極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

クリックベイトの政治家

2016年11月11日 | デジタル革命渦論

 

 

              ほんとうに黙することのできる者だけが、ほんとうに語ることができ、
              ほんとうに黙することのできる者だけが、ほんとうに行動することができる。

                                               キルケゴール  『現代の批判』

 

                                                              

                                 Søren Aabye Kierkegaard
                                   May. 5, 1813 - Nov.11, 1855

 

 

  ザクースカ Zakuski :前菜

スメタナとイクラを乗せたブリン

【世界の朝食:今日はサハリン地方】

冷たい雪が降るサハリン11月。半年以上続く長くげ厳寒の冬。野菜やきのこの漬物、木の実のジャムはす
でに家庭ごとに用意され、キッチンや納屋の一角に納められ冬支度、中身は「ペリメニ」。シベリア風水餃
子と言われるロシアの国民食。豚や仔羊、牛などの肉を小麦粉の皮で包む。魚介類が豊富なサハリンでは魚、
特に鮭を使う。氷点下20℃以下になる二重式の外玄関で凍らせ、冷凍庫で保存。食べるときは塩とハーブ
を加えたスープでさっと煮る。シンプルでいて味わい深く、熱々。凍てつく冬の日の馳走。「パンの耳」と
呼ばれる愛らしい形。ペリメニや漬物の一つ一つにそんな家族の愛が詰まる。これらの料理には必ずあるず
っしり重たいライ麦パン。小麦粉を使ったさまざまなパンが手に入るようになった今でも、主食と言えばこ
れ。サハリンの大地が独特の酸味と香り豊かな味わいを醸し出す。

 ペリメニとライ麦パン

 

 


【SiCでEVカーレースを制す インバーターを30%小型化】

ロームは16年11月8日、「electronica 2016」でプレスカンファレンスを開催し、出展する商品群を
紹介。中でも、時間をかけて説明したのが、SiCパワーデバイスや同デバイスを適用する「フォーミュ
E」への取り組みである。SiCパワーデバイスに関しては同社の第3世代品をアピール。SiC MOSFET
の同世代品は、「ダブルトレンチ構造」を採用した、いわゆるトレンチ型である。従来のプレーナ―型
SiC MOSFETに比べて、同じチップサイズでオン抵抗を50%、容量成分を35%削減できるという。
耐圧650V品として、オン抵抗が17m~120mΩを、耐圧1200V品として22m~160mΩ品を用意する。

SiCショットキー・バリア・ダイオード(SBD)の第3世代品も紹介。こちらは耐圧650Vで、2~10A
を用意する。
「チョッパータイプ」と呼ぶ、SiCモジュールもアピール。SiCショットキー・バリア・ダ
イオード(SBD)とSiC MOSFETを搭載する、フルSiCのモジュール。同タイプの耐圧は1200Vで、定格
電流は120A/180A/3こうしたSiCパワーデバイスの適用先として紹介したのが、電気自動車(EV)のフ
ォーミュラマシンによる世界選手権レースのフォーミュラE(国際自動車連盟が開催)への取り組みで
ある。ロームは、同レースに参戦するフランスVENTURI社のチーム「Venturi Formula E Team」と3年
間の技術パートナーシップを結んでいる。

16年10月9日に開幕したシーズン3から、インバーター部分にロームのSiCパワーデバイスを提供し
ている。この関係で、今回のプレスカンファレンスでは、Venturi Formula E TeamTEAM COORDINATOR
Frank BALDETやレーサーMaro Engelが登壇し、SiCへの期待を述べた。
シーズン3では、SiC SBD
インバーターに搭載した。シーズン2で使用していたインバーターに比べて効率が1.7%改善した上、
2kgの小型化も達成したという。加えて、放熱系の小型・軽量化によりインバーターの体積を30%小
型化したという。次のシーズン4では、インバーター内のSi IGBTSiC MOSFETに置き換える予定で、
さらなる改善を見込めるという。小型化により、配置が自由になり、フォーミュラカーの重心バランス
の調整が容易になるという。軽量化も利点がある。許容される全体の重さはほぼ一定なものの、シーズ
ンが進むごとにバッテリーの容量やモーターの出力は大きくなる。そのため、SiCパワーデバイスの適
用による高効率化での軽量化が、威力を発揮するという(出典:ローム社プレスリリース 2016.10.11
/日経テクノロジー2016.11.09)。炭化ケイ素パワー半導体はいよいよ成熟期に入った。ここ10年の
技術進化は著しい。

