日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 日中外相会談、やるのかやらないのか、相変わらず微妙なままです。

 前回ふれた通り、「5月23日からカタールで開かれるアジア協力対話(ACD)でその場をセッティングする方向で動いている」と日本では報道がありましたけど、中国側はどうも煮え切らない。古いネタですけど臆面もなくまた引っ張り出してみます。

「双方は多国間協議の場で中日外相会談を実施する可能性を探った」
(5月9日、日中協議閉幕報道)

「双方は多国間協議の場で中日外相会談を実施する可能性を探った。中日双方はこの問題についてさらに協議を重ねることになるだろう」
(5月9日、外交部報道官定例記者会見)

「中日双方は多国間協議の場で中日外相会談を実施する可能性を探ったが、これについてはなお検討する必要がある。具体的にどういう結果に落ち着くかは協議次第だ」
(5月9日、外交部報道官定例記者会見)

 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2006-05/09/content_4525369.htm
 http://news.xinhuanet.com/world/2006-05/09/content_4527020_1.htm
 http://news.xinhuanet.com/world/2006-05/09/content_4527020_2.htm

 外相会談に向けて話を詰めているけど実現するかどうかはまだ未知数。……なんて頼りない姿勢でいたと思ったら、5月12日の外交部報道官定例記者会見では一歩後退を思わせる物言いになりました。

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 ●中国の誠意、日本は正しく理解すべき 外交部( 人民網日本語版2006/05/12/11:39)
 http://j.peopledaily.com.cn/2006/05/12/jp20060512_59647.html

 (前略)
中日関係や歴史問題に対する中国の態度は、明確かつはっきりしている。日本の一部指導者は靖国神社への参拝を頑なに堅持しているが、これが中日関係の障害をもたらす問題のありかだ。中国はこの障害を克服した上で、中日関係を改善かつ発展させることを終始主張しており、この立場に変化はない。現在、中日双方は両国外相会合について接触中だ。われわれは、中日関係の発展に対する中国の誠意を、日本が正しく理解するよう望む。

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 これも前回に書きましたが、
「やりたいけど今お家騒動やってるから、こっち(中共政権)は話がまとまらないんだよ」というサインです。「擁胡同盟」(胡錦涛擁護同盟)と「反胡連合」(反胡錦涛諸派連合)という分け方で言えば、「擁胡同盟」が泣きを入れていることになります。「反胡連合」が足を引っ張っているのだろうと思います。

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 その後に何か動きがあったかといえば、香港の親中紙『大公報』(2006/05/14)に愚痴のような記事が出ました。中国通信社(中共メディア)の配信記事で
「外国メディアは日中外相会談に注目している」という標題のものです。

 この記事に駐中国日本大使館の岡田さんなる人物が登場し、

「日中両国は外交ルートを通じて外相会談の具体的日程を協議してみようということでは同意している」
「中国側は日程を協議することについて同意しているだけで、やることになるかどうかはわからない」

 とこれまた頼りないコメントをしています。一方で日本側がACDの期間中にやろうと提案していることをこの記事は報じています。……ただそれだけで、結局は事態が動いていません。

 http://www.takungpao.com/news/06/05/14/ZM-565513.htm

 この記事は中国国内でも流れていて、あの基地外反日紙『環球時報』(2006/05/12)が掲載し、それを「新華網」(国営通信社の電子版)が転載しています。

 http://news.xinhuanet.com/world/2006-05/14/content_4543157.htm

 事態に進展はみられないものの、こういう記事が出てくるくらいですから、中国側もやりたくない訳ではなさそうです。ただ日本側から投げられたボールをどう扱うかで迷っている。……というより揉めているのでしょう(笑)。

 そんな具合ですから、前回紹介した自称僧侶の基地外日本人イワータの叩頭謝罪パフォーマンスもまだまだ続いています。今度は瀋陽に出現して「九・一八歴史博物館」という地元のテーマパークというか東映太秦映画村みたいなところで頭を地面に擦り付けています。単に頭皮が痒いだけなのかも知れませんけど。

 http://www.takungpao.com/news/06/05/14/ZM-565507.htm

 むろんこれは中共プロデュースによる中国国内向けの姑息なパフォで、反日気運が高まるような出来事が勃発して外相会談に関する協議に水が差されないよう「擁胡同盟」側が仕掛けているのでしょう。

 私は前回申し上げた通り、やってもやらなくても。……という意見です。こんなフニャフニャしたことをやっているより、今回の標題に据えた通り「細木数子vs呉儀」の組み打ちを観てみたいところです(笑)。呉儀・副首相は胡錦涛・総書記のようなヘタレと違ってキツいアドリブが飛ばせますから、

