【シリーズ:反日騒動2005(28)】
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何だか4月は「反日」「反日」で明け暮れてしまった観がありますね。総括という訳ではありませんが、不肖・愚鈍な御家人が一連の出来事を通じて勉強させてもらったことも色々あります。その中から厳選すると以下の6項目、といったところでしょうか(※1)。
あ、その前に言っておきますが、今回も邪推満開ですから内容はアテになりません(笑)。
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●背景に党上層部の主導権争い
具体的には対外強硬派を主力とする「抵抗勢力」と胡錦涛派の綱引き。権力闘争というほど血腥い(負ければ失脚するような)ものではないが、政策論争をめぐる主導権争いが今回の「反日」の背景に存在した。反日デモをやらせたのも「当局」(抵抗勢力)なら、反日気運をある程度で抑えようとしたのも「当局」(胡錦涛派)。「反日」はいわば政争の具。昨秋以来の外交的失点の連続(特に台湾関連)で胡錦涛の指導力が低下し、対外強硬派が台頭したことが遠因。
●胡錦涛は主要メディア掌握に成功して主導権争いには勝ったものの、全国に広がる反日デモには無力だった
4月19日の「形勢報告会」(李肇星報告)で胡錦涛派と抵抗勢力との手打ちが行われる前ではあったとはいえ、メディアを動員した「理性的に愛国」「まずは安定・団結」といった呼びかけは全く作用せず、16日の上海や杭州に続き、17日にも瀋陽、深センなど国内十数都市で抗議活動が行われた。抵抗勢力がなお抵抗していたためでもあろうが、胡錦涛派が新聞・雑誌・テレビ・ラジオといった従来型メディアに頼ったのに対し、デモ隊がネットの掲示板や携帯メールなど新手のメディアを利用した点にも要注目。
●デモはいずれも百姓一揆型
つまりは無統制な秩序のないデモ。沿道からの飛び入り参加を歓迎するため、進むほどにデモ隊の規模は膨らむものの、それに反比例して主催者の統制力は失われていく。無統制ゆえに暴徒化しやすいし、何を目標にどのぐらい荒れるのかも予測できない。軍紀の乱れた軍隊のようなもの。たとえデモの主催者が組織的なデモをやるつもりだったにせよ、結果からみればその点については全くの素人だったことがわかる。
●組織者たる「民間団体」は動員力に乏しかった
糞青(自称愛国者の反日教徒)の集まる「民間団体」(抵抗勢力の尖兵)は、中国におけるネット普及度の低さを反映するがごとく動員力に乏しかった。いわゆる「ネット世論」の限界を示したともいえる。組織自体も、例えば1989年の民主化運動における各大学の学生組織に比すれば脆弱で無統制だった。これも普段から顔をつきあわせている訳ではない「ネット」による同志的結合のモロさが出た観がある。
●反日デモはやはり「起爆剤」たり得る
もし組織者に一定の動員力があれば、反日デモが社会への不満を反映した広範な市民による都市暴動、ひいては反政府運動への「起爆剤」たり得ることを示した。ただ今回は「民間団体」が動員力に乏しかったため「プチ暴動」止まり。次こそ励めよ起爆剤(笑)。
●中共当局もかなりビビった
中共当局も16日及び17日に行われた全国的な反日活動に、「反日デモ→都市暴動→反政府運動」という流れになりかねないことを実感し戦慄した。デモを煽る側だったとみられる「抵抗勢力」もびっくり仰天(たぶん)。それでまずは中共政権の維持が最優先ということで、すでに胡錦涛が優位に立っていた主導権争いには急遽「手打ち」が行われ、一応一枚岩となった当局は「形勢報告会」を手始めに「反日気運」の火消しや「反日デモ」における暴徒の摘発(対外的イメージの修復)に躍起となった。
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で、現在はといえばメディアを総動員しての「反日気運」の火消しや暴徒摘発に全力、という段階です。
個人的には一連のデモが当局によってどう位置付けられるかに興味があります。例えば1989年の民主化運動では4月末には早くも「動乱」認定されていますし、6月4日の天安門事件は「反革命暴乱」とより極端なレッテルを貼られました。今回はどうでしょう。実は上海の大手紙『解放日報』(上海市党委員会の機関紙)の論評を「新浪網」が転載しています。
●解放日報評論員:本質を見極め、違法行為には厳罰を(新浪網2005/04/25)
http://news.sina.com.cn/c/2005-04-25/09095742012s.shtml
※「新華網」にも転載されていたのですがなぜかリンク先が削除されていました。
「大量の事実が証明している。最近発生した非合法デモは、愛国的行動でも何でもなく、違法行為なのだ。民衆の自発的な動きでも何でもなく、背後に黒幕を控えての陰謀なのだ。」
