ゴエモンのつぶやき

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障害ある子の進学、支えて10年 東大のプログラム、70人が大学へ

2016年11月12日 02時30分42秒 | 障害者の自立

 障害のある子どもの大学進学を支援してきた東大先端科学技術研究センターの「DO―IT Japan プログラム」が、開始から10年目を迎えた。多くの子どもの進学を支えてきたが、今春の障害者差別解消法の施行で法的な枠組みが整ったことを受け、今後は就労の課題にも力を入れるという。

  「もう活動をやめたらログイン前の続きどうか」。8月、東大安田講堂で開かれた公開シンポジウム「DO―IT Japanの10年とこれから」で、「DO―IT」の顧問を務める中邑賢龍(なかむらけんりゅう)教授(人間支援工学)は、あえてこう投げかけた。「いい大学へ入り、いい企業に就職する」というルートに子どもを乗せればいいのか、という問題提起だ。

 ディレクターの近藤武夫准教授(同)はこう応じた。「この10年は学びのスタートラインに立つ環境づくりだった。これからの10年は社会に新しい価値をつくることに取り組みたい」

 「DO―IT」は社会のリーダー育成を目的に、東大先端研を中心にソフトバンクグループや日本マイクロソフト社、富士通などが資金・技術面で協力して2007年に始まった。

 学習障害や肢体不自由など様々な障害がある大学進学希望の高校生らを毎年、全国から公募し、約10人を選抜。夏の合宿では、学習や自立を支援する最新技術やワークショップを体験したり、大学と同様の講義や企業のセミナーを受けたりする。仲間と情報交換をするオンライン会議もほぼ毎月開かれ、東京などでの個別相談にも研究者らが応じている。受講や相談は無料だ。

 授業でのタブレット端末などの機器使用について学校と交渉したり、大学入試での解答時間延長などを申請したりするのを支援するのも、「DO―IT」の重要な活動だ。当初は、字を書くのが困難な生徒が入試でワープロを使うことも認められなかったが、生徒の能力をデータで示すなどして継続的に働きかけ、次第に認められる例が増えた。15年までの参加者計112人のうち、70人が大学進学を果たしている。高校進学前に学習につまずく子も多いことから、今は対象を中高生と大学生に拡大している。

 近藤准教授は「障害者差別解消法が学校現場にも障害者への『合理的配慮』を求めた以上、小中高校、大学ともに学習環境は整えざるを得ない」という。

 これからは、進学後の社会に出てからの課題に取り組む。「めざすのは障害のある人が特性や才能、ユニークさを生かした仕事で認められる社会。能力評価の価値観を変えるムーブメントを起こしたい」

  ■京大進学、背中押してくれた 支援受けた油田優衣さん

 「京都大進学という夢に向けて背中を押してくれたのは『DO―IT』」。こう話す京大教育学部1年の油田優衣(ゆだゆい)さん(19)=京都市=は、生まれつき難病の脊髄(せきずい)性筋萎縮症だ。歩いた記憶はなく、進行性で、今は手にも力があまり入らない。トイレも1人では難しいため、24時間、交代で介助してもらいながら、故郷の福岡県を離れて暮らす。

 小2から中3まで、公立の特別支援学校に通ったが、広い世界に出たくなった。親子で福岡県などと交渉し県立高校普通科へ進学。部活にも入り、それまでと違う学校生活を満喫した。

 高2の時に「DO―IT」に応募し、選抜を通った。初めて1人で東京に行き、5日間のプログラムに参加。鉛筆より力がいらないボールペンでノートをとっていたが、パソコンならもっと楽だとわかった。入試も時間延長してもらえることを知った。「生きていくには配慮を求めることも大切だと痛感した」

 京大の入試では別室受験などが認められた。下宿探しは難航したが、大学が用意してくれた。「大学は刺激的だし、誰にも学ぶ権利はある。大学院に進み、臨床心理士になって、納税者として社会に返したい」

写真・図版 

油田優衣さん

2016年11月11日   朝日新聞

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