日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





「上」の続き)


 さて、このニュースが大手ポータル「新浪網」(sina.com)のニュースサイトに掲載されたのは翌12日の朝。
「広安の幼児が広安の幼児が誤って農薬を飲み死亡」というタイトルで、記事内容もほぼ同じです。

 ……が、ただ一点、「上」で紹介した当局発表第一報では、

「遺族が死亡に至る経緯に疑問を呈したため、広安市党委員会、広安市政府はこれを極めて重視し……」

 となっていたのが、

「遺族が死亡に至る経緯に疑問を呈し、
また過激な行為を誘発したため、広安市党委員会、広安市政府はこれを極めて重視し……」

 ……と、何やらひと騒ぎあったことを想像させるものとなっています。さすがに暴動について頬被りはできなかったのでしょう。そして、これが現在に至るまで当局発表の定番となります。

 ●「新浪網」(2006/11/12/07:59)
 http://news.sina.com.cn/o/2006-11-12/075910474561s.shtml

 ●「南海網」(2006/11/12/10:14)
 http://www.hinews.cn/news/system/2006/11/12/010044690.shtml

 ●「深セン新聞網」(2006/11/12/13:50)
 http://www.sznews.com/news/content/2006-11/12/content_530763.htm

 ●「今視網」(2006/11/13/08:29)
 http://www.jxgdw.com/jxgd/news/sw/userobject1ai683380.html

 ●「国際在線」(2006/11/13/09:59)
 http://gb.chinabroadcast.cn/8606/2006/11/13/106@1299561.htm

 ●「中国経済網」(2006/11/13/10:37)
 http://www.ce.cn/xwzx/gnsz/gdxw/200611/13/t20061113_9394027.shtml

 ●「中国広播網」(2006/11/13/14:44)
 http://news.sina.com.cn/c/2006-11-13/144410485178s.shtml

 ――――

 ところが、「上」で紹介した香港紙『星島日報』のように、香港やシンガポールの親中紙『大公報』『聯合早報』の電子版では「官民衝突があった模様」「死者が出たとの報道も」といったニュースが流れています。これは中国本土からアクセス可能なサイトだったと思うのですが……とりあえず以下の記事が見当たりました。

 ●四川広安で官民衝突が発生した模様(聯合早報網 2006/11/12/11:35)
 http://www.zaobao.com/special/realtime/2006/11/061112_12.html

 ●四川当局は病院の「まずは診療費全額払え」を否定(聯合早報網 2006/11/13/06:00)
 http://www.zaobao.com/special/realtime/2006/11/061112_34.html

 ●四川で官民衝突、死者4名との報道も(聯合早報網 2006/11/13/08:32)
 http://www.zaobao.com/zg/zg061113_509.html

 ●四川広安で官民衝突、省政府が専門調査チーム派遣(大公報 2006/11/13/08:57)
 http://www.takungpao.com:82/gate/gb/www.takungpao.com/news/06/11/13/ZM-649932.htm

 ただ『大公報』電子版では「四川広安で官民衝突か」「死者が出たとの報道も」など数本の記事が削除されていました。

 ――――

 今回の暴動に関していえば、広安市当局の対応のマズさが騒ぎを大きくしてしまったように思います。

 遺族の陳情を拒んだことではなく、警官、防暴警察、武警と治安部隊を小出しにしたため、出動した部隊が現場に着くなり各個撃破されてしまうという、いわゆる「兵力の逐次投入」というタブーを犯していることです。

 さて、冒頭で「都市暴動のセオリーともいうべき形を踏んでいる」としたように、今回の広安都市暴動は過去の都市暴動との共通点がいくつも見当たります。簡単にまとめると、

 (1)衆人環視のもと、社会的弱者が党幹部や富裕層から不条理に虐げられる
 (2)野次馬が憤激し、怒りが暴動へと発展する

 という展開です。今回は「死亡したのが幼児で両親が出稼ぎにでるような決して裕福ではない家庭」という弱者に対し「カネ優先で患者を見殺しにした鬼畜な病院」「被害者の陳情に耳を貸さなかった地元政府」が加害者、という構図になっています。

 重慶市・万州区暴動(自称幹部が日雇い労働者に暴行)、安徽省・池州市暴動(病院長の乗った車が中学生に接触、負傷した中学生が抗議したところ病院長の用心棒に暴行される)がよく似たケースといえるでしょう。

 ●速報:重慶で暴動発生!(2004/10/19)
 ●重慶暴動に思う(2004/10/20)
 ●続々・重慶暴動(2004/10/21)
 ●重慶暴動の真相(2004/10/28)
 ●来ました都市暴動!失地農民の都市版も。(2005/06/28)

 暴動に発展するエネルギー源は何かといえば、まずは弱者への同情があるでしょうが、それよりも大きな要素として「官」の横暴に対する反感や怒りがあるかと思います。これは党幹部や富裕層が普段から偉そうに振る舞っていることに対する反発が蓄積されたものなので可燃度は高いです。

 もう一点あげるとすれば、積もり積もった鬱屈をひと暴れして発散させたい、といったところでしょうか。

 ――――

 これとは別のパターンもついでに挙げておきますと、「種族衝突」(湖南人vs広東人など)が都市で発生するケースです。

 ●速報:広東省東莞市で暴動発生!(2004/12/26)
 ●広東省東莞暴動(2):当局公認バージョン(2004/12/28)
 ●湖南省で住民同士の衝突が暴動に、武警発砲で死者100名?(2006/08/07)