……のっけからこの調子で、上海の「四・一六デモ」を非合法行為と認定するだけでなく、背後に糸を引く者のいる陰謀だとしています。
「最近発生した非合法デモは、愛国的行動でも何でもなく、違法行為なのだ」
この一言が全てです。破壊行為だけでなくデモ自体を違法認定ですから、参加者は全員有罪ということになります。……そりゃ全員を逮捕したりはしないでしょうが、そういう位置付けがなされたということです。「愛国無罪」を叫んで練り歩いた連中は、それを愛国的行動ではなく非合法デモと決めつけられ、全員が「有罪」扱いなのです。
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こういう状況ですから、前回書いたように、反日「民間団体」大手の「中国民間保釣聯合会」の会長で珍獣(プロ化した糞青)の代表格である童増も「5月4日・北京」で提出したデモ申請を取り下げていますし、いまや同会自体が反日デモの首謀者(『解放日報』の論評にいう「黒幕」でしょうか)とみられて警察に家捜しされ、事務所からパソコンなどが押収される始末。
反日「民間団体」の一方の雄である「愛国者同盟網」もきょう(4月28日)改めて「自分達はいい子にしています」声明を出しています。この調子だと5月1日あるいは4日に行われるとみられているデモ活動も、流れるかショボいまま制圧されて終わるかのいずれかでしょう。そもそもデモ申請が通るとは考えられませんし、だからといって無許可でやったら反政府運動なんですから。
では事態はこれからどう動くかといえば、とりあえず「反日」自体は一段落して、たぶん意外な方向への飛び火でしょう。プチ暴動を別とすれば今回の反日デモが何かを誘発した形跡はほぼ認められないのですが、どうやら全く別な次元に火の粉が降りかかった様子に思えます。それは何かといえば、ズバリ、権力闘争です。……邪推ですよ邪推。
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何の確証もないのですが(だって邪推ですから)、どうやら党上層部における主導権争いが胡錦涛派の勝利に終わったのに加え、上海の「四・一六デモ」に対する「非合法・非愛国」認定、さらに「中国民間保釣聯合会」が治安当局による家捜しに遭った……ということで私はその気配を感じました。家捜しは一見すると組織を潰すための予備行動のようでもありますが、中共当局はやるなら問答無用ですぐに潰して、関係者一同を即逮捕・即判決となる筈です。
ところが今回は手数をかけています。これは「嫌がらせ」「脅し」の類で、内外に対しては「反日デモをやるとこうなる」という見せしめの意味もありますが、実はそれよりも政治的デモンストレーションの色彩が濃いように思います。
「民間団体」、と常にカギカッコ付きなのは純粋な民間組織ではないからです。政治的保護者が背後に必ずいます。そういう後ろ盾がなければ、一党独裁の専制政権下で政治活動などできる訳がありません。「民間団体」を潰すには、まず政治的保護者を潰すなり抵抗力を削ぐなりする必要があるのです。
今回の「中国民間保釣聯合会」に対する当局の手入れは、同会の政治的保護者が白旗を掲げたか沈黙したか、とにかく後ろ盾になってやれなくなったことを示すものでしょう。「愛国者同盟網」が改めて声明を発したのも似たような理由によるものかと思います。
似たようなケースが、ない訳ではありません。胡錦涛一派が昨年夏、当時なお軍権を手放さないでいた江沢民に引退を決意させるまで追い詰めます。江沢民は確か9月1日付で党中央軍事意員会主席の辞職願を党に出しています。そしてあたかもそれと一蓮托生とでもいうかのように、「愛国者同盟網」が当局によって閉鎖され、「中国民間保釣聯合会」など今回の反日デモでも活躍した「民間団体」4サイトが掲示板閉鎖という「謹慎処分」を受けています。
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たぶん今回も「中国民間保釣聯合会」などは潰されずに残ると思います。潰してしまえば、さすがにネット上での反応は芳しいものではないでしょう。でも胡錦涛政権は目下のところ「ネット世論」を敵に回したくはない様子です。全人代で温家宝がネットの掲示板(新華論壇)への書き込みを見たりしている、と媚びを売るコメントを出していますし(※2)、今回台湾の国民党主席・連戦が南京を訪れた際、江蘇省のトップで胡錦涛派でもある李源潮・省党委書記も会見の席上、
「出る前にネットユーザーの反応をみてきたところです。みんなあなたの訪中を喜んでいる。私は個人としてだけでなく、中国のネットユーザーをも代表して歓迎の意を表します」
とわざわざ言っています(※3)。「民間」の先走りは面倒なので、とりあえず牙を抜いて言論統制の檻の中に放り込んでおく、といったところではないでしょうか。飼い馴らすことができれば便利に使える道具ですから、必要なときに檻から出して掌の上で吠えさせる。まあ抵抗勢力なら煽るだけでいいのですから簡単でしょうが、統治者としては掌の上で踊らせたいが先走られても困る、ということで、そういう「珍獣使い」の域に達することは容易ではありません。以前よく引き合いに出した、
