極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

心覆れば図反す

2017年06月13日 | ネオコンバーテック

           
      僖公二十四年:晋の文公、本国に帰る / 晋の文公制覇の時代  

 

                          


    ※ 心覆(くつがえ)れば
図(と)反す:三月、話は前にさかのぼる。
      公子時代の文公(垂耳)のお側役に頭須(とうしゆ)という男がいた。
      宝物の管理を職拐としていたが、垂耳が国外に亡命すると、自分の管
      理する宝物を盗み出して、国内に身をひそめた。そして、その宝物を
      全部しかるべき人物への贈り物とし垂耳の帰国がかなうよう運動して
      歩いた。

      垂耳が帰国して即位したので藻類は目通りを順い出た。だが、文公は、
      髪を洗っているからといって会見を断わった。頭須は取り次ぎの者に
      こう言った。「なるほど、髪を洗えば、頭はさかさまになっているは
      ず。さかさまの藻で考えれば、是非の判断も逆になりましょう。わた
      しに会おうとされないのもかりはない。わが君の亡命中、あとに残っ
      た者は国の守りを固め、国を出た者はわが君に従って諸国をめぐり歩
      きました。

      どちらもそれぞれに意義のある役目だったはずです。国に残ったから
      といって責められろのは心外です。いやしくも君主の地位にある昔が、
      わたくしごとき下賤者を目のかたきにされるようなことでは、人心を
      つかむことはできません」 取り次ぎの者が、このことばを文公に伝
      えると、文公はすぐに頭須を申に通した。



 No.34

 【RE100倶楽部:太陽光発電篇】 

June 1, 2017

● 実用化目前 1年以上安定駆動する印刷可能なペロブスカイト太陽電池

6月1日、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究グループは、1年以上安定したハイブリ
ッド型ペロブスカイト太陽電池の試作に成功したことを公表。このブログ読者諸氏は周知のごとくペ
ロブスカイト太陽電池は、
商業化の可能性が非常に高く、安価で太陽エネルギーを効率よく電力変換
するデバイスである
。このように、22%以上の電力変換効率を達成しているにもかかわらず、安定
駆動の実用化要件を満たしていない。同研究ブループの成果によると、変換効率(11.2%)が低
下せず1年以上駆動しているという(Nature Communications に掲載された成果報告は下記に記載)。
今回、EPFLのMohammad Khaja Nazeeruddinの研究室は、MichaelGratzelSolaronixと共同で2次元/3
三次元ハイブリッド型ペロブスカイト太陽電池を設計――二次元ペロブスカイトの安定性向上と、全
可視光波長領域※1を効率的に吸収、電荷を輸送する3次元構造組み合わせたもで、日本ではおなじ
みの宮坂力桐蔭横浜大学教授らの活動領域で、このようにし て2次元/3次元ペロブスカイトは、そ
れぞれ12.9%(炭素ベース構造
)および14.6%(標準メソポーラス構造)の変換効率をもつ。

※1、この連載シリーズNo.27の「ガラス壁からの太陽エネルギーを利用する」(2017.05.30)の韓国
科学技術振興機構(KAIST)の事例は、赤外光の85.5%を吸光波長帯(もはやこれは熱電
変換素子
に包摂されるかのような機能をもつ)の事例もあり、同じハイブリッド型ペロブスカイト太陽電池で
も特性が  異なる点に着眼する必要がある。