以下、参考に2つのローム社の炭化ケイ素パワー半導体関連の最新特許公開事例を掲載しておく。

 Aug. 25, 2016

【概要】

ソース領域13を有する半導体装置1において、ソース領域13に接するように形成されたソース配線
17を、互いに異なる導電性物質であるソース領域13に接するポリシリコン層18と当該ポリシリコ
ン層18上のメタル層20を含む積層構造とする。また、SiC基板2に接するように形成されたドレ
イン配線23を、互いに異なる導電性物質であるSiC基板2に接するポリシリコン層24と当該ポリ
シリコン層24上のメタル層26を含む積層構造とすることで、SiCの結晶欠陥の拡大を防止し、オ
ン抵抗の上昇を抑制する。


図11は、SiCが使用された従来のトレンチゲート型VDMOSFETを有する半導体装置の模式断
面図である。
半導体装置201は、トレンチゲート型VDMOSFETの単位セルがマトリクス状に配
置された構造を有している。
半導体装置201は、半導体装置201の基体をなすN型のSiC基板
202を備えている。SiC基板202のSi面(シリコン面)上には、SiC基板202よりもN型
不純物が低濃度にドーピングされたSiC(シリコンカーバイト:炭化ケイ素)からなる、N型のエ
ピタキシャル層203が積層されている。エピタキシャル層203の基層部は、エピタキシャル成長後
のままの状態が維持された、N型のドレイン領域204をなしている。また、エピタキシャル層20
3には、ドレイン領域204上に、P型のボディ領域205がドレイン領域204に接して形成されて
いる。


エピタキシャル層203には、ゲートトレンチ206がその表面217(Si面)から掘り下がって形
成されている。ゲートトレンチ206は、ボディ領域205を層厚方向に貫通し、その最深部(底面2
16)がドレイン領域204に達している。
ゲートトレンチ206内には、ゲートトレンチ206の側
面214および底面216を熱酸化させることにより、SiOからなるゲート絶縁膜207がゲート
トレンチ206の内面全域に形成されている。
そして、ゲート絶縁膜207の内側をN型不純物が高濃
度にドーピングされたポリシリコンで埋め尽くすことにより、ゲートトレンチ206内にゲート電極2
08が埋設されている。
エピタキシャル層203の表層部には、ゲートトレンチ206に対してゲート
幅と直交する方向(図11における左右方向)の両側に、N型のソース領域209が形成されている。
ソース領域209は、ゲートトレンチ206に沿ってゲート幅に沿う方向に延び、その底部がエピタキ
シャル層203の表面217側からボディ領域205に接している。


また、エピタキシャル層203には、その表面217から、ゲート幅と直交する方向におけるソース領
域209の中央部を貫通し、ボディ領域205に接続されるP型のボディコンタクト領域210が形
成されている。
エピタキシャル層203上には、SiOからなる層間絶縁膜211が積層されている。
層間絶縁膜211上には、ソース配線212が形成されている。ソース配線212は、層間絶縁膜21
1およびゲート絶縁膜207に形成されたコンタクトホール213を介してソース領域209およびボ
ディコンタクト領域210にコンタクトされるニッケルシリサイド層218と、ニッケルシリサイド層
218上に形成されたアルミニウム層219とを有している。
SiC基板202の裏面(カーボン面:
C面)には、ドレイン配線215が形成されている。ドレイン配線215は、SiC基板202にコン
タクトされるニッケルシリサイド層220と、ニッケルシリサイド層220上に形成されたアルミニウ
ム層221とを有している。
ソース配線212とドレイン配線215との間(ソース-ドレイン間)に
所定の電位差を発生させた状態で、ゲート電極208に所定の電圧(ゲート閾値電圧以上の電圧)が印
加されることにより、ゲート電極208からの電界によりボディ領域205におけるゲート絶縁膜20
7との界面近傍にチャネルが形成される。これにより、ソース配線212とドレイン配線215との間
に電流が流れ、VDMOSFETがオン状態となる。


