日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 もう皆さん御存知でしょうが、例の「肉入り段ボールまん」は北京の地元テレビ局サイドによるヤラセとの当局発表がありました。同局は視聴者に向け公式に謝罪したとのこと。

 ●「段ボール肉まん」はヤラセと判明、テレビ局が謝罪(新華網 2007/07/18/21:11)
 http://news.xinhuanet.com/local/2007-07/18/content_6395548.htm

 私はこの一件が飛び出してからちょっと斜に構えて眺めつつ香港紙あたりの関連記事を漁っていたのですが、『産經新聞』の中国総局記者・福島香織さんのブログ「北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)」の関連エントリーに思わず膝を打ちました(福島さん、抜群の行動力に取材力、そしてパワフルかつコテコテな筆致に瞠目するばかりです。御活躍、蔭ながら応援しています)。

 ●段ボール肉まんやらせ事件フォロー(2007/07/20/01:49)
 http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/entry/237202/

 私が「そう!それそれ」と思ったのは、このエントリーにの後半に出てくる「
■福島の仮説(妄想)」です。



■これらの疑問と、納得できる部分を整理して、ひとつ仮説を立ててみよう。これはブログですから。記事じゃありませんから、けっこう思い切ったこといいますよ。
眉につばつけておよみください

■福島の仮説(妄想)
 北京に段ボール肉まんは存在した。北京市工商当局にもタレコミがあった。アルバイトスタッフ(胡月)は、CCTV時代のコネを通じて、その情報をキャッチ、自信まんまんで北京テレビに売り込んだ。

(中略)

●あとは北京テレビで、適当な人事異動して、それでもさわぎがおさまらなかったら、このネタを北京勢力切り崩し、劉淇・北京市党委書記への圧力に使っちゃうぜ(By胡錦濤)

とこんな展開でどうだ?




 いやー素晴らしい(畠山桃内調)。最近は天津市がちょっとキナ臭いのですが、私は福島さんの「妄想」と同じように「邪推」して、あーこれは「北京閥」退治の一環かなあー、と下衆の勘繰りをしつつ材料を漁っていたのです。

 ●時代は「北京閥」退治だそうで。(2007/05/10)

 もちろん福島さんのような中身たっぷりの内容ではなく、胡錦涛政権による「北京閥潰し」と「マスコミ掌握」という図式だけあって、あとちょっと補強材があれば面白い話に仕立てられるのでコソーリ活動(香港・台湾の新聞で文章発表)にでも使うぞー、ウィリー悪いけど毒林檎で出しゃばっちゃうよー。……などと狙っていたのです。

 福島さんはさすがプロだけに「妄想」ひとつとっても隅々まで目が行き届いています。しかも読んでいて面白い。さすがです。素人の私などとてもとても(再び畠山桃内調)。でもプロの記者の人もそういう「妄想」をするんだなあ、と思って嬉しかったです。職業病というか仕事柄の娯楽、てな感じでしょうか、福島さん?

 ――――

 まあこの「肉入り段ボールまん」については日本でも報じられて反響が大きかったので、例えばテレビとかではその事件は捏造だったと中国当局が発表した、とアフターケアしつつ、

「捏造だったという当局発表が捏造かも」

 とかコメンテーターに言わせて、

「でも中国にはまだ危険食品が色々ありますからね」

 とフォローして過去のケースをズラリと並べてみてほしいところです。当ブログ左サイドの「CATEGORY」にある「疫病・有毒食物etc」を遠慮なくお使い下さい。なかなか粒ぞろいの良ネタを用意してありますので(笑)。

 ――――

 さて今回の本題はタイトルの通りです。有毒かどうかは判然としないのですが、「硫酸ライチ」のようにしなびた古いショウガを新鮮にみせるべく「お化粧」を施す、という時点で消費者を騙していますから一応拾っておきます。

 ●深センに硫黄ショウガ出現(明報 2007/07/19)
 http://www.mingpaonews.com/20070719/caa2.htm

 と、香港紙の報道ですが元ネタは深セン市の地元紙『晶報』。要するに国内メディアによるスクープ記事です。

 この報道によると、中国の家庭にとっては必須の調味料といえるショウガに細工を施して儲けている悪徳商人がいるそうです。何でも鮮度が落ちて色あせて表面にシワの入ったショウガに「毒硫黄水」を噴きつけることであら不思議、色つやのよい見た目だけ新鮮そのもののショウガに生まれ変わるとのこと。

 舞台は龍崗区・龍崗街道の利民農貿批発市場(卸売市場)で、ここで売られているショウガのうち1日平均2~3トンが問題の硫黄ショウガ。近在の坪地、坪山、愛聯、葵湧などから出荷され、売れ行きも上々だそうです。

 記者が隠密取材を敢行したのか市場関係者から得た情報かはわかりませんが、これら硫黄ショウガは毎日正午ごろに小型トラックで運ばれて来ます。いくつものビニール袋に詰められたショウガは、この時点では普通のショウガ。ただし表面が色あせ、何本もシワが走っているみるからに鮮度の悪そうなものばかりです。

 で、業者が袋詰めのショウガを次々と取り出しては一カ所にまとめます。高さ1mほどの小山になるそうです。これをまとめて大きなビニール袋に詰め終えると刺激的な硫黄のにおいが鼻をつきます。「お化粧」がスタートした訳です。

