Grasshopper Days

映画やドラマ、アニメ等を好き勝手に語るあきなかの日記。
現在宇宙でトレッキング中。

「帰ってきたヒトラー」観て来た!

2016-10-17 22:38:53 | 映画とドラマ語り
びっくりするくらい遅いけど地元でも公開してくれました!「帰ってきたヒトラー」。

これは面白いだろうな~、とは思ったけどまさかこれほどすごい映画だとは思ってなかったです。ちょっと自分的には初体験の面白さがありました。

簡単に言えば、現代にタイムスリップしたアドルフ・ヒトラーが、物まねをしてる芸人だと勘違いされて一躍人気者になっていく過程を描いたドキュメント風映画。


…こうやって書くとコメディ映画のようだけど、酷い毒を孕んだ風刺映画です。
フライヤーに映倫マークのパロで書かれてた
『安心してください。大人には危険ですがお子様には楽しいコメディです』
って書かれてたのがとっても象徴的です。
歴史を知ってる人が観たら怖い映画っていうね…。


何よりドキュメント部分はなんとエキストラじゃなくってほんと普通の通りがかりの人を撮影したってのがこの映画の一番怖いところ。
例えばヒトラーをコメディアンだと思って普通にハイルヒットラーポーズで一緒にミーハーに写真撮ったりする観光客とかですよ!
後から知ったんだけど、後半の居酒屋シーンとかネオナチのシーンとかも仕込みじゃないらしい…ほんと怖いこの映画…。

そんな一昔前じゃ考えられないヒトラーパロも、戦後70年経った今じゃギャグとして受け入れられる…、という危険性がドキュメント仕立てで語られます。


はじめはドキュメント風に撮ってるのも謎で、「なんでこんなバッチリフィクションなのにドキュメント風?」って思ってたんだけど、途中からドキュメント風故にどんどん現実感が増して来て、むしろこの撮り方だからこそ『今この現代で実は似た様な事はもう起こってるんじゃないの?』という怖さに息を飲みます。
劇中での出来事と、現実の自分たちとの考えがリンクして、ところどころでギクリとさせられます。

でも説教くさい歴史映画とは全然違ってて、バンバン笑えるシーンが入るんだよ!ヒトラーものなのに!(もうそれだけで怖いっちゃーこわいけどね)

現実と劇中とのメタな笑い、実はそれそこがこの映画のミソでもあるんですよね。
例えば実際に発売されたこの映画の原作本を劇中でヒトラーが執筆していたり、メルケル首相とかを公然とギャグ要員にしちゃったり、思わず吹き出しちゃった「総統シリーズ」パロとかねw

動画サイトの「総統シリーズ」でおなじみの「ヒトラー~最期の12日間~」の例のシーンのバロディを、真面目なシーンでカットも全部ぜんぶトレースした場面があるんだけど、あの「総統シリーズ」こそまさに『現代ではヒトラーさえも笑いにする』という一例でもあると言う事に気付かせる狙いもあると思うんです。
かくいう俺も一時期「総統シリーズ」を相当数掃討した時期がありました。(駄目人間)

それを劇中でメタにやることで観客に何か気付かせる…という狙いがあったかどうかは分からないけど、確実に笑えるシーンではありました(←ほんと駄目じゃねぇか!)

そのくせ途中で一気に現実に引き戻されるような銃撃シーンが入ったりして、どきりとさせられます。手前が笑いのシーンだっただけに正直あれはリアルに怖い。
時々挿入される、ヒトラーが人民を懐柔して行く方法を計算している顔は、普通のおっさんだと思って観てると手痛い目に遭うような恐ろしさがあります。


しかし正直なところ、ドキュメント風部分以外の、確実にフィクションの部分(ロードムービーなとことか)のストーリーはあって無きが如し。
単純過ぎるほどわっかりやすいベタなストーリーになってますが、あれ以上複雑でメタな構造にしてしまったら本筋がずれちゃうからあれでいいのかな?とも思います。


ネオナチに襲われるヒトラーもそうだけど、現実とは見たままじゃなくて裏腹で出来てるとこがとても皮肉。
ヒトラーを応援してる人は、昔も、(映画の中の)現代人も、自分なりの正義感を持った愛国心あふれる普通の人だってのがまた紙一重の怖さを感じます。
近しい人々が闇堕ちしてくのもリアルに怖い。次は彼女だぞ、という不穏さもたまらない。

もしかしたら同じ敗戦国であり、「総統シリーズ」がどの国よりもUPされてて、どちらかと言えば単一民族で成り立ってきた日本人が一番共感できる映画かもしれないな、と強く感じました。

とにかく私が説明したとこで全然面白さが伝わらないと思うので、是非ご覧になってくだされ!!
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