経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

海外転勤に向かない人

2016-10-17 10:42:28 | サラリーマンは魔術師

  バブル崩壊が始まった1990年代頃から、日本の製造業はコスト削減をめざし、工場の海外移転が大ブームとなった。一時は日本へ回帰の兆しもあったのだが、結局ズルズルと現在に至るまで海外展開が続いている。
 従って製造業に勤務している者にとって海外出張は日常茶飯事となってしまった。それどころか、かつては全く外国に縁のなかったような人さえも、海外転勤を命じられるようになってしまったのである。
 
 工場の所在地が日本国内を中心としていた時代は、欧米にある販売会社などが海外子会社の中心であった。だからそれらの海外子会社に転勤する者は、単なる作業員ではなく外人たちを束ねたり、経理全般を掌握するエリート達であり、当然のように家族も一緒に移動していたのである。
 ところが海外工場となると、欧米ではなくアジアなどの開発途上国への進出となり、圧倒的に多数の従業員を必要とすることになる。また日本国内の工場が廃止されてしまうため、具体的な作業をする日本人も多数出向することになってしまった。また海外と言っても欧米ではないので、どうしても単身赴任という形が多くなる。

 だからエリートではない現場作業者でも海外転勤の対象者となり、向き不向きも構わず本人の意向も無視して出向者を選ぶようになったのだ。さらにこの時期はバブル崩壊後の不況で転職もままならないため、否でも応でも会社の命令に従わずにいられない。
 だがそうは言っても、向かない人は向かないのだから、たまったものではないではないか。私の身近にいた人たちの中にも、海外子会社に出向となり、ノイローゼに罹って帰国した人たちが数人いた。総じて彼等は真面目であったり、八方美人的だったり優しい人であったりした。

 従って某有名上場企業では、経理の中から海外転勤者を決めるとき、仕事ができるか否かではなく「大酒飲みで遊び上手」な人を選んだという。まあそれが全てではないにしても、何をするにも深刻に考える人よりは向いていることは確かであろう。だから海外子会社へ経理責任者として出向するのは、経理畑の人ではなく銀行などと面識があり、性格的に明るい財務畑の人が選ばれることが多かったのである。
 だが先に述べたように、工場がどんどん海外子会社化してしまい、財務畑の人だけを選ぶというような悠長なことは出来ない。従ってそれまで余り海外転勤に縁のなかった生真面目な経理マンたちも、安穏としてはいられなくなってしまったのである。

 いずれにせよ、単身赴任した現地で相談する人もなく、深く精神を病んでしまった人々は気の毒としか言いようがない。私の知っている某役員さんで、嫌々董事長として中国に行かされ、精神を病んで緊急帰国した人がいた。
 その人は海外転勤前は明るい人だったのだが、帰ってきた姿を見たら目は虚ろでフラフラとやっと歩いている始末、まさに廃人そのものであった。さらに悲しいことに、帰国後2年後に死亡してしまったのである。
 そんな状況を傍目で見ていた私自身も、余り酒は飲まないし真面目で何事にも深刻に考えるタイプだ。海外出張ですら行きたくないほどなのに、もし海外転勤となればどうなるか見当もつかない。
 だがいずれは、白羽の矢が飛んでくることは間違いないだろう。またその時にジタバタするのは嫌だなあ・・・。もしかするとそんな強迫観念が、50歳を過ぎてから転職を選んだ理由の一つなのかもしれないね。

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