バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

松井のボケは耳もボケ

2016年07月31日 22時05分07秒 | バス運転士
お昼頃に中型バスでA駅へ回送、待機スペースに止めて発車準備… 「表示が回送のままだと、運行支援システムが“(待機スペースから乗り場への)発車1分前です”って言わないから、私がウッカリしていても“(乗り場からの)発車1分前です”と教えてもらうため、バスの行き先を表示しておこう」と思って、“バス停表示送りボタン”を押した。

すると「このバスは某地区(市街地)巡回バス~」と案内が流れ… その時、私は「そうだ、バスの前面にマグネット式の“巡回バス表示”が貼ってあるかどうか確認しなきゃ!」と思って、前扉を開けて車外に出て確認した。そして、発車時刻の3~4分前に、私は待機スペースから出て乗り場へ着けた。

発車時刻になった時、ちょうど何台かの後続車が来ていたので、私は前扉を開けたまま待ち… 後続車が途切れてから「確実に10秒くらいは発車時刻を過ぎただろう」と思って、「お待たせしました。発車します」と言いながら前扉を閉めたところ… 「チャカチャカ! チャカチャカ…」と“早発警告音”がなったので驚いた。

一瞬、何が起こったのか理解できない私… 運行システムの画面にあるデジタル時計を見ながら「えっ!? なんで? 発車時刻は05分でしょ? 今は05分… 20秒過ぎだよなぁ?」と考えること数秒… 運行システムの画面に出ている“現在のバス停”が、A駅はA駅でも始発地のA駅停ではなく、一つ進んだ07分発の“A駅(北)停”になっていることに気が付いた。

私は、すぐに“バス停表示戻しボタン”を押して“A駅停”を表示させてから発車した…。。。そう、待機スペースで行き先を表示してから前扉を開閉したので、乗り場への移動を開始した時に“A駅(北)停”に変わっていたのだ。もちろん、始発地発車時のアナウンスが流れていたはずなのだが… ボケの耳には入らなかったようだ。

「運行支援システムが“右折です”“左折です”って言っているのに、なぜ道を間違えるんだ!?」と言われているけれど… どんな音声であれ聞き慣れてしまうと、ボケ脳が「またか…」と判断して、聞かなかったことにしてしまうのかもしれないなぁ~ と、今後、私が道を間違えた時の言い訳を…(そんなの言い訳にもならんわぃ! ちゃんと運転カードで確認せぇ!)


ヤル気を出さないように…

2016年07月30日 19時00分31秒 | バス運転士
完全弊社とは比べ物にならないくらい、半弊社のバスには大勢のお年寄りが乗る。特に昼間帯は多く… 乗ったり降りたりする時はもちろん、通路を歩くにも席に座るにも時間が掛かり… 時には、お年寄り同士での席の譲り合いがあったりして… それでバスが遅れることがあると言っても過言ではない。

そんな時、心掛けているのは… 「ヤル気を出さないこと」である。ここで言うヤル気とは、「時間通りに走ろうとすること」である。だから、その度に「おぉ~ ん~ まぁ~ イライラしても仕方がない。時間通りに走ることは諦めよう」と自分に言い聞かせている。時には、そんな感じで走っていても、“思ったほど”遅れていなかったりして…

さて、ヤル気と言えば… テレビCMで“ヤル気スイッチ”という言葉が流れているけれど… その他には、どんなスイッチがあるのだろう? 元気スイッチ(ある人にビンタをされて元気になった人もいたりして…)、陽気スイッチ(お酒を飲んだらONになる人は多いでしょう)、呑気スイッチ(これは… スイッチがOFFの場合じゃないのか? ハハハ…)。

強気スイッチ(自信があれば自然と… でも、ヤケクソになった時に“それっぽく”見えることも!?)、弱気スイッチ(自信がなければ誰だって… でも、じっくりと考えている時に“それっぽく”見えることも!?)、男気スイッチ(綺麗なお姉さんの前だからって… 無理しない、無理しない!)、その気スイッチ(“そのき”って読むならいいけれど、“そのけ”って読んだら… ヤバイよヤバイよぉ~! ハハハ…)


