ゴエモンのつぶやき

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民生委員100年 制度支える知恵絞ろう

2017年12月19日 01時17分49秒 | 障害者の自立

 「なり手」の確保が課題になっている。制度発足から今年で百年を迎えた民生委員。地域の身近な相談相手や見守りの役割を担う。地域を支えるその活動を、地域も支えていく知恵を絞らないと。

 民生委員は児童委員も兼ねており、その活動は多岐にわたる。

 見守りや訪問でも高齢者や障害者、子育て世帯、生活困窮者ら、さまざまな人たちと接する。状況に応じ、行政や専門機関との橋渡しも求められる。

 一九一七年、岡山県で創設された「済世顧問」制度が始まりとされ、戦後の四八年、現行の制度になった。厚生労働相が委嘱する無報酬の地方公務員で任期は三年。全国に約二十三万人いる。

 昨年十二月が一斉改選期だったが、全国平均で欠員が3・7%生じた。約二十年前の0・7%に比べ3ポイント悪化。欠員率が徐々に拡大しているのが不安の種だ。

 もうひとつ、課題となっているのが委員の高齢化だ。昨年の全国モニター調査によれば、平均年齢は六六・一歳。約二十年前より五歳以上も上がっている。

 委員には地域に根づいた仕事をしている自営業や公務員経験者、主婦らが委嘱される場合が多い。だが、勤め人の増加や核家族化、希薄になった人間関係など、社会構造の変化とともに、「なり手」不足が顕在化してきた。

 その一方で、若者やお年寄りの孤立、振り込め詐欺被害、子どもの貧困、いじめや虐待の問題など委員の活動は時代に即して増え、多様化しているのだ。

 たとえば愛知県は、昨年十二月の欠員率は1・0%に収まった。それでも委員の不足は、長期的に見れば気にかかる。

 改選期の昨年、推薦基準を見直し、七十五歳未満である選任年齢を、一回に限って現職の再任ができるよう改めた。いわば特例措置の“定年延長”である。

 負担軽減のため民生委員を補佐する「協力員」(協力委員)制度を取り入れる自治体も出てきている。東京都が比較的早く、二〇〇七年度から始めた。

 民生委員ほど負担は重くない立場。心理的には引き受けやすい。一緒に地域福祉を担う人が増えることになり、次の民生委員探しにもつながる。

 百年も続いた制度だ。その重要さは変わるまい。

 行政や専門機関が制度を支えるのはむろんだが、住民が主体性を発揮して行う活動も後押しになるはずだ。

 2017年12月18日   中日新聞

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