旧正月の連休が終わりました。中国本土発のニュースも倍増して通常に復しています。
御法度の記事漁りを連休中から復活させているので、ちょっと戦々恐々です。医者どもにはもちろん内緒。情報収集をやっていないと、本来の当ブログのスタイル(=私にとっての娯楽)に戻れませんので。
「今度本格的な入院になれば、もう戻れないと思って下さい」
などと脅されていますが、なーに私が担うべき役目が終わるまでは死ぬことはないでしょう。天意かくのごとしであります。
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ところで、中国について巷間では「二月危機」という言葉が出回っていることを最近知りました。
あとは、
(1)昨年12月の中央経済工作会議で打ち出された経済政策の実効は如何。
(2)主要先進国の景気後退のあおりで工場がバタバタと潰れて失業し、早めに帰郷した出稼ぎ農民たちが旧正月明けにどう動くか。
(3)出稼ぎ元の地元政府の雇用機会創出はどうなるか。
(4)「官」による不公正の被害者たちによる陳情・デモ・スト・暴動の状況はどうか。
(5)「官」による不公正に対する各種抗議活動に、「08憲章」の影響がみられるかどうか。
といったところに個人的には興味があります。
と、当面のポイントとして以前ここで書きましたが、報道によると、「二月危機」は主として「失業者の不満爆発→暴動→大暴動」という素敵なwktkシナリオのようです。上でいう(2)(3)、さらに(4)が絡んでくる、といったところでしょうか。
昨年末、このブログのどこかで書いたと思いますが、党中央は威信にかけて、各種抗議活動を全国各地での散発状態にして早めに芽を摘み、旧正月までの「安定団結」を演出するだろうと私は考えていました。
治安当局による北京五輪時の超厳戒態勢が五輪終了とともに一時緩みます。実際に緩んだ訳ですが、そこへ来てある程度覚悟していたバブル崩壊に加え、予想だにしなかった世界金融危機。米国の不景気のあおりで注文が激減し、沿海部の労働集約型工場がバタバタと潰れたり夜逃げしたりしました。
言わずもがなですが、大量の失業者が発生。実数がどのくらいあるのか正確には把握できませんが、恐らく工場レベルで万単位が消滅しているでしょうから、最低でも百万人以上の出稼ぎ農民が蜀を失ったことになります。
そのためこうした「突如失業者」は早めに帰省するなどしていたのですが、旧正月明けとともに再び職を求めて広東省など沿海地区に我先にと殺到しています。旧正月の元日である1月26日を「明けましておめでとう!」と祝ったかと思うと、翌日には出稼ぎに出発する慌ただしさ。
治安当局にとっては緊急事態です。とりあえず新年気分が充溢して剣呑な雰囲気が落ち着くであろう旧正月までは、という心構えで臨んでいたことでしょう。いま、旧正月が終わって人心が再び不穏になります。政治の季節となる3月を前に改めて気を引き締めることになります。
大丈夫なんですかねー。昨年3月のチベット問題以来、ほぼ臨戦態勢を続けているのですから、治安力すなわち中共政権の統治力(中国は一党独裁制で人民解放軍も武装警察も所詮は中国共産党の私兵ですから)には相当な負荷がかかり、一党独裁制を維持する「体力」も相当消耗したことでしょう。
ところが2月から改めて、しかもより強く引き締めるとなると、二月に何事がなくてもいつかスタミナ切れとなるでしょう。このボディブローがいつごろ顕在化するかがポイントです。
こうした「官」の状況に対し、陳情・スト・デモ・暴動などを展開している「民」の側も、いまは散発的ながら、時間が経てば少しずつ地域を超えた連携が進みかねません。反発力は次第に高まっていくことでしょう。
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個人的には、「二月危機」なるものに私は懐疑的です。いかに失業者が暴動を起こそうと、現時点では有機的な連携が未だ不十分。各地でバラパラに火花が散ることになりますから、「官」の側は現有体力を以て各個撃破は難しくないのではないかと思います。例の「08憲章」が浸透するにしてもまだ時間的に余裕がありませんし、浸透してから連携が成立するまでにはもっと時間がかかります。
……というのは日本から眺めていての印象なのですが、現地の空気はまた違ったものがあるかも知れません。有志のレポートに期待しております。m(__)m
ともあれ、正月休みを早めに切り上げて内陸部の出稼ぎ農民が沿海部へと戻り始めているのが現状です。状況が状況ですから、多くは悲壮な覚悟で、つまり職にあぶれる可能性を織り込み済みでUターン列車へと乗り込み、何波もの人津波がいま、発生しているところです。
悲壮な覚悟は剣呑な社会状況のタネとなります。受け入れる方だって迷惑なことでしょう。このあたり、どういう展開になるか興味があります。例えば広東省。求人は激減しているのに、また出稼ぎ者が押し寄せてきています。迷惑なことでしょう。失業者が増えれば街の空気も変わりますし、それがまとまってスラム街などを形成するといよいよ不穏。
現地の報道によると、広州駅では例年より早く、1月31日から出稼ぎ農民が激増しているようです。その31日に広東省だけで50万人が押し寄せています。
●「南方日報→新華網」(2009/02/01/09:30)
http://news.xinhuanet.com/local/2009-02/01/content_10743672.htm
そうでなくても広東省は乱世の雄になる資質十分のトップである汪洋・省党委員会書記が、その鉄腕ともいえる強引さで労働集約型からの脱却を目指しているところです。産業構造の転換に、具体的には労働集約型から脱却して技術集約型へとランクアップさせるため、今年は9億元を財政から割く予定。輸出頼みという構図は変わらずで、グレードアップで国際競争力を強化する、という肚である模様。
●「新華網」(2009/01/31/19:45)
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2009-01/31/content_10741387.htm