選択という作業による疲労

2016年07月29日 19時24分07秒 | バス運転士
先日、テレビを見るともなく見ていたら… 「現代人は、常に数多くの選択を繰り返し、その度に脳がフル活動しているので、どんどん疲労が蓄積されてしまう。しっかり寝たはずなのに、なかなか疲れが取れないのは、そのためである。また、アッ●ル設立者の一人であるス●ィーブ・ジョ●ズが、いつも同じ服を着て出ているのは、選択という作業を一つでも少なくするためらしい」みたいなことを言っていた(と思う)。

確かに… 何を着るか(先週のテニススクールへは赤いシャツを着て行ったから、今日は黄色にしようか、オレンジ色にしようか…)、何を食べるか(昨日の昼はラーメンだったから、今日の昼はごはんにするか、パンにするか… もらった“そうめん”もあるんだけど…)、何を聴くか(懐かしの歌謡曲にするか、アニメソングにするか…)、何処へ行くか(普通の居酒屋にするか、お姉ちゃんのいるお店にするか…)などなど… 我々は毎日毎日、毎時毎時、毎分毎分!? 選択という作業を行っているようだ。

その点、路線バスの運転士は… 決められた路線を走って、決められたバス停で止まるだけだから、「どっちへ行くか?」「どこで止まるか?」みたいな選択を迫られる場面がなくて楽チ… ん? 待てよ。そんな単純な話ではないぞ。信号の変わり目では、「行くか、止まるか?」という瞬間的な選択が求められるし… 交差点の先に配送業者のトラックが止まっている場合、「このまま左車線で信号待ちするか、右車線へ移動するか?」と選択に迷うこともあるし…

さらに、矢印信号の交差点左折時に「一旦停止するか、しないか?」、バスに乗ろうとした人がコケた時に「営業所へ電話するか、しないか?」、強引な割り込みをされた時に「クラクションを鳴らすか、鳴らさないか?(鳴らさなくても、パッシングするんじゃねぇのか!)」、営業所の食堂では「とんかつ定食にするか、カレーライスにするか?(かつカレーにしてもらえよ!)」などなど… 結局、どんな職業であろうとも、選択という作業から抜け出せないということかな? ハハハ…


ネコ… 踏んじゃった!?

2016年07月28日 23時18分47秒 | バス運転士
昨日、私がネコを移動させてから某所を発車… それから約1時間後、ある運転士さんが某所の乗り場にバスを着けたら、そこには乗客と一緒に“ネコ”がいたらしい。しばらくすると、ネコは目の前の狭い道路に出て行き、真ん中あたりで動かなくなったそうだ。(広い場所の真ん中でジッとしている癖があったのだろうか…)

バスの発車時刻になり、運転士さんは左折するようにハンドルを切りながら道路へ出たのだが… その時、タイミング悪く左から対向車が来てしまい、それに驚いたネコは、動き出したバスの下へ飛び込んで来たとか…(そう話している運転士さんの表情が、徐々に暗くなってしまったので、それ以上は聞けなかった)

そうだよねぇ… 相手が人じゃなくても、嫌なもんだよねぇ… 夜、フロントガラスに激突する蛾… 雨の田舎道、ピョンピョンと跳ねているたくさんの蛙… そういう小動物でも「ウゲッ」と思うのに、それが身近な動物… 哺乳類ともなると、精神的ショックは大きいかもしれない。

もしも、轢いた相手が動物じゃなかったら問題なかっ… いや、それでも「ゲゲッ」と思ってしまうモノは… やっぱり“マネキン人形”かな? 似たようなところで“ぬいぐるみ”も嫌だなぁ~ あとは、原田知世さんのポスター! それを轢いてしまった日にゃ~ それはそれはショックで… 一週間は入院しちゃうだろうなぁ~(ウソつけ!) ん? それが知世さんじゃなくて、“上の方の人の写真”だったら? そんなの… 前輪で踏んだまま、ハンドルを回してグリグリと…(こらこら! やり過ぎ、やり過ぎ!)