【概説】

22%を超える電力変換効率(PCE)で、シリコン太陽電池の半分価格で匹敵する、有機鉛ハロゲン化
ペロブスカイト太陽電池(PSC)は、デバイスの安定性が低い弱点をもつ。実用化には20~25年間の
保証が必要であり、標準長耐久加速試験で、少なくとも1,000時間PCEが10%以下に低下。ハイブリッ
ドペロブスカイト太陽電池は、水分や水蒸気、紫外線、熱ストレスに脆弱で、水蒸気に曝されると、
ペロブスカイト構造は加水分解され、可逆的な分解を受け、例えば高吸湿性のCH3NH3XおよびCH(N
H22X
塩およびPbX2( X=ハロゲン化物)に分解する傾向があり、劇的に熱、電場および紫外線暴露
により加速される。材料の不安定性は、❶クロスリンク添加剤を使用してある程度まで制御するか、
❷または組成調整によって、前駆体にPb(CH 3 CO 22・3H 2 OおよびPbCl 2の組み合わせを加えるか、
❸またはCsおよびRbカチオンを含むカチオンカスケードを材料の光不安定性を低減し、❹または膜形
態を最適化するなど試験されているが、太陽電池の劣化は、❶ペロブスカイト層の不安定性に起因す
るだけでなく、❷太陽電池スタックの他の層の不安定性により加速する。例えば、有機正孔輸送材料
HTM
)は、水接触すると不安定となり、ペロブスカイトとHTMの間のバッファ層に、NiOxなどの
湿気遮断HTMを使用――室温で最大1,000時間の安定性をもたらす適切なデバイスカプセル化により、
部分的に抑制されるものの、このアプローチは、装置の複雑化、ならびに材料および処理のコストを
増加させる。また、デバイス安定性測定値の大部分は、不確定な温度で測定した場合、湿度条件の無
制御状態でデバイスを放置した場合に生じる。これこれに対し挑戦的に異なる戦略のもとで適切に比
較を行う。 他方、2次元(2D)ペロブスカイトは、優れた安定性/耐水性に、最近、3次元(3D)対
応物よりはるかに大きな関心を集めている。この点で、準2D(BA)2(MA)2Pb3I10BA = n-ブチルアン
モニウム)ペロブスカイトに基づく太陽電池は、最近は12%の効率を示すが、それらの性能は周囲条
件下で2,250時間運転した後に30%低下する。ここでは、2D / 3Dペロブスカイトでできた多次元接合
を工学的に改造し革新的なコンセプトで開発。この2D / 3Dインターフェースは、2Dペロブスカイト
の安定性を向上させ、全色吸収と優れた電荷輸送を実現し、効率的かつ安定性に優れた太陽電池の量
産製造を実現する。特にHTMを使用しない太陽電池やHTMを疎水性炭素電極で置換するモジュール
開発を行っている
。この構成では、❶大面積、❷完全印刷可能、❸低コスト、❹高効率、❺効率低な
しで、10,000時間以上(400日に対応)の驚異的な長期安定性を、酸素/水分の存在下で100cm2セル
面積(約50cm2 の活性面積)標準条件下で測定し実証された。

doi:10.1038/ncomms15684

図1 光学的および構造的特徴

(a)3%のHOOC(CH24NH3I、AVAIを用いた(HOOC(CH24NH32PbI4(青色破線)、3D CH3NH3PbI3
(黒色線)および2D / 3D(赤色線)の吸収スペクトル。 PbI2に対するAVAIのパーセンテージを増加
させながら420nmにおけるピークの強度を挿入した。
 (b)100%AVAI(パネルI)、3%AVAI(パネルⅡ)及び0%AVAI(パネルⅢ)ペロブスカイトのラマンス
ペクトル。 実線は、マルチガウスピークフィッティング手順(詳細は補足図※3)からの適合を表す。
3Dペロブスカイト主ピークの場合:78,109及び250cm -1; 2D、73,99,143,171cm-1、2D / 3D:62,87,112,
143,169cm-1
;
(c)100%AVAIのX線回折パターン(パネルI)。 3%AVAI(パネルⅡ)および0%AVAI(パネルⅢ)ペ
ロブスカイト。 星で示されるピークは、FTO / TiO 2基質に由来する。
(d)選択された角度での3%AVAIと純粋な0%AVAIペロブスカイトとを比較するX線回折パターンの拡
大( 基材:メソポーラスTiO2)。



図2.放射特性

(a)100%HOOC(CH24NH3I、以後のAVAI、3%AVAIでの2D / 3D、400nmでの励起、ペロブスカイトが
メソポーラス足場内に浸透しているTiO2側から励起する。
(b)上部ペロブスカイト層からの3%AVAI励起での2D / 3Dと、3D0%AVAIと比較してペロブスカイト
がメソ多孔性骨格内に浸透しているTiO2側から、600nmで励起した正規化PLスペクトル。メソポーラ
ス側(実線)。光の侵入深さは100600nmで、酸化物側からのペロブスカイト膜の励起(約1μm
骨格の厚さ)は骨格内で成長したペロブスカイトナノクリスタリットを調べ、ペロブスカイト上層か
らの励起はバルクペロブスカイトの固有特性が上に成長する。
(c)絶縁ZrO2メソ多孔性基体上に堆積した3%AVAIのバルクペロブスカイト(760nmでの最上層からの
励起)および730nmでの酸化物側からのPL動態。

