ゴエモンのつぶやき

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最も信頼できるヘルパー、高齢ひきこもり

2017年08月09日 02時26分31秒 | 障害者の自立

■どんどん40代へと突入

最近のひきこもり調査で70万人から54万人になり、40代のひきこもりの方々が統計上は消滅したことで、高齢ひきこもりの問題は統計上はないことになっている。

その問題は僕も当欄に書いた(統計からも「ひきこもった」40代ひきこもり16万人)。さしたる反論もないことから、概ねこの通りなんだと思う。

5年前に39才だった人は現在44才、いわゆる団塊ジュニアの上限だ。

僕も実際支援するひきこもりの人たちの上限はそのあたりだから、ひきこもりは現在どんどん40代へと突入しており、行政ももちろん、行政の「下請け」である(ソーシャルセクターの現在~与党化、免罪符、ダム)ほとんどのNPOもつかみきれない事態が進行している。

誰もが心配しながら、支援の中核になるべき行政やNPOが心配しつつスルーする問題、それが「高齢ひきこもり」の問題だ。

僕がなぜ支援できているかといえば、大阪市住吉区の単独委託事業である住吉区子ども若者育成支援事業が年齢制限のない事業であり、その事業をかれこれ5年間、僕の法人が受託運営しているだ(tameruカフェ)。

だがほとんどの行政事業の子ども若者支援は、上限年齢が18才である。これはこれで意味があるのだが、たとえば虐待被害青少年が毎年次々と18才を超えていき、行政支援から離れていく中でさらにPTSD(心的外傷後ストレス障害)を重篤化していく事態と遭遇する僕からすれば、やはり住吉区のような「特例」がどんどん増えればいいと思う。

■たぶん減ることはない

国のタテマエ的ニート年齢の上限は34才だが、ニート支援する地域若者サポートステーションの支援対象年齢は39才というニホンらしいタテマエとホンネの使い分けの中に若者支援も位置する。

が、そのタテマエとホンネさえ飛び越えるかたちで、社会参加できない人々は次から次へと40代になっている。これに対して「無業」等の呼び名もあるのだが、イマイチ浸透していない。無業にしろ高齢化する若者にしろ、いい年して社会参加(主として就労)できない人を、これ以上はどうやら日本社会は認めないみたいだ。

だから次々と潜在化している。

けれども実態はひきこもりだ。それは10年前から変わることなくひきこもっている人もいれば、サポステなどには通えるもののそこで止まっている人もいる(当然「自立」していった若者もたくさん僕は知っている)。

ひきこもり続ける人も、社会参加にチャレンジし失敗してまたひきこもった人も含めて、おそらく16万人程度はいる。

この数は、これからどんどん40代になっていく若者たちのことを想像すると、たぶん減ることはない。

この、増え続けていく40代ひきこもりの人々が「高齢ひきこもり」と名付けられている。

■今さら正規雇用は無理

そんな彼女ら彼ら団塊ジュニア高齢ひきこもりの親たちは、当然団塊世代であり、現在は70才目前である。

また、遅めに産んだ人であれば、75才を超えていることも珍しくない。僕のクライエントのなかには80才前後の母親たちもいる(子どもは50才前後)。

年齢は50才手前でも精神障害(統合失調症や感情障害)ではなく、かといって明らかな発達障害でもない。少し前ならば斎藤環さんが「性格的なひきこもり」、最近であれば杉山登志郎さんが「発達凸凹」と名付けたであろう人々は多く含まれるものの、病院で入院治療するほどのものではない。

いまさら長期就労はできないものの、淡々と日々を過ごし、余裕があれば買い物や料理もする、そんな高齢ひきこもりな人々だ。

日々は単調で安定しているが、80才手前の母たちは不安で仕方がない。だから僕は、母たちが75才を過ぎたあとは、自分の健康と長生きを人生の主題にしましょうと伝える。残念ながら男たちは亡くなっていることが多いため、老いた母のみにこれを伝えるのであるが、多くの老母たちは顔を輝かせ、長寿を目指すと話す(高齢ひきこもりをもつ親御さん、目標は105歳~日野原重明先生、合掌)。

そして僕は最近、そうした後期高齢者母に対して、40代後半のひきこもり子どもたちは「最も信頼できるヘルパー」として育てていきましょうと提案している。

40代後半まで就労体験がほとんどない高齢ひきこもりの一部の人々は、悪いけれども今さら正規雇用は無理だし、非正規雇用であっても長期就労は難しいだろう。

当事者の高齢保護者たちには非現実的な夢を与えてはいけないという倫理感が僕にはある。実際、45才を超えて長期アルバイトをしたことがない人は、今更一般就労の中での長期雇用は難しい。

また、そこから障害者就労を目指すのも膨大な時間がかかるし、その前提として優秀な支援者と出会う必要があるが、現在はそうした人材が全国に置かれているかといえば、非現実的だ。

■プリンだってすぐに買ってきてくれるはず

つまり、高齢ひきこもりの人々は、なかなか長期就労は難しい。だから親は子の国民年金を支払う必要があり、だから貯金する必要があり、そうした高齢ひきこもりの親たちが亡くなったあとは高齢ひきこもり当事者たちは「貧困高齢者の海」に吸い込まれ生活保護で生きていくことになる(高齢ひきこもりは「高齢者の海」に溶けていく)。

が、それは高齢ひきこもり当事者からの視点であり、高齢母たちの視点からするともう一つの役割が高齢ひきこもり当事者たちには与えられる。

それが、亡くなる寸前の高齢母たちをか介護するという役割だ。

母たちのパートナーである夫たち(父たち)は少し前に多くは亡くなっている。そして、後期高齢母と 50代後半当事者の生活にスライドしていると思われるが、やはり高齢母たちも80代半ば頃になると弱ってくる。

そこで登場するのが、50代後半から65才を過ぎ国民年金を受給しながら足りない生活費を母に頼る「元高齢ひきこもり」たちだ。

彼女ら彼らは介護という点で、後期高齢母たちには頼れる存在だ。なにより、自分の子どもだ。なにより、ひきこもって以来数十年、その前半はひきこもり子どもたちをうんざりさせたかもしれないが、ここ20年ほどは安定した高齢ひきこもりライフを提供してきた恩人だ。

その恩人を、元高齢ひきこもり、現在「前期高齢貧困者」である元ひきこもり当事者たちは裏切ることはできない。そして、そうしたまっとうな倫理観をもっているのがほとんどのひきこもりの人々だと僕は思っている。

だから僕は、80才前後の高齢の母親たちにこういうのだ。

「この、高齢ひきこもりの当事者たち、あなたの息子さん娘さんこそが、あなたがゆくゆくは最も頼りにできるヘルパーなんですよ。だから、彼ら彼女らの足りない生活費を、お母さんの遺族年金でカバーしてあげてくださいね。子どもにこそ、お母さんはわがままを言えると思います。プリンだってすぐに買ってきてくれるはずで、最も頼りにできるヘルパーなんです」  と。★         田中俊英  | 一般社団法人officeドーナツトーク代表

8/8     Yahoo!ニュース

 

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