極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

晴れ時々腕立て伏せ

2016年11月27日 | 時事書評

 

  

         あなたの夢を追いかけて。
         あきらめず心から望めば、それが叶うように、
         世界のありとあらゆるものが動き出してくれるから。

 
            Follow your dreams.
            When a person desires something,
            all the universe moves to help that person realise his dream.

 
                          『ベニシアの京都里山暮らし』

                                                              

                                                          ベニシア・スタンリー・スミス
                                                               Dec. 27, 1950 -

 

 



【その場測定工学の此岸:電解液中のリチウムイオンの挙動観察手法】

これは、製造技術に従事していた当時の体験の話。投入した製品が何らかの理由で不良が続
出した場合、その原因を解明し、是正し平常状態に復旧させるプロセス技術というのがその
ミッション。ところが、原因解析手段が無く、目標生産量が確保できない場合、関連生産現
場はその対処に振り回されることとなる。現場でのその場計測など解析手段を見つけるのが、
わたしたちの仕事である。多くは、市販されている装置機器部材を見つけてきて解決を図る
のだが、それが無い場合、自社内で開発しなければならないという苦労を数多く体験してき
た。今回のようにX線で濃度測定をその場計測する装置導入の検討したことが2件(X線に
よる中間・最終工程での三次元形状観察とエッチング液中の特性成分濃度測定)ぐらいであ
る。ここでの作業を一口でいうと「問題(解決の道筋)の見える化」である。



※ リチウムイオンの撮影には、世界最高性能の放射光を生みだす大型放射光施設「SPring-
   8(Super Photon ring-8 Gev
)」の豊田ビームラインを使う。豊田中央研究所が理化学研究
  所と高輝度光科学研究センターの協力を得て設置した専用ビームラインで、レントゲン
  装置の約10億倍の大強度X線を用いて、解像度0.65μm/ピクセル、100ms/コマの計測
  を行う。


今月24日、いま、リチウムイオン電池の実用化のための研究開発が盛んであるが、そのリ
チウムイオン電池は、充放電により電極や電解液の中でリチウムイオンの濃度の不均一によ
り安定した性能――例えば、電機自動車用バッテリーとして、走行距離が一定しないあるい
は寿命にばらつきがある出ることがわかっているものの、従来法では、実際の製品が充放電
するのと同じ環境/条件でリアルタイムなリチウムイオンの挙動観察す出来ず充放電の前後
でリチウムイオン電池を分解し、特殊な環境下で観察(一種の破壊検査法)する必要があっ
たが、トヨタ自動車と豊田中央研究所らのグループは、非破壊的検査手法でリアルタイムで
観測(in-situ:その場測定)手法の開発に成功している。この成果により、リチウムイオン
電池搭載車両の航続距離拡大、電池寿命向上につながる(「電解液中のリチウムイオンの挙
動観察手法を世界で初めて開発」トヨタ自動車, Nov. 24, 2016)。



同研究グループの技術レポートによると、リンと比較してX線を透過させにくい重元素の性
質を利用し、リチウムイオン電池の電解液をリン(P)を含むものから、リンよりも原子量
の大きい重元素を含む電解液(重元素の詳細については非公表)に変更。リチウムイオンが
解液中を移動する際に結合するリン含有イオン(ヘキサフルオロリン酸リチウム)が重元素
含有イオンに置き換わることで、リチウムイオンの濃度を影として撮影できるようになる。
リチウムイオンの濃度が高いほど影が濃くなる――重元素含有イオンに替えても電解液内で
のリチウムイオンの挙動に影響しないため、リンを含む電解液とそん色ないリチウムイオン
の挙動を観察できる――という特徴をもつ。

 リチウムイオン電池の豆知識

そして、新開発の観察手法を用いることにより、電極やセパレーター、電解液の材料や濃度、
電流の制御を変更してリチウムイオンの挙動がどのように変わるかを観察しやすくなる。開
発期間の短縮につなげ、電気自動車やプラグインハイブリッド車の走行距離延長や電池の寿
命改善を行う。

※  重元素の詳細は残件扱いとする。

 