図3.2D / 3Dインタフェースの第1原理シミュレーション

(a)3D / 2D界面の局所密度DOS)および(b)TiO2表面に接触する2D相との界面構造。(c)スピン軌道結
合(SOC、挿入図)を含めて計算した2次元および3次元フラグメント上に部分DOSを合計する。 2Dペロ
ブスカイトへの電子注入のための伝導帯状態と、可能であればTiO 2への伝導帯状態の良好な整列に注
目。

図4.2D / 3Dメソポーラス太陽電池の特性と安定性

(a)正孔輸送材料(HTM)を含まない太陽電池および標準的なHTMベースの太陽電池のデバイス漫画。
(b)2,2 '、7,7'-テトラキス(N、N'-ジフェニル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン)を用いた標準的なメソ細
孔構造における、3%HOOC(CH2)4NH3I、以後のAVAIを有する2D / 3Dペロブスカイトを用いた電流密
度電圧(J- N'-ジ-p-メトキシフェニルアミン)-9,9'-スピロビフルオレン(スピロ-OMeTAD)/ Au(挿入
図中の細胞の統計および画像を考案する)。
(c)Spiro-OMeTAD / Auセルの安定性曲線。AM 1.5G照明下、アルゴン雰囲気下、45℃の安定化温度下
での最大電力点での混合2D / 3Dペロブスカイトと標準3Dの比較。 実線は線形近似を表す。 挿入図に
チャンピオンデバイスのパラメータがリストを表示。


図5.
2D / 3Dカーボンベースの太陽電池の特性と安定性

(a)空気質量(AM)1.5G照明下で測定されたHTMフリー太陽電池中の3%AVAIを有する2D / 3Dペロブス
カイトを用いたJ-V曲線(デバイス統計および挿入図)。
(b)HTMを含まない10×10cm 2モジュール(
装置の統計およびインセット内の画像)中の3%AVAIを有する2D / 3Dペロブスカイトを用いたJ-V曲
線。
(c)55°の安定した温度および短絡状態で、1太陽AM 1.5 G条件下での典型的なモジュール安
定性試験。
標準的なエージング条件に従って行われた安定性測定。 aおよびbで表される装置の挿入
装置パラメータでは、
補足表2に報告されている。

● 補足図表(※3)Supplementary information


【方法事例】

● Spiro-OMeTAD※3ベースの太陽電池の作製

この
太陽電池は、フッ素ドープ酸化スズ被覆ガラス(NSG10)基材上に調製される。

  1. 異なる層の堆積の前に、基板を、hellmanex溶液(2vol%)中で15分間、蒸留水中で分間、最後
    にイソプロパノール中でさらに5分間超音波処理し、続いて15分間紫
    外線-オゾン処理。
  2. イソプロパノール9ml中のシグマアルドリッチ(Sigma Aldrich)からのチタンジイソプロポキシド
    ビス(アセチルアセトネート)
    75%を含有する溶液から噴霧熱分解により厚さ30nmのTiO 2ブロッ
    ク層を堆積。
  3. 450℃で焼結した後、メソポーラスTiO2層を、300rpmEtOH30NRD Dyesolペーストの400mg /
    ml
    溶液からスピンコートした。 500℃で30分間アニール。
  4. 基板が冷却されたら、1.25MのPbI 2 / MAI(1:1)DMSOに含む40μlの溶液を2段階法により上に
    スピンコートした。第1工程は
    1,000r.p.m. 10秒間(層のプレコンディショニング)および第2の
    工程を
    4,500rpmで行う。 30秒間。
  5. プログラム終了の10秒前に、文献38に記載されている貧溶媒法にしたがって、クロロベンゼン
    100mlをペロブスカイト層の上にスピンコートし、最後にペロブスカイ
    ト膜を100℃で1時間焼結。
  6. アニーリング時間の後AVAI:PbI 2(2:1)の1.1M溶液の異なる量をMAI:PbI 2前駆体溶液0,3および
    5%モル比)と混合することによって、2D/3D
    ペロブスカイトの異なる組成物も試験。、
  7. Spiro-OMeTADを、Li-TFSI(アセトニトリル中の520mg ml-1ストック溶液から7.0μlを含有するク
    ロロベンゼン溶液(
    400μl中、28.9mg、60mmol)から4000rpm20秒間スピンコートし、TBP(11.5μl)
    およびCo(II)TFSI(10mol%、40mgml-1ストック溶液から8.8μl)を添加。
  8. 最後に、100nmの金電極を蒸発させる。