「あんたこのままだと再来年に失脚するわよ」

 という細木側からの一撃にどう逆襲するか見物ではありませんか(笑)。麻生・李肇星会談は「ファンタジスタvs電波系紅衛兵」でこれも面白そうですけど、いざ会談となったら結構お互いお行儀良くなりそうで肩透かしになるような気がします。

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 「擁胡同盟」が動こうとするところを「反胡連合」が足を引っ張っている、と上で書きました。外相会談について中国側が煮え切らない理由がその辺にあるのではないかという邪推ですが、考えてみると胡錦涛政権発足(2004年9月)以来の政争はほぼこのパターンです。

 動こうとする胡錦涛を「反胡連合」があれやこれやと邪魔をして、掣肘された胡錦涛は政策遂行上の選択肢を狭められてしまう。……邪魔する動きを一蹴できない胡錦涛も弱ければ、せいぜい邪魔するくらいのことしかできない「反胡連合」も甲斐性がないですね。

 「国家主席+総書記+中央軍事委員会主席」と三冠王の胡錦涛は形式上の最高指導者です。統制力は弱くても、形の上では主流派です。そしてその立場から「社会主義発展観」「調和社会」「社会主義栄辱観」といった指導思想めいたものを公に打ち出して党の柱に据えることができる。大々的なキャンペーンも張ることができる。……この点は非常に重要で、胡錦涛の強味といってもいいでしょう。対する「反胡連合」はさすがに表立って異議を唱えられません。目下のところは「先富論」云々とボソボソ呟いたり面従腹背めいた真似をするのが精一杯です。

 ……こんなことを書くのは、「擁胡同盟」が「反胡連合」に押されているようであっても、あくまでも「擁胡同盟」側が主流派で、統制力は弱くても形式上のポストと指導理論を握っているため、基本的には常に「擁胡同盟」が流れを作っている、ということを再確認しておきたいからです。「反胡連合」はいわば野党で、機を捉えての反発しかできません。

 要するにイベント狙いなのです。この一年半はそれが主に「反日」でした。靖国参拝だの李登輝氏訪日だの日米が台湾有事への介入姿勢表明だの尖閣諸島の灯台国有化だの国連安保理常任理事国入りだの歴史教科書だの……。ただ昨春の反日騒動で大衆動員型の政治攻勢を仕掛けられないほど社会状況が悪化していることを、仕掛けた「反胡連合」も仕掛けられた「擁胡同盟」も学習しました。そうなると「反胡連合」も有効な手が限られてしまって、今年はとうとう各地方政府という「諸侯」が中央たる「皇帝」の言うことを聞かずに経済で突っ走る、という実に正統的な、本音をぶつけ合うとでもいうべき形になっています。

 「反日」ネタも最近は民間人の対日戦時賠償請求訴訟を中国国内でやろうとか、日本企業が「西遊記」や「水滸伝」の商標登録をするのはけしからん、といった以前に比べれば小粒なものしかありません。大衆動員型が使えない、となればあとはネット世論に頼るということになるでしょう。

 ところがこの半年ばかりの間に胡錦涛政権はその方面、つまり掲示板やブログへの規制を大幅に強化している。これは実に興味深いところで、規制の狙いが反体制的言論を封じ込めるだけではないのかも知れない、という勘繰りをしたくなります。胡錦涛政権発足前後に大手反日サイトが潰されたり謹慎処分(掲示板機能停止)を喰らったりしたことを想起してもいいでしょう。

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 ただ「擁胡同盟」も御存知の通り「反胡連合」を殲滅するほどの力がない。だから外相会談をやりたくてもハキハキと即応することができない。とはいえ小泉首相の「商売と政治は別」発言や「八・一五靖国参拝」の憶測が飛び交うなか、前掲したように内外で「海外メディアは外相会談に注目」といった記事を出すことができるのですから、現状は六分四分で「擁胡同盟」が優勢、とみていいかと思います。

 ただあくまでも六分の優勢ですから、イベントひとつでひっくり返される可能性もあるのです。……というところで上海交通大学の不祥事が飛び出してしまうのですから面白いものです。イベントで仕掛けるべき「反胡連合」が逆に相手に材料を与えてしまいました。

 いや、私などはNHKのニュースを観ていて思わず箸を落としてしまいました(笑)。デジタル家電などに使う半導体を中国で初めて独自に開発した、というのが真っ赤なウソで、よその技術を盗用したり外国企業の製品に自分たちの開発チームのシールを貼ったり(笑)……「漢芯」とかいう民族主義風味なネーミングでもてはやされていたのが、あにはからんや。

