極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

埋めなくてはならない空白

2017年10月06日 | 環境工学システム論

   

                                 
                         梁恵王篇 「仁とは何か」  /  孟子        

                               

      ♚ 君子は庖厨(ほうちゅう)を遠ざく:斉の宣王が孟子にたずねた。
        「斉の桓公・晋の文公の覇業についてお話をうかがえましょうか」
        「孔子の門下で覇業について論じた人はありません。ですから、わた
        しはなに一つ聞き知っておりません。是非にとならば王道についてお
        話しいたしましょう」
        「王者になるにはたいへんな徳が昌要なのでしょうな」
        「民生を安定すればよいのです。そうすればあなたの前に立ちふさが
        る敵はありません」
        「わたしにもそれができるだろうか」
        「できますとも」
        「どうしてそれが分かるのです」
        「胡齕(こけつ:宣王の臣)の話によればあなたが御殿におられたと
        き、牛が引かれてゆくさまを見て、『あの牛をどこへつれてゆくのか』
        とたずねられたそうですね。『血塗りの儀式に使うのです』、臣下がそ
        う答えるとあなたは、『助けてやれ。あのおびえた様子は見ていられな
        い。罪もないのに殺されに行くのだ』と同情されました。『では儀式は
        とりやめるのですか』と 臣下がこう聞くと、『馬鹿を言え。とりやめ
        てどうする。かわりに羊を使え』とお答えになったとか。事実でしょう
        か」

        「そうです。碩かにそんなことがありました」
        「その心、それこそ王者となるにふさわしい心なのです。人民は、あな
        
たが物情しみしたとうわさしています。もちろんわたしにはあなたが牛
        
をあわれんでそうしたのだ、とすぐ察しがつきましたが」
        「そうです、そのとおりです。わたしも人民のうわさは知っている。こ
        の斉はちっぽけな国だが、たかが牛一頭、どうしてもの惜しみしよう。
        おどおどしながら殺されに行く牛があわれで仕方がなかった。それで羊
        にかえよと兪じたのです」
        「しかし、人民がうわさするのも無理はありません。牛を羊にかえたの
        は事実なのですから。なぜそうなさったか、その心の中までは人民にわ
        かるはずはありません。それに、罪もないのに殺されるのはあわれだと
        いう点では、牛も羊もちがいがないでしょう」

        宣王は笑いながら、「いったい何を考えていたんだろう。物惜しみから
        羊にかえたのでないことは確かだが・・・・・・・。いや、無理もない。物惜
        しみしたと人民が思ったのも」「気になさることはありません。それこ
        そ仁への道なのです。あなたは、牛はごらんになったが、羊はごらんに
        ならなかった。人の情として、禽獣の生きている姿をみた以上、殺され
        るのを見るのは耐えがたい。嗚き声を聞いた以上、その肉を食べるのは
        耐えがたいことです。君子が調理場に近づかないのはそのためです」

        宣王はよろこんだ。「詩経に、『ひとの思いを われおしはかる』とあ
        るが、これぞ先生のような方をいったにちがいない。自分でやっておき
        ながら、なぜそうしたのか、自分では納得できなかった。それを先生は
        ズバリと言いあてられた。なるほど硝かに、あのときの心理は、先生の
        おっしゃるとおりでした。して、それが王者たるにふさわしい心だとい
        うのは、どういうわけでしょう」
        「ある男が、『おれの力は百鈎の物でも持ちあげられるのに、一本の羽
        根は持ちあげられぬ。おれの視力は、毛ほどのものでも見わけられるの
        に、車一杯の薪は見えぬ』といったとします。あなたはそれを信用なさ
        いますか」
        「いや」
        「では、おたずねしますが、あなたの慈愛は禽獣にまで及ぶほどなのに、
        人民にそれが行き及んでいないのは、一体どうしたわけですか。羽根一
        本が持ちあげられないのは、持ちあげようとしないからです。車一杯の
        薪が見えないのは、見ようとしないからです。民生が安定しないのは、
        慈愛を施そうとしないからです。同じ理屈で、あなたが王者になれない
        のはなろうとしないからです。できないからではありません」
        「”しない”と。”できない”とでは、具体的にどこがちがうのですか」
        「”太山を小脇にかかえ、北海をとびこえよ”といわれて、”できない”
        と答える。それは本当に。できない〃のです。”目上に対してはお辞儀
        せよ”といわれて、”できない”と答える。それは。”しない”のであ
        って”できない”のではありません。すなわち、あなたが王者たり得な
        いのは、あなたが。”太山を小脇にかかえて北海をとびこえる”ほうで
        はなく”目上に対するお辞儀”のほうだからです」