「外角低め、ストライクゾーンギリギリのところでボール1個分の出し入れ」
という芸当が必要になる訳ですが。……まあそこまで飼い馴らす気があるのかどうかはともかく、ひとまず檻に入れておけというところかと思います。
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「民間団体」に対する当局の動きから権力闘争説を引っ張り出してくるというのは無理があるのは自分でもわかっています。まあ邪推ですから(笑)。
ただ、流れは胡錦涛にとって追い風であることは確かです。それも半年ぶりくらいの好機でしょう。対外強硬派を押さえ込み、反日デモが反政府運動へと発展する芽を摘み取った。反日デモに関して日本には謝罪していないし、日中首脳会談でもメンツを保った。本当の火種である台湾問題も、いま連戦が訪中してきており統一を期待するムードが中国の側では醸成されつつある。少なくとも「台湾独立」に向かう流れでないことは確かでしょう。となれば対外強硬派も胡錦涛に文句を言う必要がなくなる。
どこまでこの流れに乗れるかは未知数ですが、胡錦涛にとって邪魔な連中から完全に発言権を奪ったり、あるいは更迭したりするには絶好のチャンスではあります。要するに統制力を高める千載一遇の機会なのです。
そして上記『解放日報』の論評にある、
「最近発生した非合法デモは、愛国的行動でも何でもなく、違法行為なのだ」
……と、反日デモ自体を愛国的行動ではないとし、違法行為としたこの部分です。
もう少しはっきり言いましょうか。場所も他ならぬ上海ですから、胡錦涛が江沢民に喧嘩を売っているようにみえるのです。あるいは「御老人、火遊びもいい加減になされませ」と脅しているようにもみえます。
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だから、いま現在展開されているのは主導権争いではなく、権力闘争。少なくとも機関紙に出ているのですから上海市党委員会はその線でまとまったのでしょう。それを「新華網」が転載しましたが、これが中央の見解になるとすれば、事態はいよいよ剣呑です(笑)。外交部報道官の言っていた「市民による自発的な行為」云々まで否定されてしまいます。
あるいは、江沢民が総書記時代に打ち立てた価値観の一部に、相当な修正が加えられる事態も出てくるかも知れません。修正というより否定というべきでしょうか。『解放日報』の論評からしてそれに近いものなのですが。
今回の「反日」騒ぎを奇貨として、胡錦涛が戦機をうまく捉えて政争を制し、その余勢を駆って政権を自分の色で染め上げるべく本格的に動き出した。……まあ例によって出鱈目な邪推ですから、皆さんお気になさらずに。
江沢民も回顧録を出せるうちに出しておいてよかったですね。そのうち発禁になったりして(笑)。
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【※1】他にも色々あります。例えば当初は「ネット署名」だった反日活動が、「抵抗勢力」(私見)が「新華網」を通じて「右翼教科書支援企業一覧」など強力な燃料の投下を行って反日気運をヒートアップさせ、活動も「ネット署名」からより過激な「街頭署名」「デモ」が主流になっていった。……私でもわかる「政略」を見せてもらったのは嬉しい限りでした。
【※2】http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-03/14/content_2694812.htm
【※3】http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-04/27/content_2882340_1.htm
→反日騒動2005(29)へ
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引用されている解放日報の記事はこれですよね。私も読みかえそうと思ったら、現在(29日1時)全部リンクデッドになってるような。これは江沢民派の仕業ですか。
http://cn.websearch.yahoo.com/search/web_cn?stype=&p=%C8%CF%C7%E5%B1%BE%D6%CA+%CE%A5%B7%A8%D1%CF%BE%BF&scch=on&ei=gb
確かに私が本文で引用したリンクを含めて、本当に全部削除されてますね。
ただquarellisuteさんが検索した中でいちばん上の記事はキャッシュが残っていました。
しかし削除とは……一体何があったのでしょう。
うーんこれはやはり政争の香り?
