極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

太陽光発電の3R工学

2016年09月21日 | 環境工学システム論

 

       
                               情報交換、知り合うということが紛争をなくす一番の近道ではないか。

                               金が目的になってはならない。金はただの結果にすぎません。 お金が

                               目標になると本末転倒になってしまう。
  
                                                孫 正義

                                              
                                                               Aug. 11, 1957 - 

                  ※ " Some incumbent utilities, when defending their interests, are using arguments about
           the technical difficulties in the electricity grid.
Japan in this respect is far behind Europe." 

                                                                           Japanese business heavyweightss urge solar support
                                                                                                                 
Sep. 9,  2016,  pv magazine

 

 

【廃棄物ゼロ時代:太陽光発電の3R工学】

今夜は、全世界的な太陽光発電時代に入り、(1)高変換効率太陽電池、(2)高品質蓄電池
の開発競争といったテーマを離れ(3)太陽光発電のリユースをテーマアップしてみよう。そ
の前に、12年7月、固定価格買取制度/FITが開始されて以来、日本の太陽光発電市場が
急速な成長を
遂げ、ピークを迎えた14年度の太陽電池モジュールの国内出荷額は9213メ
ガワットを記録。制度開始後3年で、太陽光発電の導入量は5倍に逓増
した(下図グラフ参考)。
ここにきて、既存電力会社の系統接続制約による出力制御ルール導入や買取価格
の低減などが
影響し、15年の国内出荷量は7136メガワットと減少。加えて17
年4月1日から“改正
FIT法"が施行される。FITは制度開始以来、再生可能エネルギー(再エネ)導入を加速す
る役割を担ってきたが、今後は国民負担抑制
、再エネのバランス、長期安定的導入させる制度
へとシフトさせる政府目標に変化する。
年度毎に発電費用に適正利潤を上乗せして決定してい
た従来の方式から→
大規模太陽光発電等では入札方式の導入を、また住宅用では将来のコスト
目標に向けて価格
逓減スケジュールを決める方式へ移行し発電コスト低減を目標とする。


The Power to Change: Solar and Wind Cost Reduction Potential to 2025, IRENA

 Sep. 14, 2016
 
こうした状況の中、日本の太陽光発電市場は、今後どのように変化していくのか、太陽光発電
産業成長牽引の3つの成長エンジン(1)改正FIT法(2)
電カシステム改革(3)パリ協
定"の3つを俯瞰する。


● 未稼働案件問題の解消

"改正FIT法”は 現状を打破じ安定的に太陽光発電の普及を促進する基本的なエンジンと位
置づけられるという、"改正FIT法”では未稼働案件を整理するために、従来の《設備認定》か
ら発電事業面から適切かどうかを確認する《事業認定》へと認定制度を大きくシフト。末稼働
案件は膨大な数に及び、事業性の低い案件が相当紛れ込みは案件が、国民負担を見かけ上増加
させる要因となる。買取価格40
円や36円案件も多く、低い価格となった直近の24円案件
の導入を阻害しているといわれる。
系統連系問題でも見かけ上混雑している状況を作り出し、
事業性の高い案件がスムーズに連系
できないという技術問題であり、電力系統への接続制約問
題も、末稼働
案件の見かけ上の発電容量が組み込まれ起きる問題と言われている因みに、資
源エネルギー庁がまとめたFITの導入・買取・認定状況(16年4月時点)では、
認定容量は
79、45ギガワット、うち導入容量は28.31ギガワット。つまり現状で約50ギガワット
の未稼働案件か残っているとされる

● 卸売電力市場の電力で需給を調整

2つ目の成長エンジンは"電カシステム改革"は、再エネ導入する再エネ先進国では、ほとんどの
国が同時並行的に電カシステ
ム改革を進めている。分散電源、とくに太陽光や風力のように天
候や自然条
件などに左右され、出力が変動する電源をスム一ズに効率よく導入するには、系統
のフレキシビリティーが重要となる
。”電カシステム改革"を通じ柔軟性の高い電力系統を構築、
再エネを電力システムの中に組み込むことで実現中でも注目されるのは20年導入予定の《
発送電分離》。"改正FIT法”
で導入される《発送電分離》に備え、再エネの買取義務を一
般電気事業者から送配電事業者に移す。この移行により送配電事業者は、再エネを含めた電力
需給のバランスをとる役割を担う。
そして送配電事業者は、FIT電力を卸電力取引市場を通
して小売電気事業者に引き渡す。