         【解説】 仁を性善説との関連において説明している。すなわち、殺さ
                れる牛を。
あわれだ’と思う人間本然の心――それが仁の第一歩だとい
                うのである。ただしかし、直接、目にしない羊――それも殺されること
        は同じなのだが――にもその心を及ぼし得るかどうかが問題なのである。 
        後半、”しない’と”できない”の差を力説しているのは、結局は、意
        志力の問題である。不可抗力で”できない”のか、意志が弱くて”しな
        い’のか。
        

   No.80

doi: 10.1021/acs.jpclett.7b02203

【「京」で非鉛系ペロブスカイト太陽電池の新材料候補発見

10月5日、理化学研究所の研究グループは、スーパーコンピュータ「京」を利用し、高効率な材料スク
リーニングに基づいた探索により、「ペロブスカイト太陽電池の新たな材料候補発見したこと
を公表。近
年、次世代太陽電池の有望な材料のペロブスカイト結晶構造を持つ有機と無機のハイブリ
ッド材料(ハイ
ブリッド型ハライドペロブスカイト)が注目を集めている。その代表的なものに、メチル
アンモニウム鉛
ヨウ素やホルムアミジン鉛ヨウ素といった鉛化ハロゲン化合物がある。鉛化ペロブスカイ
トは低コストで
容易に合成できるが、鉛による毒性の問題があります。そのため、非毒性元素を用いたペ
ロブスカイト材

今回、「二重ペロブスカイト」と呼ばれる「A2BB'X6型」の化合物を対象として、A、B-B'、Xのそれぞれの
サイトに各3種類、49種類、3種類の元素を当てはめることで、合計11,025個という膨大な数の組み合わせ
の化合物を選び出しました。そして「京」を用いることで、これらの化合物に対して第一原理計算]を実
施元素戦略的な材料スクリーニングに基づいたマテリアルズ・インフォマティクス]手法により、ペロブ
スカイト太陽電池としてふさわしい適切な材料を効率的に探索。その結果、51個の低毒性元素だけから
なる非鉛化材料の候補化合物を世界初めて発見。

また、51個の候補化合物をB–B'の組合せに着目して周期表の族の組合せで分けたところ、規則性がある
ことが分かりました。具体的には、❶第14族-第14族、❷第13族-第15族、❸第11族-第11族、❹第9族-
第13族、❺第11族-第13族、❻⑥第11族-第15族の6タイプに分類できました。本研究で構築した材料ラ
イブラリをさらに拡充することで、より高効率な非鉛化ペロブスカイト太陽電池材料のシミュレーション
設計につながるものと期待されている。

 
 Oct. 5, 2017

【燃料電池と太陽電池を融合する同一触媒】

10月5日、九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)の研究グループは、自
界の水素酵素と光合成の機能を融合した新しい触媒の開発に成功したことを公表する。それによると燃料
電池と太陽電池はこれまで別々に開発されてきたが「自然界の水素酵素と光合成の機能を融合した新しい
触媒」を開発。この触媒は「水素をエネルギー源として燃料電池が、水と光をエネルギー源として太陽電
池が駆動する」ことを見出す。この成果はエネルギー研究の分野において格段の発展と波及効果をもたら
すと来されている。

自然界からヒントを得て、光がない時(夜間)は、「水素」を電子源とする水素酵素のごとく、光がある
時(昼間)は「水」を電子源とする光合成のごとく駆動する触媒・電池の開発を思いつきました。この開
発がきっかけとなって、将来、水素は夜間のための燃料となり、昼間は水をタンクに入れれば、車が走る。

※ A Fusion of Biomimetic Fuel and Solar Cells Based on Hydrogenase, Photosystem II, and Cytochrome、xidase ,
        ChemCatChem, 10.1002/cctc.201700995  