352 :<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん :2005/04/27(水) 13:50:27 ID:NGGL8wVW
上海の解放日報、反日デモを「悪意ある陰謀」と論評[04/25]
解放日報評論員:認清本質 違法厳究 (約390字)
http://www.jfdaily.com.cn/gb/node2/node142/node200/userobject1ai888779.html
ニューヨーク・タイムズ(27日付)
http://www.nytimes.com/2005/04/27/international/asia/27china.html
中国指導部の少なくとも一部は、反日デモが反党陰謀だとの印象を与えようとしているようだ。
デモを放置すれば(民衆が)真正面から党に挑戦する、と当局者が恐れているのはあきらかだ。
解放日報の社説は党上海市委員会の指令にもとづいているが、陰謀の黒幕や方法を名指ししていない。
ただ、あいまいな言葉はふたつの可能性を示している。デモが反体制グループに乗っ取られたの
かもしれないし、党首脳が内部抗争にデモを利用しているのかもしれない。
私のブクマ
http://b.hatena.ne.jp/informalattract/
に貴サイトを入れさせていただいていいでしょうか?
台湾海峡ににミサイルを撃ち込んだのは、
軍部(軍閥)と江沢民の争い(軍部の勝ち。江沢民は屈服して「軍服」で軍部を激賞)
内部争いで周辺国を利用する(関係のない他人の足を引っ張る)事はよくあることだそうです。(岡田英弘氏の本より)
一番最初の教科書問題(朝日誤報事件)の時もそうです。
あの時日本は謝ったので、中国人は「教科書と言えば金がもらえる」と学習しましたが。
これからは誰が主導したかが問題ですね。
胡錦涛vsX
NYTも注目するニュースだったのですね。いやあの論評、それに値するはじけっぷりでしたから。
>デモが反体制グループに乗っ取られたの かもしれないし、
>党首脳が内部抗争にデモを利用しているのかもしれない。
私は後者の説をとる者ですが、それはともかく、あの激烈な文章が江沢民の牙城である上海から飛び出して、しかも中央のメディアに転載されたものの削除ですからね。複雑怪奇なエピソードが潜んでいそうです。
こちらとしては全く問題ないのでどうぞ。私の方がお礼を言わないといけませんね。有難うございます。
ともあれ、お互い頑張りましょう。
結局、江沢民のときもそうでしたが今回の胡錦涛も軍部を仕切れずに苦労しているんでしょうね。「反日」と言いながら、これは台湾問題などへの不満表明だと思います。
人民解放軍の機関紙『解放軍報』を見る限りでは一応胡錦涛のスタンスに足並みを揃えつつあるようです。台湾問題も本文で触れた通り中国からみるといいムードですし。
でもこれが「燃料投下」で再び状況が一転する可能性もありますからねえ。
ナチス並みに反日暴走してて玉砕寸前の韓国を反面教師とすれば、それもあり得ますね。
素人目にも中共指導部の慌てぶりは明らかで、もはや日本のテレビメディアでも中共の内部闘争が言及されるようになってしまいました。
それにしても、このところ一連の反日デモが江沢民派の影響力の最後のあがき、断末魔だったとすれば、中華分裂が少し遠のいたことになり少し残念です(w)
特にアメリカを筆頭とする欧米のメディアが、小泉首相のAA会議での謝罪に反応するかたちで一挙に「中国はそろそろえぇ加減にせいや」論調に傾いたのも、胡錦濤が勢い付いた理由でしょうか。
しかし胡錦濤が元気を取り戻しても、アメリカ政府が中国の「反国家分裂法」に大きく失望していること、不動産バブルの限界点をもはや超えて(すでにマンション等の不動産価格が東京以上ですから)ることなども考えると、内憂外患は臨界点に近付いているのでしょうね。
僕は中国政府はオリンピックまではバブル崩壊は意地でもさせないと踏んでて、温州商人の闇金融の力に底上げされ、最終的に人民元切り上げになっても不動産の国家収用という暴挙に出ることを期待してます。