このため鄙電力取引市場での電力の取引量か増大し、再工各で生まれる変動電力の需給調整を
電力取引市場の仕組みを活用して賄う可能性が生じる。系統活用の畷か広がり、太陽光発電
どの再エネ電気を抑制することなくフルに活用する余地が生まれる。電力の買取義務を送配
事業者か担う仕組みは、既にドイツなどで取り入れられている成功モデル
ドイツでは全電
力のうち3割程度を再
エネで賄っているにもかかわらず、出力抑制は1%以下

● "パリ協定"は太陽光発電普及への強力、長期的なサポート

そして3つ目が、15年12月、気候変動枠組条約締結会議(COP21)で“パリ協定"が合意され
たことだ"パリ
協定"で特に重要なのは、今世紀末までに国際社会が《≪脱炭素叱》《ゼロエミ
ョン社会≫を実現する長期目標を明
確に示した。「COP21」で明らかになったことは、人類は
今世紀末までに化石燃料に頼ら
ない新たなエネルギ一社会を作っていかねばならないというこ
とであり、そう
しなければ経済的には、エネルギーのコストなどを遥かに上回る気候変動に
う膨大な負のコストを支払わなけれ
ばならなくなる。再エネ導入などによる世界全体での《
炭素化》への潮流は、太陽光発電
にとって強力かつ継続的なサポートになる

こうした太陽光発電市場に押し寄せる変化の波を勘案し、IPEAでは15年3月に改訂した産業
ビジョン「2030
年に向けた確かな歩み」の内容の見直しに取り掛かる。ただし、30年の
累積導入見通しである百ギガワット(日
本の電力J需要11兆キロワッアワーの10%)は
その
まま据え置く。太陽光発電は純国産エネルキ一であり、すべての国民の財産。社会に貢献
する立派な産業である
という意識をもち、これからも持続的な太陽光発電の普及を目指す必要
がある

 太陽光発電システム環境整備の前提:3R技術

   Jun. 25, 2015

さて、急激に普及する太陽光発電を背景に、モジュールのリサイクル・リユース技術の確立が急
がれて
いる、トレードオフの関係にある処理技術の低コスト化と有価物の回収のバランスをど
うとる
のか、実証段階に入った国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NED
O)のリ
サイクルプロジェクトから現状を俯瞰してみよう(上グラフダブクリック)。

● 当面の目標はコスト5円/W

"改正FIT法”の実施に伴い、「再生可能エネルギー発電事業を廃止する際の発電設備の取扱い
に関する計画が適切であること」が再生エネ発電事業の認定基準として示された。太陽光発電
事業業者には事業の計画段階から太陽光発電設備の適切なリサイクル計画を綱み込むことが義
務付けられることになる。固定価格買収制度の導入によりと陽光発電が急増し、発電事業が終了
した後の発電設備が放置されるホ態に懸念か高まっているからだ。実際、40年頃には約80
万トンの廃棄モジュールが発生する可能性があると想定される。

しかし、太陽電池のリサイクル処理については、いまだ十分な技術や手法か確立されていない
のが現状だ。
こうした中、NEDOでは14年度から太陽光発電リサイクル技術開発ブロジェ
ケトを開始したNEDOでは
以前から太陽電池リサイクルに関わる要素技術の開発に取り組み
10年には
テストプラントを構築。現在、委託事業により以前からの取り組みも含めて5テー
マの低コストリサイ
クル実証事業と2テーマの低コストリユ一ス技術開発事業が実施されてい
る(16
~18年)。NEDOは、低コストリサイクル事業については14年からのFSプロジ
ェクトを経て、現在はセカンド
ステップとして具体的なコスト目標5円/Wを掲げて実証を行
っている最中
。その際、リサイクルのボイントになるのが太陽電池セルとカバーガラスの間を
充てんするEVA封止材をどのよう
に分離・除去するかにありまも封止材は長期間の発電を可
能にするため、熱
や湿気などの影響を低減化しようと強固に接着しているので、除去しにくい



例えば「汎用リサイクル処理ライン」(
実証:新菱)ではEVAを熱処理する技術により結晶型、
薄膜型、CISのリサ
イクルに対応できる。まずアルミ枠を外し、バックシートを削り取って
から、500℃
の高熱炉で蒸し焼きにする。EVAは熱分解でガス化し、残った銀、シリコン、
ガラスなとの伺面物を回収する,こ
の処理装置の特徴はサーマル・リサイクルの手法を取り入
れることで、焼却
の際に発生する熱エネルギーを回収・利用し、処理コストを削減する。