【最新特許技術事例】 

❏ 特開2017-168500  積層型光電変換装置およびその製造方法  株式会社カネカ

今回は、効受光面積が広く、変換効率に優れた積層型光電変換装置の構造/構成と製造方法を掲載する

【概要】

結晶シリコン系太陽電池と薄膜光電変換ユニットとを組み合わせた多接合太陽電池に関するこれまでの報
告は、シリコン基板上の一部に薄膜を形成したものや、1平方センチメートル程度の小面積にダイシング
を行った評価用のセルに関するものである。単結晶シリコンや多結晶シリコン等の結晶半導体基板を用い
た太陽電池では、基板内の限られた面積の中で発電に寄与する領域(有効受光面積)を最大限に確保しつ
つ、基板端部における電極層や半導体薄膜の不所望の短絡やリークを防止する必要がある。結晶シリコン
系太陽電池の多接合化に関するこれまでの報告は、このような実用化に関する検討はなされていない。

この積層型光電変換装置は、結晶シリコン基板を含む結晶シリコン系光電変換ユニットの受光面側に薄膜
光電変換ユニットを備える。積層型光電変換装置は、結晶シリコン基板の第一主面側に、第一導電型シリ
コン系半導体層、薄膜光電変換ユニット、および受光面透明電極層を順に備え、結晶シリコン基板の第二
主面側に、第二導電型シリコン系半導体層、および裏面電極を順に備える。薄膜光電変換ユニットは、結
晶シリコン基板側から、裏面側半導体層、光吸収層、および受光面側半導体層を備える。薄膜光電変換ユ
ニットを構成する薄膜の少なくとも1層は、結晶シリコン基板の側面および第二主面に回り込んで形成さ
れている。

積層型光電変換装置の第二主面の周縁には、裏面電極が設けられていない領域が存在する。例えば、第二
主面の周縁をマスクで被覆した状態で裏面電極を製膜することにより、第二主面の周縁に、裏面電極が設
けられていない領域が形成される。第二主面の全面に裏面電極を製膜後、第二主面周縁の透明電極層をエ
ッチング除去することにより、第二主面の周縁に裏面電極が設けられていない領域を形成してもよい。実
施形態の積層型光電変換装置では、薄膜光電変換ユニットの光吸収層が、ペロブスカイト型結晶材料を含
有する。

下図1のように、有効受光面積が広く、変換効率に優れる積層型光電変換装置の提供にあたり、積層型光
電変換装置(100)は、結晶シリコン基板(42)の第一主面側に、第一導電型シリコン系半導体層(
41)、薄膜光電変換ユニット(3)、および受光面透明電極層(2)を順に備え、第二主面側に、第二
導電型シリコン系半導体層(43)、および裏面電極(5)を順に備える。薄膜光電変換ユニット(3)
は、結晶シリコン基板(42)側から、裏面側半導体層(33)、光吸収層(32)、および受光面側半
導体層(31)を備える。薄膜光電変換ユニット(3)を構成する薄膜の少なくとも1層は、結晶シリコ
ン基板(42)の側面および第二主面に回り込んで形成されている。積層型光電変換装置(100)の第
二主面の周縁には、裏面電極(5)が設けられていない領域が存在する。構造/構成で製造する。 


【符号の説明】


100 光電変換装置 2,5 透明電極層 3 ペロブスカイト光電変換ユニット(トップセル)
31   正孔輸送層 32 光吸収層  33  電子輸送層   4  ヘテロ接合シリコン光電変換ユニット
(ボトムセル)   1   p型シリコン系薄膜   42  結晶シリコン基板  43  n型シリコン系薄膜
6 裏面金属電極


【ZW倶楽部とRE100倶楽部の提携 15】

● 「海の魚は5年で枯渇」養殖あるのみ

10月4日の「水産物の内陸化:環境と食糧問題を同時解決」で紹介したトゥエンティ・グリーン社に引
き続き、今回は「近大ナマズ産みの親、有路昌彦教授に聞く」(「海の魚は5年で枯渇」養殖あるのみ:
日経ビジネス、2017.10.06)の記事の概要を記載する。有路昌彦教授は、ウナギ味のナマズ、におわない
ブリの開発者として有名で、水産・食料経済を専門である。内容背景は、世界銀行の報告書「Fish to 2030:
漁業と養殖業の展望」(2014年刊)をベース。限られたエリアで生息する魚種の場合は、ある程度ルールに
則った持続可能な資源管理は可能です。しかし、広い海を回遊する魚の場合は話が違います。漁船の目の
前に魚の集団がいると、間違いなく漁船は魚を捕り、今捕らなかったら誰かに奪われる。海の魚は所有権
が決まっていない無主物です。先に捕った人に所有権は生まれ、先取り競争が発生回遊魚は乱獲・枯渇の
運命にあるとし次のように述べている。