【消費電力80%削減、水銀ランプを代替するLED照明 】

工場や倉庫、大型商業施設などの高所に取り付けて使う大光量の照明。これまで使われてき
た水銀ランプやメタルハライドランプなどのHID 照明を、LED照明に置き換えに拍車がかか
っている
照明の能力では、明るさを維持しながら、消費電力の低さをうたうLED照明が圧
倒する。寿命も長い。水銀に関する水俣条約によって、20年以降の高圧水銀ランプの製造・
輸出入が規制され、LED照明への追い風が吹く。

今月22日、株式会社OPTILED LIGHTINGは、水銀ランプやメタルハライドランプと同等に利
用できるLED照明「REALPOWER ソレイユ」の販売を16年12月1日から開始することを
公表。同社の従来品と比較して最大1.3倍明い。

このREALPOWER ソレイユは明るさや取り付け方法、表面カバーにより、30種類の製品
に分かれる。最大の特徴は効率の高さ(電気料金の低さ)。最も効率が高いのは、水銀ラン
400W相当(メタルハライドランプ250~300W相当)の「OPH-CR26H」。1ワット当たり
の光束が163ルーメン(lm)と多い。
163lm/Wという発光効率を実現するために、3つの改善を
加えている。第1により効率の高いLED素子(チップ)を採用した。第2の工夫は分流。
LED素子に流す電流を減らすほど、素子の温度が下がり、効率が高くなる。そこでLED素子
を分流(並列化)した。ただし、あまりにも分流すると素子の個数が増えすぎる、経済性が
落ちる。第3に放熱フィンの形状を工夫する。LED素子の温度を低く保つことができる。

銀ランプと比較すると、平均照度を高めつつ、消費電力を約80%削減でき、メタルハライド
ランプと比較しても約67%の削減になり、REALPWOER ソレイユでは、明るいことを示
す白や赤の面積が広いことも分かるのが特徴という。


※ 株式会社オプティド・ライティングは中国に生産拠点を置く企業である。なので、企業技術の深
   掘り深りは残件扱い。

 

   

【我が家の焚書顛末記 27:中国思想 管子    

   覇  言   ―― 覇王論 ――

  桓公は春秋五覇の一であり、かれを覇者に育てあげたのがほかならぬ管仲である。
 「覇者」
こそは管仲の政治理想のシンボルであり、その意味で、ここに展開される「覇
 論」こそ、管
仲政治学の真髄だといえよう。

 ことば ---------------------------------------------------------------------

 「覇王」の形は、点に象り地に則り、人を化し代を易う」

 「国を豊かにする、これを覇と謂う。兼れて它国を正す、これを王と謂う」
 「天下を争う者は、必ずまず人を争う]
 「大数を明らかにする者は人を得、小計を審らかにする者は人を失う」
 「国大にして而も政小なるものは、国、その政に従う。国小にして而も政大なるものは、
 国、
ますます大なり』
 「国を観る者は、君を観、軍を観る者は、将を観る」
 
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   国の大小は.領土の大小と関係ない

  国の大きさは、政治の良し悪しで左右される。いかに国土が広くても、それに見合っ
 た
政治が行なわれなければ、他国に領土を奪われてしまう。その反対に、いかに領土が
 狭くても、政治の構想が大
きい国は、日ましに発展することができる
  つまり、政治不在とあっては、大国は小国と変わりがないし、強国は弱国と変わりが
 ないのだ。烏
合の衆は、少数に及ばない。同様に、いかに地位が高くても礼儀をわきま
 えなければ身分が低いの
と変わりはない。いかにもっぢいふっても、節度がなければ、
 軽薄
にみえるだけである。金持であっても、むだな使い方をすれば、貧乏するのは当然
 ではないか。