 こちらは出稼ぎやダム建設などによる移転でよそ者がまとまって住み着くようになることで元々の住民との間に反目が生じるパターン。

 いずれも改革・開放政策が生み出した新事象といえるかと思いますが、今回それが同政策の設計者かつ推進者だったトウ小平の故郷で起きてしまったのは皮肉としかいいようがありません。




コメント ( 9 ) | Trackback ( 0 )



« 都市暴動の王... 中国社会の縮... »
 
コメント
 
 
 
同じパターン (アドレス)
2006-11-14 22:15:45
引用の部分…
台湾の「二・二八事件」との経過と酷似に驚きを感じます。

【簡単にまとめると、
(1)衆人環視のもと、社会的弱者が党幹部や富裕層から不条理に虐げられる
(2)野次馬が憤激し、怒りが暴動へと発展する
 という展開です。】
 
 
 
虎の威を借る狐ども (アドレス)
2006-11-14 22:28:49
【「新浪網」(sina.com)】

石原慎太郎が「シナ」と言うと、「蔑称だ、蔑称だ」と空騒ぎしていた馬鹿マスコミを思い出します。
御本尊が己の夜郎自大に気付いた事に気付いたら…
そっと迎合するマスゴミどもの卑劣さ。

まさに「羽織ゴロ」ですね。
謙遜で「羽織ゴロ」と自称する「産経」はともかく…
「朝日・毎日・東京新聞+共同通信」の「民度の低さ」は救い難い。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2006-11-14 23:31:08
今回の暴動で少し気になった部分があるのですが、中国の高校生あたりは三国志や水滸伝に出てくるような英雄をどう捉えているのでしょうか。
「義憤」「義挙」「義賊」の類です。
共産党員と金持ち以外の人民を豚扱いする連中に対して、民主化・・・というより、「こりゃおかしいんじゃねーか?」と単純でストレートな気持ちこそが凄まじいエネルギーを生み出すのではと思うからです。
エリート・知識層による中国の改革は天安門事件以降挫折したようですが、もっとこう・・・無秩序でアナーキーな中国の未来が見えてきた気がします。
 
 
 
Unknown (素人)
2006-11-15 04:49:31
御家人さん、初めて投稿させて頂くものです。
私は中国について本で読んだ知識しか持っていないので、「素人」と名乗らせていただきます。
ところで、これは胡政権がどうのという話ではなく
10年15年(まあそれまで共産党がもつのかはともかく)のスパンで見た時に
共産党が追い詰められた末の延命処置として
完全な民主主義ではないが、一党独裁というわけでもない妥協策(具体的には省レベルでの普通選挙実施とか、党員による各級党主席の選出とか)が在り得ると思いますか?
各地での暴動が頻発する昨今、そろそろ本格的な手を打たないと危なくなってきましたし、
第六世代か第五世代辺りには李瑞環の主張していた事を真剣に考えてくれる者が、決して少数派では無くなってくると思うのですが。。
 
 
 
病院での暴動 (鴨洛債)
2006-11-15 12:18:00
御家人さん、詳細有り難うございました。
トウ小平の地元の第二病院とのことですが 「竹べらを男の子の喉に突っ込んで・・・・」とは、すごい医療レベルですね。
 
 
 
Unknown (にゃんこ)
2006-11-15 14:08:21
中国の口喧嘩は相手をののしるのではなく、周囲の人に加勢を訴えるものだという話を思い出した。

とはいえ、最初に同情加勢した高校生がいたことでちょっと見直した。

途中からはDQNの喧嘩で双方がケータイで加勢を頼んで人数が膨れ上がる構図だろうが。


 
 
 
Zhina Wenti (アドレス)
2006-11-15 21:12:40
宇宙ロケットもSINO2号でしたね

> Unknown (御家人) 2005-03-19 01:19:29
> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
> そういえば『エル・ポポーラ・チニーオ』というエスペラント語の雑誌が以前は中国で出ていたのですが、今もあるのでしょうか。

オマケ
プロレタリア国際主義は健在です。
http://esperanto.china.org.cn/world/index.htm
 
 
 
所詮患者も支那人だし・・・ (でんすけ)
2006-11-16 08:14:37
酷い言い方ですけど・・・なんですよね。
後払いにした場合、治療費を踏み倒される可能性が極めて高いので病院側も必死なんでしょうね。
(1人でも許せば後から後から「なんでウチは駄目なんだ?」と沸いてきそう)
遺族の方はそのような方々ではないと信じていますが
(↑社交辞令)いかんともしがたいのも現実かと。

・・・しかし、それが暴動へ直結なんてホント沸点の低い社会ですね。
 
 
 
場合によるのでは! (納得いかん)
2006-11-18 00:34:01
>でんすけさん

農薬を飲んで今にも死にそうなケースと、通常のケースを同等に扱うのは如何かと。4歳と言えば、日本で放水路に棄てられて殺された男の子と同じ歳です。それでも、祖父が懸命に助けようとした、両親が精一杯当局に抗議している中国の子供の方に救いがあると思ってしまいます。
私は日本的かもしれませんが、中国の病院や医師の対応は間違っていると思います。
確かに現状の中国はそうなのかも知れませんが。
切歯扼腕ですね。
 
コメントを投稿する
 
現在、コメントを受け取らないよう設定されております。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。