 「反胡連合」の主力であろう上海閥が胡錦涛訪米直前から連続技ともいうべき政治攻勢を発動していたことは当ブログで常々言及してきましたが、それもこの件で一頓挫でしょうねえ。胡錦涛はワシントンで面子を潰されましたが、それを愉快に眺めていたであろう江沢民もこれで顔に泥を塗られた格好です。上海交通大学はよりによって江沢民の母校なんですから。

 ともあれ、象徴的な事件だと思います。廉価労働力と土地だけは無尽蔵に提供できるけれど、それ以外は何も自分でできない。資本も外国頼みなら工作機械や部品も外国から輸入する始末。それを組み立てて製品に仕上げると、それを売りさばく場所も海外市場。それではいかんと国産技術での開発に挑んでみても、基礎がなっていないから結局はパクリとシール貼りしかできなかった。

 所詮はその程度、ということなのでしょう。「反胡連合」も痛いでしょうけど政権を担当している「擁胡同盟」だって海外からいよいよ厳しい視線にさらされることでしょう。これで「擁胡同盟」の優勢が六分から七分になって外相会談に道が開けたかどうかはまだわかりません。大体やってもやらなくても。……深刻なのは外患より内憂でしょう。今回の事件、小粒な喧嘩なんかせずに一致団結して国難に立ち向かえ、という天意ではないかと思いますよ。

 両派とも相手をKOする力がありませんから、政争に明け暮れていまの中国に必要な施策をビシビシと打ち出すことができない。そうして時間を浪費している間に自分の首が締まっていくのです。ちなみに最近、農民暴動のニュースをあまり耳にしないのは農繁期だからでしょう。そろそろ農作業も一段落する時期ですから6月あたりには再燃することでしょう。そして今年は夏から秋にかけて空前の就業難が訪れるそうです。実りの秋、てなところでしょうか(笑)。

 最後に私事で恐縮ですが、私は副業として香港誌でコラムをずっと書いています。かれこれ7年か8年くらい前の話ですが、安徽省の山奥の水力発電所に勤める読者からファンレターみたいなものをもらって仰天したことがあります。そんな僻地にまで香港の雑誌が流通していることに驚いたのです。……が、その後事実が判明して改めて仰天。中国国内に出回っていたのはコピー業者によって大量印刷された「白黒版」だったのです。ええ、そういうお国柄ですから、シールぐらい平気で貼ることができるのだと思います(笑)。



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コメント
 
 
 
開発 (芋焼酎)
2006-05-15 13:27:28
つまり「デジタル家電」というシールまでは自分たちで開発できると言うことですね。

凄いですね。
 
 
 
中国にも (煬帝)
2006-05-15 14:29:30
サミズダートがw
 
 
 
「漢芯」とはまた乙なネーミング (muruneko)
2006-05-15 16:36:43
余り茶化していてばかりでは脳が有りませんから、一つ違う観点から。



海外のメディア一般に言える事ですが、「確かに中国には問題が多い。しかしながら、激しい振動を繰り返しながらも、次第に世界経済に組み入れられつつあり、そのようにしてこそ、中国の安定化を最終的に世界全体への利益に結びつける事が出来るであろう。」という論調(パンダハガーという奴ですかね)が有ります。



# いつも思うのですが、このパンダハガーという単語を聞くと、フェイスハガーを思い出します。うーん、H.R. Giger ったら先見の明!



今回の「漢芯」の件は(まるで南鮮のイエロー教授のようですが)、中国に働く自浄作用の一つであり、上記の文脈で言うところの「安定化への端緒」と捉える事が出来るのですかね?



個人的には丸でそうは考えてませんが、継続的にチナオチされている御家人さんの御意見伺いたく。



論点は、確かに三峡ダム含め、中共のやる事なす事笑いの種では有ると思います。改革開放がまがりなりにも進み、それが故に情報が漏れるようになった、中共にとっては負の副作用故、このような「恥ずべき情報」が目に触れるようになったのか、それとも、支那人(+中共)にも文化的・歴史的にそれなりの自浄作用(大げさ?)が働いてきたものなのか、です。

 
 
 
ワクテカ (ken)
2006-05-15 23:50:31
中国、地方幹部を一斉交代へ 来年の第17回党大会にらみ



http://www.sankei.co.jp/news/060515/kok133.htm



・・・また、楽しみな動きが来ましたね♪
 
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