この温州系の資本は、韓国政府と一緒に北朝鮮への投資も活発に行っているようで、日本やアメリカにとっては、もっと注目されていいですね。
あと、もちろん収入格差による不満増大、それから中国のいわゆる「資源ナショナリズム」の台頭も見逃せませんね。
28日付の香港紙「明報」は、中国の警察当局が反日団体「中国民間保釣(尖閣防衛)連合会」の複数のメンバーを北京と上海で拘束したと報じた。当局は連合会の北京本部などを14~25日まで3回にわたって捜索し、パソコンなどを押収したという。
↑
を、最近読んで驚いたのですが(遅い)、在米華人が中華人民共和国の内部対立を巧妙に煽る、という謀略は可能なんでしょうか。
日本に屈するわけにはいかないし、大規模デモは怖くて起こせないしという状況で、胡錦涛はいかなる手を打ってくるんでしょうか?
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2005042901000094
まぁ取り合えず言ってみただけでしょうけど、韓国が妄言を叩くのとは訳が違うw
けどいざって時は日米で北京五輪ボイコットなんてなったら面白いなw
「1990年代半ばにトウ小平の影響力が衰え、1997年2月に死去すると、北京では寡頭政治化が進んだ。毛沢東とトウ小平が樹立した皇帝的統治が終わったことは、マイナス要因ではない。しかし、求心力がなくなったことで官僚機構はさらに弱体化した。今では中国の政治化や学者にも、この国の政治権力と政策決定権がどこにあるのかがわからない。政治局の常務委員会にも、国務院にも、首相直轄の弁公室にも、中央や省の高級幹部を育成する中央党学校のような組織にも、中枢と言い切れる場所はない。喧嘩腰は弱さの裏返しなのだ。…」
モスクワ・オリンピックのボイコットでは選手の
方が大変つらいめにあったようですので、ぜひ、
オリンピックは粉砕して頂く方向でお願いしたい
な、と。
中共はアメリカで華僑のデモを起こしてます
し、工作資金をつぎ込んで華僑を動かすのでは
ないかと思っているんですが、いかがなもので
しょう?
http://www.foreignaffairsj.co.jp/top_Kristof.htm
「われわれは日本人を殺すつもりだ」と言っていた時期は御家人さんが中国にいたときですよね。若い世代の反日は教育のせいだ、といわれますが、元々日本人が嫌いなんですね。
ニコラス・D. クリストフの『新中国人』にいかに中国人が日本人を嫌っているか書いてあります。
『日中共同声明』など3文書を異例の掲載
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20050429/mng_____kok_____002.shtml
ちょっと読みたいと思いました。w
すでに閉鎖されているのもあり。
当局もすべては管理できないから
いろいろな情報が残ってる可能性あり。
ブログは中国語で博客なのかw
ttp://blog.3326.com/more.asp?name=dzt0001&id=2720
反日はまあ国是のようなものですから、なくなることはないでしょう。ただ外交面でもそうですが、教育面でも反日度のレベルダウンが行われると思います。
いままでに胡錦涛が展開した政治キャンペーンなどを観ずるに、「愛国主義教育」といっても反日一辺倒ではなく、むしろ「雷鋒に学べ」「贅沢は敵だ」といったタイプの、いわば風紀粛正の面に力が入れられているように思います。昔むかーし「反ブルジョア自由化」というのがありましたが、それに似たもので、物質分明に傾く風潮を一喝することに重点が置かれるように思います。
これは胡錦涛自身の好みでもあるでしょうが、中国社会が「反日」で踊るほどの体力を残していないということもあるでしょう。「反日」を叫んでも生活は改善されませんからね。今回反日デモが全国に広がるにつれて中共当局が慌てて政争の鉾を収め、全力で火消しにかかったのが何よりの証拠です。