こういう広東省にとっては需要をはるかに上回る出稼ぎ農民の来襲にさぞや困惑していることでしょう。
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「このあたり、どういう展開になるか興味があります」
と書きましたが、簡単にいえば沿海部に出てきてはみたものの仕事の見つからなかった失業者がどうなるか、という点が第一。さらに重要かも知れないのは、雇用機会創出に伴う地域間の確執が生じるかも、ということです。
だってそうでしょう。例えば広東省にしてみたら、たたでさえ失業率が高まっているのに、四川省や湖南省や雲南省などから必要以上の出稼ぎ農民がやってきます。全員に職をあてがうなんてことは孔明様にも無理。
というより沿海部への人津波は壮大なる孔明のワナ?……という与太はさておき、例えば広東省にしてみれば、出稼ぎ元の四川省や湖南省や雲南省に対し、
「お前ら自分のところで少しは手当てしたらどうなんだ!」
と言いたくもなるでしょう。むろん、就業機会の創出が困難なために出稼ぎに行く訳ですが、だからといってこちらに来られても求職>求人状態は変わりませんから、社会不安の一因を押しつけられるようなものです。
一応、見通しとしての数字を出しておきましょう。業界団体である香港工業総会が明らかにしたところによると、香港系企業の中国本土における工場の受注量は40%の激減。倒産倒産また倒産の波は2〜3月も続く見通しとのこと。
2009年中にその数は万単位に達し、百万人以上の労働人口が失業人口へと一変するとのこと。潰れていない工場も3月初めまで操業を停止する予定のところが多い模様です。この間、その従業員は雇われていても給料が出ない境遇に置かれます。
業界別にいうと、アパレル、電子部品などの工場が10%〜40%の受注減となり、玩具、時計などの製造業者は特に大打撃だそうです。
これ、あくまでも香港資本に限定した話ですからね。
●「信息時報」→「新華網」(2009/02/01/11:11)
http://news.xinhuanet.com/fortune/2009-02/01/content_10744631.htm
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要するに今月は出稼ぎ農民たちにとっての悲劇が多数発生する可能性があり、各地方当局もそれに対し十分手当てできない状況となるでしょう。
とはいえ前述したように、「二月危機」というまでの事態にはまだならないのではないかと。大暴動が発生するにしても不満の鬱積や連携の成立など、多少時間がかかりますから。
ただ前兆としての諸現象は群発することでしょう。2月はそれを仔細に眺め、ひとつひとつの案件を丹念に吟味する必要があるかと思います。
むしろ暴動より権力闘争の火種となる線の方が可能性としては高いような気がするのですが。
「こういう状況に立ち至ったのは、政権運営がお粗末だからだ!」
という声が胡錦涛政権に対する「抵抗勢力」(例えば既得権益層)あたりで強まっても不思議ではないでしょう。
ともあれ、党中央は不測の事態に備えて相当緊張している模様です。2月に入った途端、不穏な社会情勢と先行き不透明な経済状況、さらに超格差社会という現状を前提に、「安定・団結」を「民」に呼びかけ、「官」に対しては「断じて気を抜くな」といった督戦書のような重要論文が相次いで発表されました。
治安部門を引き締める周永康・党中央政治局常務委員や経済担当閣僚の馬凱・国務委員などがそれぞれの職分に応じた厳しい論文を発表していますし、胡錦涛も人民解放軍の掌握を急いでいる様子。
●「求是」(2009年3月号)
http://www.qsjournal.com.cn/qs/20090201/GB/qs%5E496%5E0%5E1.htm
●「求是」(2009年3月号)
http://www.qsjournal.com.cn/qs/20090201/GB/qs%5E496%5E0%5E2.htm
●「新華網」(2009/02/01)
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2009-02/01/content_10746848_1.htm
いずれも「戒厳令のつもりで励めや」というニュアンスで共通しており、党中央の危機感が察せられます。足並みを揃えるようなこの種の重要論文の公開は、2月が1月にも増して厳しい社会状況になるという認識の表れなのかも知れません。
ひとつだけ気になったのは、胡錦涛の軍高官を前にした重要講話の中に、
「一部の部隊で程度の差こそあれ、統率不十分の状況がみられる」
とわざわざ言及していることです。実戦部隊が鉄砲玉となって東シナ海や南シナ海方面、あるいは台湾海峡で勝手に悪戯をしている、ということなのか、駐屯地の地元当局と結託し半ば私兵化している、ということなのか、あるいは別の事態なのか、ともあれそういう状況が現在目につくことから胡錦涛がわざわざ念を押すように指摘したのでしょう。
やはり気が抜けないのです。
そんな中、温首相がダボス会議で参加後、英国訪問中ですがチベット弾圧抗議デモを掻き消すかのように、お前等どんだけ動員してるんだよ?と言いたくなるような大規模な在英中国人による爆竹付きの熱烈歓迎の一方、講演中に靴投げつけられるは(遠すぎたのか投げ方が下手過ぎたのかブッシュの時みたいにいかなかった)まあ良くも悪くも話題になっているようで…
おまけに倫敦は今、18年ぶりの大雪だそうでほんと此れはなんかの啓示ですかねぇ
推定失業者数2千万というニュースのほかにも、件の広東では農地収容裁判の関係で弁護士達が裁判所に抗議署名を出した、というニュースがありますね。
CCTVボイコットに続いて08憲章っぽい動きだなぁ。
「中国に社会正義を」 弁護士511人が抗議 集団で権力に対抗
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090202/chn0902022103002-n1.htm
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