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真田丸 千利休の切腹

2016-06-27 04:38:23 | MUSIC/TV/MOVIE
NHK大河ドラマの真田丸。
時代考証などはめちゃくちゃで、戦闘シーンもほとんどない。
三谷幸喜の有名タレントをこれでもかと使う演出や、アテ書きは好きではないのだが、この真田丸は面白い。

第25回の今日は千利休の切腹。
千利休は茶道の創設者として現代でも名高い人だが、作品によって悪人に描かれたり聖人に描かれたりする不思議な人だ。
実際、織田信長や秀吉に仕え、政治や行政にもかなり影響を与えた人だが、ここまで実態のつかめない人も珍しい。

「花の慶次」では、キリシタンの理解者として描かれ、

「へうげもの」では、信長暗殺の首謀者として描かれ、

「信長のシェフ」では、堺商人の異端児として描かれ、

「私は利休」では、茶を芸術にまで極めた表現者と描かれる。

どれもに共通するのは、茶を茶道として確立し、詫びや寂びにこだわり、商人であり政治アドバイザーである。
今風に言うとマルチアーティストとか売れっ子プロデューサーみたいなものか。

茶の作法はちょこっとかじった程度で、ほとんど知らないのだが、千利休の「おもてなし」や「美:に対する考え方は感服させられる。
今でこそ、「アート」って言葉で一括りにされるが、花の一つの活け方も、もてなしの仕方や考え方も、茶器や道具の見立て、作法・・・戦国時代の血なまぐさい世の中でこれらを確立して実践していたことは驚きだ。現代の接客業の礎はこの人が作ったと言っても過言ではない。
千利休のすごいところは、茶の場においては、武士であろうと誰であろうと同じであるって考えを貫いたこと。
これがどれほど難しいことかは、今の北朝鮮でこれを言ってると思ってくれたらわかるかもしれない。

だから信長は利休を重用し、乱立する地方豪族や武家・武士から足軽に至るまで、茶の作法と精神を利用して統一意識を図ろうとしたのだろう。
当時は公家(朝廷など)はしきたりや作法がすでにあったが(信長はこれを知らないから明智光秀や細川忠興を重用したという話もある)、武家には作法やしきたりが、各地方によってバラバラだし、価値観もバラバラだったからね。
だから秀吉も、千利休をあれほど重宝したのかもしれない。「内々の事は宗易(千利休)に、公儀のことは宰相(秀吉の弟・秀長)に」とまで言ってたくらいだからね。北野天満宮での大茶会なんて、ほんと今では考えられないくらいの無礼講で、茶の精神を最も表している会といっても過言ではないし。

その千利休に秀吉が切腹を命じる。
「愛娘を秀吉に奥に上げろ(側室にする)と言われ断った」
「千利休が美や芸術にこだわりすぎて秀吉がついていけなくなった」
「商人でもある利休が、特権乱用で私腹を肥やしていた」
「万人平等の考え方とキリシタン擁護が、朝廷などの不平を生んだから」
などなど、いろいろ通説があるが、どれも正しいような気がする。

我こそは秀吉のご意見番であり右腕と思っている石田三成の、嫉妬による失脚というのもある。
今回の真田丸でも描かれてたが、特権悪用で武器商人として私腹肥やしてるとか、利休の意見が常に重用されることに対して、三成が嫉妬してたのは事実だろう。それで大徳寺山門の像がどうたらこうたらっていちゃもんつけて、蟄居させたんだろうというのが定説。これは多分間違ってはいないだろう。

でも、不思議なのはなぜ武士でもない千利休が、切腹という武士のけじめの方法を取らされたのか。
武士というのは刀を差してるとかではない。武士株みたいなものを持ってないと武士と扱われない。誰でもなれるもんじゃないし、武士として緑を食むのなら出陣の際は、人数を集め軍隊という形で参陣せねばならない。
千利休は商人だ。
と言っても、千利休という名前は豊臣と同じく朝廷より下賜された名。(中国の茶の聖人、陸海をもじってつけたとも言われる)
これは朝廷(御所や宮)には町民は出入りできないから、秀吉が官位をわざわざ進言して、当時の上皇か天皇から授けてもらった名前だ。
従って利休はただの商人ではないが、武士ではない。

切腹っていうのは武士としては名誉なことなんだが、千利休が切腹というのはどうも腑に落ちないのよ。
利休失脚に追い込んだ石田三成も、関ヶ原の咎で打ち首だし、新撰組の近藤勇も切腹はさせてもらえてない。なのに、なぜ?
めちゃくちゃな演出や、フィクションを随所に入れる三谷幸喜でさえ、今回、真田丸で利休の切腹を普通に描いてたのがちょっと不満。

誰かこの事実を知ってる人がいたら教えて欲しい。
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1 Comments

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Unknown (ハサカ)
2017-11-26 20:21:23
八咫烏

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