バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

何も喋らんでいいよ

2017年05月29日 20時01分22秒 | バス運転士
昨日は、一昨日とは違い… 朝5時過ぎに始業点呼を受けた。まずは某総合駅まで回送で行き、そこから某運動場へ向かって6時半頃に発車… この便は、これまでに何度もやっていて、必ず一人か二人は乗客がいたのだが… 昨日はゼロだった。

某運動場で約30分の休憩後、某総合駅まで10人くらい乗せて行った折り返し… 某総合駅で5~6人を乗せて発車、途中でチラホラと乗降客扱い&チクタクと時間調整停車しながら路線の終盤に入った頃… あるバス停で一人が降り、入れ替わるように一人のお婆さんが乗った。

そして、そのお婆さんが「あら…」と呟いて通路を歩いて行き、「終点までお願い」と言いながら車掌席に座ったので、私は「ひょっとして他に誰もいないのか? そういえば、以前… “誰もおらんから何も喋らんでいいよ”と言ってくれるお婆さんがいると聞いた記憶があるのだが…」と思った。

お婆さんは、顔見知りに会って「あら…」と言った訳ではない(なぜならば、その後の会話がない)ので、他に乗客がいない可能性は高く… 実際、車内ミラーにも映っていなかったのだが、運転席から身を乗り出して確認したわけでもなかったので、「いつも通りにやろう」と思った。

が、やはり「終点まで」と言ってくれた(=途中のバス停案内は不要という)お婆さんの気持ちも考え… 私は独り言のようにバス停名だけを小声で呟きながら運行を続け… 最後だけは、いつも通りに「ご乗車ありがとう~」と大きな声で言い、お婆さんも「ありがとう~」と元気よく降りて行った…(そのお婆さんがモニターで、“罠”だったら笑っちゃうけどな。ハハハ…)


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