っている。
当社は何度も督促し、且つ何度も弁護士レターを貴社に送付したものの、貴社からは支払いに関する書面回答及び行動を全く得られておらず、よってここに督促通知を掲載し、貴社がこの通知を見た後に直ちに上記金額を当社に支払うことを希望する。

上海△△広告有限公司
2008-5-22



  あまり注意してみたことがないのだがこのようなことは頻繁に行われているのだろうか。金額が大きいので債権者は最終手段に出たのだろうが、思い切ったことをしたものである。広告依頼者も払うって約束したのですから早く払いましょうね!


なりふりかまわない不動産開発業者

2008年05月24日 | 未分類
  一部の不動産開発業者の状況がかなり苦しくなってきているようである。寧波大紅鷹実業投資股份有限公司という会社が上海浦東発展銀行を間に介して嘉興市広源房地理産開発有限公司に1億人民元の委託貸付を行うという公告を行ったのだが、その条件が期間一年、そして利率がなんと年利率18%というものである。しかも、借り手は土地使用権を担保として提供し、個人の連帯保証まで提供するという。現在の人民元貸出基準金利が7.47%なので、約2.4倍になる。年利18%ですよ!ヤミ金やマチ金レベルとまではいわないもののかなりの水準である。しかしながら、この18%という利率も決して高いとはいえないようで、20%を超えているものも少なくなく、さらには30%以上のものも見られるとのこと。不動産開発業者がここまでして資金調達をしないといけないということは、現在仕込んでいる物件を至急現金化するためにタタキ売りすることも十分に考えられるだろう。

  前から思っていたのだが、不動産バブルの動きはそう遠くないどこかで大きな曲がり角を迎えるような気がする。住宅ローンにしても景気のいいうちはいいが、ちょっと景気が停滞するととたんに住宅ローンの延滞が増えてアメリカのサブプライム問題みたくなりやしないだろうか。単なる考えすぎであればよいのだが。


労働契約法実施条例(草案)意見募集稿の日本語訳

2008年05月16日 | 未分類
  5月9日付の記事で「労働契約法実施条例(草案)意見募集稿の正式なものが出たよ!」をアップしておりますが、そろそろ翻訳が出回り始めているようですので、こちらからも日本語版(ここ)を見れるようにします。是非ご一読ください。

 このブログをごらんいただいている方々はどうもシャイな方が多いようで、アクセス数の割にはコメントが少ないと思っています。コメントしていただけると書いている側としてもうれしく思い、また張り合いもでてきますので、例えば労働契約法そのものやこの実施条例(草案)意見募集稿に対して意見があるようでしたらコメントしていただけるとうれしく思います。よろしくお願いします!


学歴詐称

2008年05月15日 | 未分類
  上海で起こった話だ。ある30過ぎの女性が復旦大学卒業と偽って就職し、経歴詐称していたことが会社にばれてしまった事件だ。

  この女性は復旦大学で情報と国際金融を学んだことを売りにして張江科技園区内のとある電子会社に就職し、人事経理兼総裁助理のポストで当初月給9000元で就職した。そして、その会社で働き続けているうちに月給が13000元まで増加した。その後2007年2月に会社は労働契約の期限前解除を行い、経済補償金として65000元を支払ったのだが、会社が復旦大学に確認したところ、復旦大学卒業というのが嘘であることがわかった。そのため会社は解雇した従業員を訴えたという話である。結局、裁判の結果は元従業員が虚偽の資料を提出したことで会社を騙して労働契約を締結したことに非があるとして経済補償金の会社への返還を命ずる判決を出した。4月16日付で「履歴書の内容は本当かな?」という記事を書いたが、まさに本件は典型的な例であるといえるだろう。 4月16日付の記事「履歴書の内容は本当かな?」(ここ)もご参考願いたい。

  本件に関してちょっと雑談したところ、元従業員は確かに学歴を詐称したが、働き続けているうちに給料が上がっていったということは多かれ少なかれ会社は元従業員の価値を認めたということではないのか、認めたからこその給与であってそれをベースにした経済補償金という考え方もできなくないのでは、という意見が出てきた。もちろん学歴を詐称したということで道義的にかなり問題はあるのだが、なるほどこんな考え方もあるのかと思った。


労働契約法実施条例(草案)意見募集稿の正式なものが出たよ!