  したがって、国力の大きさは、君主をみればわかるし、軍隊の強さは、将軍をみれば
 わかる。また、
一国の財政事情は、田畑の耕作状況をみればわかる。その結果、君主に
 は徳が備わっておらす、将軍
は無能で、人民は怠け者であったとする。こうして三者三
 様に義務をおこたっている国は、もはやあ
ってなきがごとき存在である。
  たとい、国土か広く、人民が多く、武力が強大であったとしても、君主に使いこなせ
 るだけの器量
が具わっていなければ、それは、いたずらにかだなものを抱えこんでいる
 にすぎない。領地、人民、
武力、この三の点でむだを抱えこんでいるような国は、先の
 例と同様、もはやあってなきがごとき
存在にすぎない。同様に、土地があっても、耕さ
 れなければ、土地とはいえないし、大臣がいても、
無能な人民ばかりでは、大国とはい
 えない。いくら人民が多くても、まとまらなければ、人民がいな
いのと同じだ。

  そうかといって、土地ももたずに富を手に入れようとしても、徒労に終わるだけであ
 る。徳か具わ
っていないのに、王位に即こうとすれば、身を危うくすぶだけだ。施しを
 せずに相手にだけ報恩を期
待するような君主は、孤立を深めるばかりである。してみれ
 ば、為政者が卑小であって、人民が寛大
である国、国都は小さいのに地方都市が大きい
 国、そういう国では、君主が安全であるわけがな
い。君臣関係と身分秩序が守られてこ
 そ、威令が行き渡って、人民は服従するのだ。これは理の当然であって、その反対に、
 もし天子と敵対する考が現われて、天下を二分すろようなことになれば、天下は危機に
 に瀕する。同様に、一国に君主が二人現われ、一家に父が二人現われたとすれば、国も
 家も安泰であるはずがない。

 国大にして而も政小なるものは、国、その政に従う もちろん、国土の大小は、国の
 基盤に大
きな関係がある。現に、斉の都臨淄(山東省)は、紀元前4世紀には戸数七万
 をこえ、今日残る城壁
の公路が周囲二十キロに及んでいるはどの大国であった。しかし、
 その規模だけを比較する
ならば、より大きな遺跡を残していろ国は多い。それらの国が
 覇者とならず、斉の桓公が覇者と
なつているのである。管子の発言は、こうした歴史的
 事実もとづいているわけだ。いたずらに
領土の表面的な拡大だけを追っていた諸侯の間
 にあって、政治の在り方、開発の密度による国の
大小を主張したかれの卓見は、決して
 過去のものではない。

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 夫國大而政小者,國從其政。國小而政大者。國益大,大而不為者復小,彊而不理者復弱。
 眾
而不理者復寡。貴而無禮者復賤。重而凌節者復輕。富而驕肆者復貧。故觀國者觀君,
 觀軍者
觀將,觀備者觀野,其君如明,而非明也。其將如賢,而非賢也。其人如耕者,而
 非耕也。三守
既失。國非其國也。地大而不為,命曰土滿。人眾而不理,命曰人滿。兵威
 而不止,命曰武滿。
三滿而不止,國非其國也。地大而不耕,非其地也。卿貴而不臣,非
 其卿也。人眾而不親,
非其人也。夫無土而欲富者憂。無德而欲王者危。施薄而求厚者孤。
 夫上夾而下苴,國小而
都大者弒。主尊臣卑,上威下敬,令行人服,理之至也。使天下兩
 天子。天下不可理也。
一國而兩君,一國不可理也。一家而兩父,一家不可理也。

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  行動の時機と戦略配置

  明君ともなれぱ、つねに天下の形勢を観察し、それによって行動すべき時機を決定す
 る。そして行
動を開始するさいには、まずなにから着手すべきかを名える。どれを先に
 し、どれを後にするかによ
って、結果が逆になることもあるからだ。強国が多いときに、
 先に行動を起こすのは、危険である。

 こんな場合には、他国の出方をみてから、行動を起こすほうが有利である。その反対に、
 もし、これ
といった柏手がいないときには、先んじて行動を縮こすことが大切である。
 もし、ぐずぐずしていれ
ば、逆に相手にしてやられるからだ。交戦状態にある同が多い
 ときにも目標である。相手の疲弊を待
って行動を起こせば、きっと覇者となることがで
 らる。その反対に、諸国が惰眠を貪っているさいに
は、先んじで行動を起こきなければ
 覇王たることはできない。 