ただ今年は何たら60周年なので別です。それを記念したキャンペーンは打つでしょう。そして、その横面を靖国参拝で平手打ちにひっぱたかれて面子を潰されるように思います(笑)。
いずれにせよ、政策転換は胡錦涛の掌握度がどこまで進むか次第です。いま成り行きでその好機が到来しているように思います。あとは胡錦涛がどれだけ機を捉えて働けるかですね。
あと、権力闘争や主導権争いにおいて、胡錦涛一派vs抵抗勢力と私は書きましたが、抵抗勢力=江沢民派と単純に捉えていいものかどうか。こういうことは表に出でこないのでわかりにくいのですが、胡錦涛派、江沢民派という勢力があるとすれば、最低でももうひとつ別の政治勢力があるような気がします。
これは前回教えて頂いたサウスチャイナの記事と同じニュースですね。前にも書きましたが、「反日団体」の中の尻尾きりでタイーホされるメンバーは出てくるかも知れませんが、組織自体は潰されずに残るだろうというのが私の見方です。
内部対立といっても色々でしょうが、中国国内の一政治勢力の保護下にある「民間団体」を支援したり、アイデアを授けたり、また今回のネット署名活動のように自らある種の空気や勢いを醸成することはできるでしょうし、実際にやっています。
「民間団体」がそれで勢いづいて動き出せば、政争のタネになることもあります。操るという程ではないでしょうが、ある一派を支援することで当局内に対立状況を生み出すことは決して不可能ではないように思います。
外交のことは私にもわかりませんけど、今回の「反日」の決着ぶりからみて、国連改革を別にすれば、しばらくは胡錦涛政権が対外的に大きなアクションをとることはないように思います。もちろん相手方に燃料を投下されれば別ですけど、そうでなければ内政(というか権力掌握)に力を入れるのではないでしょうか。
ああ、香港の尖閣奪回運動組織が5月末に現地へ船を出す予定でした。上陸を狙うそうです。これは火種になるかも知れませんけど、「民間団体」の牙を抜いておけば胡錦涛としては大丈夫のように思います。
五輪開催の資格を問うような、こういう決議案が出ること自体が異常です。胡錦涛は内にも外にも小姑がたくさんいて大変ですね(笑)。
妄言を許されるなら、ボイコットは選手が可哀想です。北京五輪は来年時点で開催不能となって、代替地は東京。日台共催ならもっといいですね。中国人は泣いて悔しがるでしょうが国破れてサンガリア(古っ)だから仕方ありません。せめて猿回しの猿並みに働いてもらうのみです。
私見ですが、本当に皇帝といえたのは毛沢東だけだと思います。トウ小平は80年代後期には最高実力者とされていましたが、基本的にはバランサーです。現に二人の総書記(胡耀邦と趙紫陽)を保守派の攻勢で更迭せざるを得ませんでした。趙紫陽は1989年の天安門事件(六四事件)で辞職に追い込まれていますが、前年秋の段階ですでに総書記たる主導権を保守派に奪われていましたから。
オリンピックは来年中に北京五輪が吹っ飛べば、代替地で何とかできるのではないでしょうか。
あ、それから情報有難うございました。条約文等、早速保存しました。中文版がなかなか手に入らなかったので重宝します。
江沢民時代に入ってからの若い世代は生来の反日感情が「愛国主義教育」「反日キャンペーン」でひときわ磨きあげられ、それを抑制することもできなくなっています。ですから教育のせいだ、というのも一理あると思います。先天的ともいえる反日感情が教育で増幅された、というべきでしょう。
それから、どの国にも基地外はいます。それと革命家のような独特の傾きを持つ人間もそうです。リンク先の被取材者はそういう類型に属する一人かと思います。そういう例のみを集めたものを以て云々するのは私と同世代の中国人が可哀想です。
>この中国人のブログに反日HPや掲示板のリンク先が貼り付けてあります。
これは重宝しますね。
だいたいこのブログ自体が「苛めて下さい」と私たちに訴えているようにも思えます(笑)。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。