2008年05月09日 | 未分類
  非常に多くの方が関心を寄せておられます労働契約法の細則ですが、「労働契約法実施条例(草案)」意見募集稿(原文)という名の正式なものが昨日発表されております。意見提出は5月20日までとなっておりますが、どれだけの意見が出るのかが楽しみです。
  この手の情報が出ると何らかの形で取り纏めておりますが、今日の仕事はこの内容をニュースレターとして取り纏めることになりそうです。


格差社会

2008年05月08日 | 未分類
  過去に何度か給与関係の記事を掲載したことがあるが、今回もまた給与関係について書き込むことにする。上海市総工会が発表した2007年従業員状況調査報告というものによると、2008年上海市従業員平均給与は34,707元に達しており、この数値自体は3月26日付の記事(賃金上昇中!)で既にご紹介している通りである。そしてこの数値とともに月間収入が2000元以下の従業員比率が58.1%にまで下がっていることが紹介されている。2002年時点ではこの比率は83.2%あり、そのときと比べると25.1ポイント下がってきているので、収入水準は大きく上昇しているといえるだろう。しかしながらあらためて思うのは月収2000以下の従業員比率が58.1%、つまりまだ半数以上いるということで、一方でものすごい金額の収入(万元単位)を得ている人もかなり増えてきているはずだ。その結果、収入格差自体はますます、いやかなり拡大していっているような気がする。日本でも格差社会が云々という話があるが、中国と比べれば全然可愛いものだ。


2008年上海市貸付投入手引

2008年05月07日 | 未分類
  中国人民銀行上海総部が《2008年上海市貸付投入手引》を発表し、各金融機関に不動産関連貸出しを厳格にコントロールするような内容となっている。
《手引》では貸出しの種類を次のように青、緑、黄、赤の4つに分類している。

貸付投入傾斜類
農業生産
産業学業助成
新型産業
貸付投入支持類
長江デルタ一体化
ハイテク産業
中小企業
消費貸付
重大プロジェクト建設等
貸付投入慎重類
貸付投入制限及び禁止類

  そして、外商投資企業が注目すべき点としては「赤色」貸付投入制限及び禁止類の中に外資の不動産分野投資への貸付が含まれている点だ。《手引》を紹介している記事には多くを触れていなかったが、あえて「外資の不動産分野投資」を「赤色」に分類しているのは何か意味があるのだろう。マクロコントロールを図っている中においては金額が大きい、明らかな投機目的、そういったことを想定しているのだろうが、真面目にやっている会社からすると全く持って迷惑な話だ。


レストラン&BAR メイファ MAY-HWA

2008年05月06日 | 未分類
 ゴールデンウイーク期間中はすっかりお休みモードになってしまい全くブログを更新しなかった。休み期間中でありいまいち気合が入らなかったことと、面白いネタが見つからなかったことによる(特に後者ですよ!)のだが、休みも明けたので面白いネタも見つかってくるだろう。そうなれば以前と同じペースで書き込みをしていくが、その前に久しぶりにレストランの紹介をして見たいと思う。場所は上海ではなく神戸にあるのだが、私が学生時代にアルバイトをしていたお店だ。上海料理を出すレストラン&BARで、店の名はママさんの名前を取って「MAY-HWA(梅華)」という。出張や休みの帰省のときにはできるだけ立ち寄るようにしており(なんと義理堅い!)、行く度に昔話に花を咲かせる。当時も今もアルバイトは全て神戸大学の学生で、私が働いていた当時は少林寺拳法部と軽音楽部の学生がアルバイトをしていたのだが、現在は少林寺拳法部の学生は一人もおらず、代わりに競技ダンス部の学生がシフトに入っている。お店にはホームページがあり、リンクも貼ったので是非どんなお店なのか一度ご覧いただきたい。
 
  この店での思い出は色々あるが、印象に強いのはやはり有名人に出会ったことだろう。このお店で“超魔術”のMr.マリックさんと小説家の沢木耕太郎さんに会うことができた。実は沢木さんとはじめたお会いしたときは恥ずかしながらお名前を知らなかったのだが、お話しをしていると非常にお人柄もよく、すぐにひきつけられ、その後色々と沢木さんの書いた本をむさぼり読んだ記憶がある。特に「深夜特急」は最高だった。

  レストラン自体は上にも書いたように上海料理を出すレストラン&BARで、音楽はずっとJAZZを流している。月に一度は生バンドのライブも行われる。料理もおいしく、お酒もおいしく呑める雰囲気なのだが、このお店の魅力はやはりなんといってもママさんである梅華(メイファ)さんであろう。話題が豊富で話し上手で初対面の人でもきっと退屈せずに話ができると思う。

  神戸やその近辺にお住まいの方、出張等で神戸に行かれる機会のある方は一度立ち寄ってみてもらいたい。そして、立ち寄った際には「呉さんのブログを見てきました」と言って頂けると私の株も少しは上がるので是非よろしくお願いします!