ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

今年もフキノトウが、幾つも いくつも花を咲かせています。

2017-04-11 06:27:27 | 日記
8日、安倍首相は今村復興相と共に福島県の被災地を視察し、
今村復興相が、自主避難を、「自己責任だ」などと発言したことを謝罪しました。
また、今月 避難指示が解除された富岡町等を訪れ、住民らを激励、
試験操業で水揚げされた〈じゃこ〉などを試食して、食の安全性をアピールして見せました。
『福島の復興なくして東北の復興なし。
そして東北の復興なくして日本の再生なしという基本方針の下に、
復興に全力を挙げていく考えでございます。』
との慣用句めいたリップサービスは、もう聞きあきました。
せめて、日夜 福島第一原発で事故修復に頑張っている作業員の方々にも ひと言、
「ご苦労さま」と声をかけて頂きたいものです。

私の好きな民俗学者・赤坂憲雄氏(福島県立博物館館長・東日本大震災復興
構想会議委員)が、福島民報 4月9日「日曜論壇」で語られていることを
一部紹介いたします。
  《帰還をめぐって、さまざまな思いや情景が交錯する。
   胸が締め付けられるような気分から逃れることができない。
   戻る人にも、戻らない人にも、ともに事情があり思いがあり、
   その、いかなる選択も尊重されねばならない。
   そう、何度でも、確認しておきたい。
   人々はみな、苦渋の選択を強いられたのだ。
   それぞれの生きる場所を求めての戦いは、これからも続く。いばらの道だ。
   分断と対立を煽るのはやめよう。
   福島県民はだれもが、東京電力福島第一原発の爆発事故の被害者である。
   故郷を奪われたという現実は変わらない。
   その災禍はあまりに巨大にすぎて、個人が自己責任で背負うことなど
   できようはずがない。
   最終的な責任は原発を国策としてきた国家と東京電力が負うべきものである。》
と。
そして、明治の終わりに、東北が百年かけて進むべき道を独力で示そうとした実践の
思想家、半谷清寿の論を引いて、次のように結んでいます。
  《…………薩長の藩閥政府は、戊辰戦争後の荒廃する東北を、東京へと米を供給
   するための穀倉地帯に留めおくことで、遺棄したといっていい。
   東北の稲作は風土に抗うかたちで、外から導入された、と半谷は考えた。
   東北はその風土に根ざして、内発的な発展の道をたどらねばならない。
   東京に身を委ねるのではなく、地域の人々の協同の力によって、
   身の丈で、運命を切り拓くことだ。
   次代に受け渡すべき故郷の姿を、半谷にならって
   内側から思い描かねばならない。》

赤坂先生の論評に、心底から賛同いたします。

庭の隅に、今年もフキノトウが、幾つも いくつも花を咲かせています。
あの原発事故以来、自宅の庭のフキノトウは食しておりません。
まだ、近隣の町の「野生フキノトウ」が出荷停止になっているのです。

自宅庭の目立たない場所に、除染で出た「廃棄物としての土」の容器が
置かれています。
汚してしまった山林や野草の修復は、まだ まだです。

   ※ 赤坂先生による福島県立博物館 館長講座『北のはやりうた』が、
     4月20日から始まります。
     詳しくは 福島県立博物館 http://www.general-museum.fks.ed.jp/
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2 コメント

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フキノトウ (A.S(たわごと的オピニオンの))
2017-04-11 08:26:15
おはようございます。
赤坂先生の論評に、私も心底から賛同いたします。
復興相の「自己責任」発言。最もその職に無理解な方が就任しているようで、任命権者の口先だけの無責任が苛立たしい思いです。
ところで訪問した方々に「フキノトウ」は食の安全性のアピールとして提供されなかったのですかね。「食べてみい」と。
今朝は雨です。「春蘭」も雨に濡れています。
冷たい雨が。 (ゴマメのばーば)
2017-04-11 15:51:46
 (A.S(たわごと的オピニオンの))さま。
桜の開花が今日あたり、と思っていたのですが、朝からの冷たい雨で、蕾も硬いままの様です。
栽培物の山菜からは放射性物質の検出は、ほとんどなくなりましたが、野生のものは、まだ出荷停止の所も多いのです。山は除染などできませんから、自然減を待つほかないのでしょう。残念です。
まぁ、私の様な高齢者は少しくらい食べても、とは思いますが、子育て中の若い方達が不安視するのは当然だと思っています。

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