 資源管理は当然頑張らないといけません。たとえ機能しなくても、抑止力にはなっているはずです。
 しかし、それ以上に大切なのは、天然の水産資源にはもう依存できないという事実を認識することで
 す。もうダメです。30年ほど前は何とかなったかもしれませんが、今は完全にダメです。

 負のスパイラルが完全に始まっています。魚の資源量が減り、魚が捕れなくなって供給量が減ります。
 需要は増えていますから、需給バランスで価格が上がります。価格が上がれば、漁師は頑張ってより
  多く魚を捕ろうとして水資源の枯渇は進みます。経済学的に考えると、歯止めが効かない。多くの人
  は水産資源が減少タームに入ると、横ばいになってゆっくり減るとイメージしますが、実際はある時
 点から放物線的にポンと落ちます。恐らく多くの魚種はあと5年ぐらいで枯渇すると考えています。

 とし、解決法は養殖しかないいと述べている。数字的には、「世界的には2050年までに、養殖水産物
を現在に比べ3千万トン増やす必要があり、サーモンをあれだけ養殖しているノルウェーの輸出量が14
0万トン。チリが100万トン。3千万トンがいかに途方もない数字となる1kgの肉を作るのに何kgの飼
料が必要かを表す飼料要求率という指標があり、1kgの肉を作るのに飼料が3kg必要だった場合の飼料要
求率は3となる。鶏肉の数値3~4。豚肉が4~6、牛肉は115程度。これに対し、養殖魚の飼料要求
率は2~3と効率的に生育可能。今後の動物性たんぱく質の供給元は、魚とニワトリが主役になるはずだ
と述べた上で、養殖魚の必要性が世界的に高まることは、日本にとって好適で、餌と人工種苗という養殖
の中心的な技術は世界最高レベルにあり、自然環境も優れており、今後養殖生産を増やすためには、海外
市場を開拓し、海外で食材をマーケティングする際は、相手の食文化、料理を否定しない事が大前提。北
米では魚をソテーにした食べ方など、現地で主流となっている調理法に適した食材の提供方法が必要で、
日本は全くやってこなかった。海外ですしコンテストをやっている場合ではないと思います。現地の食文
化を肯定して、市場に入って行かないと市場シェアは伸ばせないと釘をさしているが、これは傾聴に値す
る。 


 

 

 ● 今夜のアラカルト 

『薬膳:タイ風豆腐と野菜のスープ』

作業疲労(主に脳疲労)からのウィルス性風邪により気管支炎の対応のまずさで体調を崩し、粥食事に切
り替え一週間になろうとしている。薬膳スープの開発にとりかかる。今夜は、「タイ風豆腐と野菜スープ」。
材料は、タイ風生姜のガランガル、レモングラス、カフィア・ライムの葉、野菜(ニンジン、エンドウ豆、
豆腐、野菜ブイヨン、塩、作り方は割愛、お粥とあわせていただく。 

 

● 今夜の一言: 埋めなくてはならない空白

ノーべル文学賞がカズオ・イシグロ氏に決まったという。彼の著書は読んだこともない。村上春樹だとて
っきり思いこんでいたので拍子抜けの朝を経験する。彼女が報告してくれたのだが、朝から作業にかかっ
ていたが、手をやすめ話を聞いていたが、あなたも特許や大きな発明を手にするぐらいの野心を持ちなさ
いよとからかうので、「僕の仕事は、この社会で埋めなくてはならない空白を見つけ空白を埋めること。
そんな黒子だが野心と言うほどのものはないが情熱を傾けてやってきたことがささやけど僕の誇りだ」と
応える。このセルフは『騎士団長殺し』の「第56章 埋めなくてはならない空白がいくつかありそうで
す』のパクリではなく40年前からの信条であったのだが、「エネルギータイリング事業」実現のなにか
価値ある実積をつくろうかなと蛇足ながら考えてみる。

   

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