ネコ踏んじゃいそう

2016年07月27日 20時41分04秒 | バス運転士
営業所でのランチタイムを終えて回送でターミナルを出発、始発地である某所の転回場に到着… そこには4台分の待機スペースがあるのだが、バスは1台も止まっていなかったので、いつものように一番奥のスペースへ… と思ったら、待機スペースと乗り場の間に、一匹のネコが座っていた。私は「ま、バスが近付けば逃げて行くだろう」と思ったのだが… ネコの前を横切っても、パッシングしても、一歩も動かなかったのである。

バスを待機スペースへ止めてよく見ると、そのネコの毛はボサボサで… ボォ~ッとした感じで… 「このネコは、かなりの高齢なのかな?」と思った。が、そんな呑気なことを言っている場合ではなかった。私のバスが乗り場へ移動する時に、ネコが邪魔になることに気付いたのである。私は「ゲゲッ… ネコを抱き上げて移動させなきゃいけないのか!? 苦手なんだよなぁ~ 以前、ネコに引っかかれて、手がパンパンに腫れてしまった運転士さんがいたしなぁ~ 嫌だなぁ~」と思いながら、発車時刻や行先の確認をしていた。

すると、どこから現れたのか分からなかったけれど、ある人がネコに近付いて何か白い物を投げ与えたので、「なんだ、飼い主がいたのかぁ~ 良かった良かった! 早く連れ帰ってちょ~」と思ったのだが… ネコは白い物をチラ見しただけで、一歩も動こうとせず… 飼い主と思われた人物はネコに背中を向け、乗り場のベンチに腰掛けてしまったのである。どうやら、ただの通りすがり… 乗客の1人だったようだ。

そこで私は、「そうだ、ネコを跨ぐように移動すればいいではないか! いやいや、右折するようにハンドルを切らなきゃいけないから、前輪はいいけど後輪で踏んじゃいそう… バスが近付いた時に逃げてくれればいいけれど、さっきの様子からすると、そんな感じはなさそうだし… ま、幸い、他にバスがいないから、待機スペースを通って乗り場へ移動すればいいか!」と思ったのだが… そこへ他系統バスが到着… 私の右横の待機スペースに止まったのだった。ガチョ~ン!

ネコを避けて移動する作戦が実行不可能となり、私は“ネコが自分で移動してくれるように”祈っていたのだが… 膠着状態のまま発車時刻3分前となってしまったので、私は「仕方がない。ネコを抱き上げて移動させるかぁ~!」と、意を決してバスを降り、ネコに向かって歩いて行った… すると、ネコも“何かを感じた”のか、私をガン見… その表情はとても恐ろしく、私は「噛み付かれるか、引っ掻かれるか… いずれにせよ、ただでは済まなそうだ」と思った。

それでも、“バスの発車時刻が迫っている”という使命感のようなモノに背中を押され、私は「なるようになれ!」と猫に手を伸ば… と思ったら、何があっても動かなかったネコが歩き出したのである。私は「やった~! これで抱き上げなくて済みそうだ。よし、そのまま転回場の隅へ行ってくれぇ~」と祈りながら、ネコの後ろを足音を立てるように歩き続け… 何とかバスが通らない場所まで移動してもらったのだった。

それにしても、とても動きそうになかったネコが、なぜ急に動き出したのだろうか…??? やっぱり、私の並々ならぬ決意が… 仕事を愛する気持ち(どの口が言っとるんだ!?)が伝わったんだろうなぁ~ ん? ネコが精一杯の威嚇をしたけれど、「こいつの顔には勝てない」と思って、降参したんじゃないかって!? う~む… テニススクールでも、たまに「ボールを打つ時の顔が怖い」と言われることがあるからなぁ~ ハハハ…