【概要】

SiC電界効果トランジスタ1は、N型ソース領域15とN型ドリフト領域14とがエピタキシャ
ル層11の表面12(主面)に垂直な縦方向にP型ボディ領域13を介して離間して配置された、縦型
MISトランジスタ構造を有する。この縦型MISトランジスタ構造は、エピタキシャル層11の表面
12からソース領域15およびボディ領域13を貫通してドリフト領域14に達するソーストレンチ5
が形成されている。ソース電極26は、ソーストレンチ5内において、ソース領域15、ボディコンタ
クト領域16およびドリフト領域14に接し、ドリフト領域14との間に、ボディダイオード32の拡
散電位よりも低い接合障壁のヘテロ接合を形成している。


 

「アテンション・エコノミー時代」の憂鬱

   Nov. 9, 2016

The future entrusted to Mr. Clickbait President.

多くのメディアや分析家の予想に反して、ドナルド・トランプが大統領選で勝利を収めた。それが意味
するのは、現代が、内容の優劣よりも「注目」を集めることが支持につながる「アテンション・エコノ
ミー」――インターネットに代表される情報発信媒体(メディア)が増えたことで、情報過多の状態が
起こっており、そうした世界では人々の「アテンション(=関心・注目)」が情報量に対して稀少にな
ることで価値が生まれ、交換財となりえるという概念。 関心経済、アテンションエコノミー、Attention
 Economy
。米国の社会学者、ゴールドハーバー(Michael H. Goldhaber)が97年に提唱――の時代にあ
るという。ウェブメディア『Gawker』(日本語版記事)がつくったTwitterボットはイタリアのファシス
ト、ムッソリーニの「羊として百年生きるより、ライオンとして1日生きる方がいい」という引用がト
ランプのTwitter発信し、トランプはそれをリツイートし、千万人以上のフォロワーに拡散させる。のち
にトランプはNBCの「Meet the Press」という番組でそのことについて尋ねられ、
「いい言葉だよな」「誰の
言葉かは知らなかったが、それがムッソリーニだったからといってなんか違いはあるのか?」「いいや
むしろこ
の興味深い引用と結びつけられたいな」「だってあんたらも、この言葉に興味を引かれたんだ
ろ?」と応じている。

 

● コンテンツは「空気」になった

注目を集めることは19世紀後半以来、広告産業として行われていたが、この25年間で、それはすべ
てのデジタル経済の基盤となるものに変わる。この変革の核となったのは、驚くほど低コストでメディ
アを制作、消費できるようになった。科学技術進歩による「デフレーション効果」の計測は喫緊のテー
マであるが、例えば、出版業界は長期不況にあえいでいるが、このことへの研究論文は皆無にある。

初、人々はこの新しい時代を「情報の時代」と呼んだものの、知識を低コストでつくることができれば、
みんなが知識にアクセスできるようになると考えたのだが、実際には、いまでは情報がタダ同然でつく
られ、その相対価値が逓減する。そこで重要になってきたのが、情報を消費してもらうために注目して
もらうこということである

今日、テクノロジーおよびメディア企業は、アプリやウェブサイトの開発に時間を費やし、注目を求め
てしのぎを削っているがビジネスモデルは単純だ。注目を集め、それを広告を通してマネタイズ―「無
料のサービスで収益化する方法」という意味。もとは「金属から貨幣を生み出す」という意味で使われ
ていたが、07年ごろからIT業界で使われるようになった背景には、「当時から無料のサービスが発達
していた」というのがあり。当時は、まだまだ質の高いサービスは有料というのが当たり前という時代
で、ビジネス的に無料で使えるサービスは限られていた。IT業界ではその頃にちょうど「ブログ」や「
動画配信サービス」などといった無料で使える高クオリティなサービスを提供するビジネスの流れが発
生していた。そして、この高クオリティを維持に、自然とIT業界では収益化を意味する「マネタイズ」
が使われるようになる――
と。ほとんどの人は広告をクリックしない、ある程度の人はする(という
ことを彼らは願っている)。その意味では、YahooHotmailの受信箱を、精力剤やビタミン剤の広告で
埋めた初期のスパムメールから対して変わっていない。唯一の違いは、今日ではそのスパムが「コンテ
ンツ」と呼ばれているという。

