ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

《もっとたしかな現実を》

2017-04-17 06:27:06 | 日記
昨日は、イースターでした。
教会では お二人の受洗者もあって、恵まれたイースター礼拝でした。
ルンルン気分で教会を出てから お花見へ、と気持ちが動きましたが、
行きませんでした。

急に夏の様な陽気になったので、桜も びっくりしたのでしょう。
満開になりましたので、お花見の人出は最高になるはず。
平和な花見客の姿を目にするのは嬉しいことですが、人混みも また疲れますし………。
しばし考えた末、行きつけの茶房へ寄って軽い食事をし、とりとめもない想いを
心のキャンバスに、描いていました。
濃く、或いは薄く、ぼかしたり、上塗りしたり………と。

茶房を出てからも、お天気は上々。
『ほめたたえようハレルヤ』
という牧師先生の説教での賛美が、高く 高く 私の思いも併せて登って行くような
気持ちでした。

信号待ちの時 道端にタンポポが咲いているのを見つけました。
アスファルト舗装の僅かな割れ目から、こんなにも立派な葉を伸ばして、
お日様に向かって 黄色な花びらを誇らしげに咲いていました。
〈けなげ〉と言うより、堂々と胸を張っている容姿です。

思はず、
「立派ですねぇ」
と、言葉をかけてみました。
「タンポポと表記しないで〈蒲公英〉にしましょうね」
と、言ったのですが、知らんふりの様子。

バカバカしかったのでしょう、きっと。
人間に名付けて貰わなくても、私は私ですから、と不機嫌になったのかも。
そうだよね、他人様から名付けられるのは、私だって嫌ですもの。

    『お天気がよいので』
                        新川和江
     あまり お天気がよいので
     すみずみまで照らし出されて
     この世は
     よく磨かれた鏡のうちがわのようだ
     どこかに
     あるらしい もっとたしかな現実を
     素直にうつして たんぽぽが咲く
     そっくりおなじく 柳の枝が風に揺れる
     そこここで 人が死ぬ
     さようならと
     わたしが恋人にお辞儀をする
     横断歩道を渡ってゆく
     やはり 振りかえらずに
               (新川和江 詩集 思潮社刊より)

《あるらしい もっとたしかな現実を/素直にうつして たんぽぽが咲く》
私はタンポポに言葉をかけこそしましたが、
タンポポのうつしている《もっとたしかな現実を》には、気付かず終いでした。
《やはり 振りかえらずに》横断歩道を渡ったのです。
                             〈ゴマメのばーば〉
コメント
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