 ――――

 この「薫製」作業を終えると、色あせてしなびていたショウガの表面が新鮮そのものといった色に一変。ただこの時点ではまだシワは以前のままです。

 ところが夕方になってワゴンやオートバイでショウガを買い取りに来ると、これら業者は慣れたものでそこに置いてある噴霧器を手にし、赤いバケツに入っている液体を詰めると、自分が買い取ってビニール袋に詰められているショウガに向けてシュッ、シュッ、シュッ。

 ……するとマジックの如く、ショウガがいよいよ新鮮そうな色となり、シワもちょっと触れるだけで消えてしまうのです。

「これは硫黄といくらかの化学物質を調合した薬液なんだ。ショウガに噴きつけると鮮度も保てるし見た目もずっとよくなる」

 とは業者の弁。

 深セン市無公害農產品質量監督檢驗站、つまり品質監督機関によると、これら硫黄ショウガ1kg当たりの硫黄含有量は62.7mg。ただし業界内に安全基準といったモノサシがないため、有毒なのかどうかは断定できないそうです。



 硫黄は黒色火薬の原料であり、合成繊維、医薬品や農薬、また抜染剤などの重要な原料であり、さまざまな分野で硫化物や各種の化合物が構成されている。農家における干し柿、干しイチジクなどの漂白剤には、硫黄を燃やして得る二酸化硫黄が用いられる(燻蒸して行われる)。


 ●硫黄 - Wikipedia
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%AB%E9%BB%84




 ……とありますが、硫黄含有量とともに「化粧液」を構成している何種類かの化学物質が何なのか不明なため危険度は不明。ただし鮮度を偽っていることは事実ですし、新聞では「有毒食物」扱いで、スーパー関係者や市場筋の話として、

「管理が厳しい深セン市の一線内や香港に流通するのは稀で、多くは二線地区や東莞などに出回っている」

 とされています。マトモな商品としてみられてはいないようです。

 「硫酸ライチ」に比べるとインパクトはかなり遜色があるものの、これはこれで気になるニュース。『明報』の記者による詳報を期待したいところです。




コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
味が有りますね (muruneko)
2007-07-20 11:06:35
御家人さんの文も好きですが、福島さんのも味が有ります。ものすんごい速度で書きまくって、あの質を保てるのでしょうね(流石はプロ)。

一方で、硫黄生姜もまた味わい深そうな匂いがしそうです。って、温泉卵かと間違われそうですけど。
 
 
 
Re:味が有りますね (御家人)
2007-07-20 12:39:12
>>murunekoさん
 福島さんの文章は読んでいて楽しくなります。あのノリは関西人の強みなのかも知れません。実に羨ましい(笑)。

 ついニヤリとしてしまう部分もあります。毎回のエントリーともボリューム満点ということです。行数制限から解放されてのびのびとしているのではないかと、つい邪推してしまいます。

 私も副業では行数との戦いです。当ブログではその縛りがない上に日本語という気楽さもあってついド長文になってしまいます。福島さんに限らず、プロの記者の方々のブログに長文傾向が強いのはそのためではないかと考えたりするのです。
 
 
 
Unknown ()
2007-07-20 16:01:13
畠山桃内ワロス。
 
 
 
Unknown (三碧星)
2007-07-20 19:34:42
この件については御家人さんのところには情報は入ってないですか?

http://www.heiwaboke.com/2007/07/post_1009.html
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0713&f=national_0713_001.shtml


次に日本のマスコミに中国本土でやらせ報道をさせて、謝罪させたら完璧なのですが。
 
 
 
Unknown (御家人)
2007-07-20 21:22:03
>>凡さん
 「おじょーずー」の咲坂守もお忘れなく。


>>三碧星さん
 いやいや、私は本当に素人ですから、手に入る情報は皆さんと同じものです(本当)。ただ中国語が読めますから現地の記事を拾えたりするくらいで。先刻この件で恩師からも電話がかかってきたのですが、「これは間違いなく政治絡みですね」と言うので「ですねー」と相槌を打つことしかできませんでした(笑)。消息筋になってくれる人は中国のあちこちにいますけど、向こうが来日してくるならともかく、電話やメールでこうした話題を語るのはやはり危険ですから控えざるを得ません。でもあと数日待つと香港紙が色々書き立ててくれるかも知れません。

 実は以前,ちょうどこのブログを書き始めた時期でしたか、私の仕事はある種気楽なものなので、1年くらい休業して北京か上海に留学生の身分で滞在して、いまの中国を手触りとして実感したいなあと考えていました。前回留学したときに仲の良かった中国人学生たちが留学生担当部門の責任者みたいになってあちこちの大学にいるので何かと都合がいいのです。でもそれから3年。ブログで反日騒動やら環境汚染やら有毒食品といったニュースを扱っているうちに「とても行けたものじゃない」という気持ちに変わりました。現状のリスクを冒して中国で生活する覚悟は私にはできないです。配偶者も「どこへ行っても一緒についていくけど、大陸だけは絶対嫌」と断固拒否の構えを崩していませんし(笑)。

 まあ、せっかくヤラセ認定が中国当局から出されたのですから、話題の熱が冷めないうちに「でも中国にはこういうものも、ああいうものもある」と、環境汚染や有毒植物の深刻な実情を日本のマスコミはどんどん暴露してほしいところです。……無理ですかねえ。
 
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