もう一つは機械式で200℃に熱したホットナイフをガラスとEVAの間に差し込んで分離す
る方式(実征:浜田、エヌ・ピ
ー・シー)。ガラスを回収した後はEVAを削り取って有価物を回
収する,この方
式の特徴はガラスを削らずに板状のまま回収できることで、ガラスに不純物か
入せず応価で買い取られることが期待できる。同様にホットナイフを用いた方式をCISに
応用することも検討されてい
る(実証:ソーラーフロンティア)。その他に、機械式で結晶型
モジュール
を破砕する方法(実証:三菱マテリアル)と化学薬品を使って結晶型モジュールを
溶解する方法(実証:東邦化成)も
「拠証中であるが、5つの方法いずれにも一長一短かある。



またリサイクルの低コスト化には、低
コスト処理技術の開発と有価物を回収し売却益を費用に
補填する方法があ
る。有価物回収の観点からポイントになるのか、もっともボリュームの多い
ガラ
スの処理だ。ガラスを回収するというゴールは一緒、仕上がりの形状、品質、価格など回
収ポ業者ごとに、アプローチ
が違ってくるマ一ケティングと合わせ事業性の実証が必要。ただ、
有価物は価格変動があるので難しい
。処理コストと有価物の回収のバランスをはかり各社がそ
れぞれ事業戦略を描くことか
必要,さらにモジュールメーカ一もパネルの生産コストを下げる
ために「高価な材料
を使わなくなる。将来的には処理コスト自体をいかに下げるかか重要にな
る。




● 価格、保証が課題となるリユース市場 

低コストリユース技術については、NEDOは今年6月に2つの案件を採択し、30年までに
スト180円/Wの実現を目指し、開発をスタートする。リユ一スでは発電設備の解体後、
ジュールを回収・運搬し、外観・安全性の検査、出力性能測定によりリサイクルするものと
修復可能なものを分別し、リ
ユース業者に委託する。その際、南氏はリユース過程にかかるコ
ストがかかり
過ぎると新品のモジュールと価格差がなくなり、売れません。問題は時間をか
れば、きっちり検査かできるが、かけす
ぎるとコストか高くなる


「On-Siteでのモジュール分別技術」(開発:太陽光発電技術研究組合)は現咄で分別
作業をすることでパネルの輸
送コストを抑制しようという試みだ.通常、メガヽノーラーなど
が廃業する場合、解体
事業者か発電設備を解体し、リユースの工場に運んで分別する。しかし、
このやりかたでは使用できないバネルの輸送コストも負担することになる。そこで、解体現場
で簡便に分別する技術を
開発。PVラボに組み込みトラックで運搬し、現地での分別を目指す。 
もう一つの「使用済み太陽電池の低コ
スト修復技術」(開発:ジー・エム・ジーエコエナジー)
は太陽電池モジュ一ルを低
コストで簡便に修復するとともに、処分するパネルを減らすという効用
もある。
開発する修復技術の対象とする不具合は3つある.―つはバネルに付帯するジャンク
シjンボックスに実装されたバイ
パスダイオ一ドが断線やショ-トする場合の交換技術。2つ目
は損傷したバッケ
シートの修復技術,そして、3つ目かセルとセルをつなぐ配線(リボン電線)
修理した後にもう度、封止材を埋め込むための技術。EVAをもと通りに埋め込むには装置か
必要でコトもかか
るが、RTVという室温で固まるシリコーン材に置き換えることで、修復コス
トの
削減を図る。

しかし、こうしたリユ一ス技術の確立が、リユースバネルの需要にどう結びついていくのか。
「新品パネルの価格が下がり、長寿命化も進む中で、リユースで買ったバネルは保証も付いて
いないそのあたりをどう担保するかという問題があります.今後はまだリユース市場を立ちあ
がっていない中で、技術開発とともにリユ一ス需要に目を配りなから、求められる品質を確保
していくかか、リユース市場を形成していくためのポイントになるでしょう」とみる。どちらに
しても、太陽光発電システムが社会に定着していく環境を整えるためにも、太陽電池のリサイ
クル・リユース技術の開発は欠かせない。 

以上、太陽電池事業の「ゼロ廃棄物化」の課題を俯瞰してみた。ここまでくれば、オールソー
ラーシステムの事業化は半ば決定されたようなもの。後は飛び出すばかりだ。と、今夜はこの
辺で。

                                      


    

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 台風16号進路と降雨量 | トップ | 最新水素貯蔵工学 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。