
中小企業なら、経理といえば事務作業の全てを司る部署のことをいう。だが会社が大きくなると、それが経営企画室、人事部、総務部、広報室、業務部などと、どんどん細分化してゆく。
さらに経理部の中でも、資金の調達運用を行う部署が、財務部として独立してゆく例が圧倒的に多い。経理部の中でも決算・予算・税務などは密接に絡んでいるが、資金の調達運用については、ちょっと毛色が異なるからである。
財務部においても、資金繰り表の作成や、金融機関への決算説明などを行うためには、経理情報やデータが必要となるし、マネジメントセンスも必要となる。だがどちらかと言うと、事務処理は女性が担当し、男性陣は金融機関との交渉などに専念することが多い。
だからどうしても人あたりが良く遊び上手で、時として交渉力を発揮出来る人物が好まれる。そのためか、営業部から財務部に異動する者が多いようである。それで堅物揃いの経理部とは、ますます異質の存在になってゆくのだ。
また海外子会社への出向も、経理部より財務部から異動したほうが現実的である。つまり経理実務は現地職員が行うため、資金の調達・運用と本社との連絡員に徹していればよいからだ。それに行動派だから海外生活に馴染み易く、照れがないから外国語も身振り手振りで通じてしまう。
まさに財務部は、金融機関専門の営業部なのである。だから酒好きで、人付き合いのよい営業部から人材を仕入れたほうが巧くゆくのだろう。
一方根っからの経理マンは、堅実で勉強熱心だが、愛想が悪く頑固者が多い。だから営業部の者は、煙たがって経理的な質問を財務部にしてくることがある。また営業部からみれば、金を扱っているのだから、財務も経理も同じにしか見えないのだろう。
結局その質問は財務部から経理部へ回されるのだが、財務部もプライドがあるので丸投げはしない。それが返ってアダになり、財務部から中途半端な回答をして、ことが余計複雑になってしまうことがある。そして次回もまた、営業部からの質問を取り次ぐという笑えない循環に陥るのだ。
それぞれ主要な職務を単純にまとめると、経理部は「決算」、財務部は「資金繰り」ということになる。ところで社員の誰もが一番気になる「金庫番」、つまり入・出金業務はどちらが担当するのだろうか。
それは会社の大きさと考え方により異なり、財務部が担当する場合もあるし、経理部の中で処理することもある。また不正防止のため、入金は財務で出金は経理という会社もある。
財務部と経理部は似て異なるものだが、いずれにしてもお金という部分で繋がってくるのだ。もちろん財務と経理だけでなく、会社全体がお金で繋がっていることだけは間違いないのだが。
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