ゴエモンのつぶやき

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エレベーターあればバリアフリー? 提訴した男性と歩く

2016年10月25日 02時58分02秒 | 障害者の自立

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 駅でエレベーター(EV)を5回も乗らないと電車を乗り換えられないのに「バリアフリー対応」なんて!?――。車いすの男性が9月、不便な駅のあり方に一石を投じようと、「移動の自由」を求めて鉄道会社を訴えた。バリアフリー法施行から10年。なお残る課題を考えようと、近く勉強会を開く。

 大阪市のJR京橋駅大阪環状線外回りホームからJR四条畷方面行き学研都市線ホームへ続く下り階段を見つめ、車いすの宮崎茂さん(51)=大阪府大東市=は言った。「健常者なら十数秒で降りられるのに」

 アテトーゼ型小児脳性まひで筋肉が緊張し、手足がこわばる宮崎さんは、全介助が必要な重度障害者。講演などで出かける際に京橋駅はよく使うが、対面型のホームが立体的に交差する同駅では、階段の数に比べてEVが少ない。

 記者は今月、介助者に車いすを押してもらう宮崎さんがたどる順路を同行した。ホーム端のEVで北口改札に降り、別のEVで大阪環状線内回りホームへ上がる。またホーム端のEVで下の北新地方面行き学研都市線ホームへ。すぐ近くのEVで階上の西口改札へ。改札を横切り、別のEVで四条畷方面行き学研都市線ホームへ。複雑な構内移動を繰り返し、EVを5回乗り継いで、学研都市線のホームに着くまで10分以上経過していた。

 宮崎さんは2013年以降、JR西日本にEV増設を求めてきたが、「多くのバリアフリー未整備駅があり、未整備駅から順に整備を進めている」との回答だった。今年9月、「憲法が保障する移動の自由を侵害された」などとして、EV増設などを求めて提訴。JR西は取材に「増設の議論はあるが、駅の構造上の制約もあり、不便をおかけしてしまっている」と話す。

 1日あたりの平均利用者約3千人以上の鉄道駅で段差解消への対応を求めたバリアフリー法を踏まえ、国土交通省が昨年3月末時点に行った調査では、JR西管内367駅中301駅(82・0%)で対応が済んでいる。1日の利用者約26万人の京橋駅も「バリアフリー対応済み」の扱いだ。

 仲間とともに25年前からバリアフリー運動に取り組む宮崎さんは、EVの普及で「行けなかった所に行けるようになった」と評価する。一方で「EVをつけたからいいでしょ、と納得させたいのか。ベビーカーや荷物を抱えた旅行客も使うのに」と指摘する。地下鉄や京阪電鉄との乗り継ぎ駅でもある京橋駅では、キャリーバッグを抱えた旅行客や子連れの利用者も多く、改善を求める声は少なくない。

 4月施行の障害者差別解消法は、障害者が直面する障壁を取り除く「合理的配慮」を官民双方に求めるが、法的義務はない。

 宮崎さんの訴訟代理人の池田直樹弁護士は「一般の私企業と違って市民にとって基幹的移動手段を担う公共交通機関が果たすべき水準は、相当程度高いものでなければならない。国の基準で足れりとせず、交通弱者の声を受け止めるべきでは」と指摘する。

 宮崎さんは言う。「バリアーは施設ではなく相手の心の中にある」。今後、追加提訴などを通し、障害者を取り巻く障壁について広く社会に訴えたいという。

 京橋駅EV設置訴訟勉強会は30日午前10時から、大阪・天満橋のドーンセンターで。交通バリアフリー問題に詳しい三星(みほし)昭宏・近畿大名誉教授の話などがある。問い合わせは、支援する会事務局の山名勝さん(yamanamasaru@icloud.com)へ。

 〈バリアフリー法(バリアフリー新法)〉 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」の通称。不特定多数が利用する施設のバリアフリーを促進する「ハートビル法」(1994年施行)と、大規模鉄道駅での段差解消を求めた「交通バリアフリー法」(2000年施行)を統合し、06年に施行。20年までのバリアフリー化率100%達成を官民で目指す。

2016年10月24日   朝日新聞

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