  また、一面からみると、国の大小強弱は、諸侯と連合するか孤立するかによって決定
 される。諸侯と連合すれば、弛くなり、諸侯から孤立すれば、弱くなる。千里を走る名
 馬でも、百頭の馬がつぎつぎに対抗してきたら、とてもかなわない。それと同じように、
 不敗を訪る強固であっても、天下全体が一団となってふつかれば、必ず打ち倒せるのだ。
  強国が強いのは、弱小国の支持があるからである。それを忘れて、みずからの強さに
 だけ頼るから、国が絨びるのだ。弱小国であっても同じである。強国の保護を受けてこ
 そ、小国は存続しうるのだ。

  それを忘れて、強固に背を向けるから、国が誠びるのだ。
  したがって、君主は自国の置かれている地位をよく認識して、それに応じた対策を講
 ずる必要がある。近隣諸国を服従させると同時に、遠方諸国と協定を結ふ、これは王道
 の国のとるべき措置である。
  小国と連合して大国と戦う、これは勢力が匹敵する国のとるべき措aである。野蛮国
 と野蛮国とを戦わせる、これは中原諸国のとるべき措置である。強国の保護を仰ぎ、相
 手を刺激しないようにする。これは弱小国のとるべき措置である。
  この原則を無視して自分のほうから事を構え、実力不相応な措置をとるならば、とて
 
も功名を立てることなどできない。むかしから、この原則を無視して成功した国はひと
  つもないことを、為政者は思い知る必要がある。

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 夫神聖視天下之形,知動靜之時,視先後之稱,知禍福之門。彊國眾,先舉者危,後舉者
 
利。彊 國少,先舉者王,後舉者亡。戰國眾,後舉可以霸。戰國少,先舉可以王。夫輕重
 彊弱之形,諸侯合則彊,孤則弱;驥之材而百馬伐之,驥必罷矣。彊最一伐,而天下共之,
 國必
 弱矣。彊國得之也以收小,其失之也以恃彊。小國得之也以制節,其失之也以離彊。
 夫國
小大有謀,彊弱有形,服近而彊遠,王國之形也。合小以攻大,敵國之形也。以負海
 攻負
海,中國之形也。折節事彊以避罪,小國之形也。自古以至今,未嘗有先能作難,違
 時
易形,以立功名者。無有常先作難,違時易形,無不敗者也。

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 《解説》管子によって補佐された斉の桓公、在位四十三年の実績は、よくこの「覇言」
 篇の裏づけをなしている。とくに、鄭、宋、陳など諸国の紛争を解決レたばかりか、周
 王室の王位継承にからな内紛解決にまで乗りだすなど、武力ばかりでなく、諸侯を心眼
 させるだけの政治力を発揮している。

「覇言」はゲーム理論や孫子、その他、覇王論、諸戦略論などを参考すると深みがでるが、
ここでは考察を深めない。次回は、管子の死後の桓公の最期を記した「小称」に移り、そこ
で管子はここで終わる。

                                  この項つづく

 ● 今夜のひとつの講演

英国貴族に生まれながらも、京都・大原の古民家で暮らすハーブ研究家として、テレビや
誌などでも活躍する、ベニシア・スタンリー・スミス。ハーブ、ガーデニングに留まらず、
ライフスタイルや波乱万丈な自身の人生・家庭問題を取り上げ、多くの女性が共感テーマの
講演
会が開かれた。断念ながらわたしは参加できなかったが、彼女がその感想を熱く語って
くれた。講演の冒頭で「霧の多いイングランドとはことなり、空は碧く、琵琶湖は美しく、
こんな県境で暮らすことができるなんてなとラッキーなんでしょう」という言葉が印象的だ
った」と話す。

朝から、車のタイヤを交換し 冬支度。ルームランニングもそっちのけで作業に打ち込む。
かろうじて
数時間おきに、腕立て伏せのスクワットを繰り返すぐらい。頭のなかは疲労でい
っぱい。なので、政治状況への考察は後日に。

                                      


 

 

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