ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

《そうして わたしは好きになる》

2017-04-22 06:28:08 | 日記
福島県立博物館・館長講座『北のはやり歌』第一回目の講座に行ってきました。
講座名の『北のはやり歌』は館長・赤坂憲雄氏の著書名でもあり、
2013年、筑摩書房から出版されています。

本は、以前に読んでおりましたが、赤坂憲雄先生の、穏やかな、語り口での講座に、
満足して帰って来ました。
「リンゴの唄」 「リンゴ追分」 「悲しき口笛」などの歌を中心に、歌に込められた戦争のにおい 
恋の終わり、別れや、死。
「はやり歌」、それは時代を映す鏡、戦後日本の精神の変遷でもあったと。

美空ひばりさんの、「私は街の子」や、「悲しき口笛」などは、当時、中学生だった私は、
歌詞カードを授業中に回したりして、先生からチョークの礫が飛んできたり、
名指しで叱られたりしたものです。
それでも、懲りることなく、休み時間には、「黒板消し」をマイクに見立てて、
  ♬ 私は街の子 巷の子
と、歌っていたことを思い出しました。

講座が終わってから、鶴ヶ城周辺をぶらりとしました。
何回も、訪れている会津若松ですが、私の大好きな街です。
真っ盛りの、桜を しばし眺めながら歩きました。

かつて45年ほど前、友人が この町に住んでいて、その歴史や自然を、
彼なりの視点で紹介してくれたのが、この町との出会いの 始まりでした。
今、どうして、どこに生きていらっしゃるのか と、懐かしく思い出すのです。

    『はじめての町』
                   茨木のり子
     はじめての町に入ってゆくとき
     わたしの心はかすかにときめく
     そば屋があって
     寿司屋があって
     デニムのズボンがぶらさがり
     砂ぼこりがあって
     自転車がのりすてられてあって
     変わりばえしない町
     それでもわたしは十分ときめく

     見なれぬ山が迫っていて
     見なれぬ川が流れていて
     いくつかの伝説が眠っている
     わたしはすぐに見つけてしまう
     その町のほくろを
     その町の秘密を
     その町の悲鳴を

     はじめての町に入ってゆくとき
     わたしはポケットに手を入れて
     風来坊のように歩く
     たとえ用事でやってきてもさ

     お天気の日なら
     町の空には
     きれいないろの淡い風船が漂う
     その町の人たちは気づかないけれど
     はじめてやってきたわたしにはよく見える
     なぜってあれは
     その町に生まれ その町に育ち けれど
     遠くで死ななければならなかった者たちの
     魂なのだ
     そそくさと流れていったのは
     遠くに嫁いだ女のひとりが
     ふるさとをなつかしむあまり
     遊びにやってきたのだ
     魂だけで うかうかと

     そうしてわたしは好きになる
     日本のささやかな町たちを
     水のきれいな町 ちゃちな町
     とろろ汁のおいしい町 がんこな町
     雪深い町 菜の花に囲まれた町
     目をつりあげた町 海のみえる町
     男どものいばる町 女たちのはりきる町

《政府は21日、都道府県の危機管理の担当者を集め、北朝鮮による
弾道ミサイルの発射を想定した住民の避難訓練を早期に実施するよう
呼びかけた。》
《国連安全保障理事会は20日、北朝鮮が16日に実施したミサイル発射を
非難し、核実験をしないよう求める報道声明を発表した。》
と、報じられました。

悲しい現実です。
北朝鮮と言う国とも自由に行き来することができ、詩『はじめての町』にあるように、
《そうしてわたしは好きになる》
と、お互いに言える国になれたらと。
かつて 友人が住んでいたので好きになった町、会津若松の桜の下を歩きながら
悲しくなりました。
                              〈ゴマメのばーば〉
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2 コメント

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魂の懐かしさ? (雀(から))
2017-04-22 10:29:10
山に行く途中で、忘れ物や足りないものを思い出して、立ち寄った会津の店を思い出しました♪ 沢登に使う地下足袋を一応、用意して行った方が良いよとの先輩の助言で見つけた店に、生活に密着した地下足袋の専門店のように充実した品揃いを好ましく羨ましく眺めて来ましたけど、あれは雪に閉ざされる地方だからこその生活の知恵でもあったのでしょうか?
何度でも訪れてみたい店でしたが、結局は一期一会の出会いでした(*´-`)
こんばんは。 (ゴマメのばーば)
2017-04-22 22:45:31
 (雀(から))さま
今日は、出かけていて、先ほど戻って来ました。
仙台方面へ 行ってきたのですが、雑木林が芽吹き始めたので、ふっくらと柔らかな風情でした。
これほどの山々の木々の小枝の先々まで、季節が行き渡って、自然は すごいなー、と。

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