●炭素系メゾスコピック太陽電池の作製

  1. FTOガラスを最初にエッチングして2つの分離した電極を形成した後、エタノールで超音波洗浄。
  2. その後、エアロゾルスプレーによる熱分解により、パターン化された基板をコンパクトTiO2
    でコーティングし、先に報告したように調製したTiO2スラリーのスクリーン印刷により、1μm
    のナノ多孔質TiO2層を堆積させた。 450℃で30分間焼結した後、2μmZrO 2スペーサー層を電
    子が背面接触部に到達するのを防止する絶縁層として働くZrO 2スラリーを用いて、ナノ多孔質
    TiO 2層の上部に印刷。
  3. 最後に、カーボンブラック/グラファイト複合スラリーを印刷し、ZrO2層の上に厚さ約10μmのカ
    ーボンブラック/黒鉛対電極をコーティングし、400℃30分間焼結した。室温に冷却した後、

    ロブスカイト前駆体溶液を、半連続印刷法により、カーボン対向電極の上部からドロップキャス
    ティングにより浸透させた。完全な印刷プロセスは空気中で行う。
  4. 50℃で1時間乾燥した後、ペロブスカイトを含むメゾスコピック太陽電池が得られた。ペロブス
    カイト前駆体溶液を以下のように調製した:3D前駆体溶液について、1.2μMのMAIおよび1.2μMの
    PbI2
    をγ-ブチロラクトンに溶解し、60℃で一晩撹拌。 2Dペロブスカイトの場合、1.2μMのAVA
    Iおよび1.2μMのPbI 2
    をγ-ブチロラクトンに溶解し、60℃で一晩攪拌。
  5. AVAI:PbI2)と(MAI:PbI2との混合物を3,10,20,50容量%(すなわち、(AVAI:PbI2))とした
    以外は同様にして(AVA)x (AVAI:PbI2)/((AVAI:PbI2)+(MAI:PbI2))を使用。
  6. すべてのセルを周囲の雰囲気に封入して、細胞を機械的損傷から保護し、湿度および酸素含有量
    を特別に制御しなかった。 封入は、細胞を薄いガラスで覆い、DuPont Surlynポリマーを用いて縁
    をシールすることによって行った。モジュールの場合、同じプロセスが実行されたが、第2の保
    護としてセルの周りにエポキシ接着剤の余分なリングを追加。 

以上の研究成果を踏まえると、同時に10年前の色素増感型太陽電池の調査開発を行っていたときの
違和感(これは有機ELディスプレイの調査研究を行っていた当時の違和感と同じもの)、つまり「不
安定さ」の起源の未解明さにあった。後者はすでに克服されているが、前者は、テレビジョン(表示器
)製造事業とは異なるエネルギー供給事業であり、「不安定」は致命的であり、退社後もその評価解明
の調査研究を続けてきた。「二次元構造/機能」は光の吸収を高め、外部環境変動の緩衝保護し、「三
次元構造/機能」がエネルギーを高効率変換できることを実証したことになる。ここまで来ると実用性
が高かまる。わたし(たち)予見したナノテクを駆使したネオコンバーテック(新表面加工々学)事業
はまたひとつ実現したことになる。これは大変愉快だ。

● 今宵の一曲  Andrea Bocelli - Quizas Quizas Quizas 

「キサス・キサス・キサス」(Quizás, quizás, quizás)は、キューバのオスバルド・ファレス作曲。題名
は「たぶん、たぶん、たぶん」という意味である。歌詞は「男が恋人の女性にいろいろと問いかけるが、
女性はいつも『たぶん』としか答えてくれない」といった内容。
作曲者自身によりスペイン語の歌詞が
付けられ、スペイン語圏でヒット、ジョー・デイビス  により英語の歌詞がつけられた。1958年にナッ
ト・キング・コールが歌い、再度ヒットする。今宵はアンドレア・ボチェッリとともにシチリア島の思
い出に浸りながら疲れを癒す。

 

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