かつて、「コンテンツ」という言葉は「役に立つ内容」という意味をもっていたが、いまでは「
のようなものだで、芸術、文学、映像、ジャーナリズムの代わりに、空気で満たされている。もはや、
それが「何を語りかけるか」は重要ではなく、大切なのは注目を集めることだけとなる
このダイナミ
クスは、インターネットの世界で勝利を収めたテック企業によって生み出されている。スマートフォン
のホーム画面にあるアプリを思い出してみてほしい。Snapchat、Facebook、Instagram、Twitter,Gmail、Tinder
彼らはあなたに通知を送るたびに、「それは善意だ」「あなたの生活を便利にするためだ」と口では説
明しても、実のところは注目を集めたいだけなのである。Tinderのスワイプ機能やInstagramのインフィニ
ティ・スクロールは、アプリにたどり着いた途端にユーザーを離さないようにするためのデザインとな
る。

● クリックベイトの政治家

トランプはコンテンツの魔術師だ。彼が使うキャッチフレーズを思い浮かべてほしい。「壁をつくる」
「ほら吹きテッド・クルーズ」「胡散臭いヒラリー」。それらは「◯◯をするための裏技」や「このあ
と何が起こるか、あなたにはわかりますか?」といったネット広告の常套句の政治版なのだ。
彼は「
リックベイトの政治家
」だ。16年の初めの2カ月、彼は広告料に換算して2億ドルに相当するメディ
ア露出を果たす。ライヴァルたちの2倍以上である。内容がよかったわけではない。それでもメディア
に出ることは彼を後押ししする。ネットでの荒らし同様に(トランプは間違いなく荒らしの類だ)、
彼は無視されるよりも「ネガティヴな注目」(主要新聞 vs.タブロイ紙)のほうがいいと了解している。

世論分析家のネイト・シルヴァーは、「トランプの人気はメディア主導によるものだ、という考えがあ
ります。その説明は完全に間違っているわけではありませんが、不完全です。それはブームや注目を生
み出すメディアと、世間や候補者の間の複雑な関連性の表層をなぞっているだけです。トランプのよう
な熟練の荒らしが、メディアをどう自分の利益になるように濫用しているかを無視しています」と述べ
ている(以上は、池田純一,
トランプ勝利が示した「アテンション・エコノミー時代」の憂鬱, WIRED,
2016.11.10 を参考に加筆掲載させてもらった)。

そうして考えてみると、一営利企業グループ経営者が、アメリカ合衆国の「国家・社会の共通利益」の
理念・ビジョン・戦略を、既存の巨大企業や団体組織や共和党などの政治家や行政官、あるいは国内外
の民間人の力を借り、集約し打ち出すことができたとしても、議会や既得権益者や国民、あるいは、諸
外国との合意形成がスムーズに行くのだろうかと考えるのは無理からぬことである。



※ クリックベイト(click bait):中身の乏しいWebページだが、ユーザにとって興味深いタイトルを付け
  てユーザを誘導する行為。タイトルと中身は一致しない。タイトルとして全く無関係の写真を付け
    る場合もある。SNSで良く使用され、スパム行為と見なされる(対策: 一部のSNSではシステム的に
    クリックベイトのリンクを検出し削除することを自動で行っている)

 池田 純一 (1965 - )

  ● 今夜の一曲

1967年6年、ポリドールから発売。ヒット曲を連発していた「六八コンビ」が満を持して世に送り出し
たもので、
菅原洋一にとっては、1965年の『知りたくない』に続くヒット曲。ラテンミュージック調(
タンゴなど)が巧くはまった仕上がりとなっている。


 あなたのまつげがふるえてとじて
 なみだのしすくがつたっておちて
 私に芽生えたあなたへの愛

 芽生えてひよわな愛の心を
 やさしくやさしく育てる月日
 やがては私を抱きしめる愛

 その愛が私を育てた愛が
 今は私を苦しめ悩ませるの

 あなたのまつげがふるえてとじて
 なみだのしすくがつたっておちて
 それが終わりのあなたへの愛

 その愛が私を育てた愛が
 今は私を苦しめ悩ませるの

 あなたのまつげがふるえてとじて
 なみだのしすくがつたっておちて
 それが終わりのあなたへの愛
 あなたへの愛

                                       芽生えて そして

                             
詞 永  六輔
                           作曲 中村 八大
                                                     編曲 早川  博二 

 

 

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