ゴエモンのつぶやき

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吃音、焦らずに長い目で

2016年10月29日 02時30分15秒 | 障害者の自立

ゆったり耳を傾ける / 話したいだけ話させる

  幼児期になることがある吃音(きつおん)。言葉を話す力が身に付く時期に発症するが、原因は十分に分かっていない。不安を感じる親は多いが、焦らず長い目で接することが大切だ。

 都内の女性医師(38)は、5歳と3歳の娘2人に吃音の症状がある。長女は2年ほど前から、「幼稚園」を「よ、よ、よ、ようちえん」と言うなど言葉が詰まってしまうようになった。最近になり次女も自分の名前などがうまく口に出せなくなり、女性は「私の育て方が悪かったのだろうか。将来、からかわれてしまわないかと思うとつらい」と涙をこらえる。

 吃音は、単語の最初の音を繰り返してしまったり、引き延ばしてしまったりするのが主な特徴。言葉を出そうと力を入れ、手や足を動かすなどの二次症状が出ることもある。

 国立障害者リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)の言語聴覚士の坂田善政さんによると、吃音は交通事故などによる脳損傷といった後天的なものを除き、文章を話す能力が身に付いてくる2~5歳児の5%弱が発症するという。なぜ吃音になるか原因は完全には解明されていないが、体質の影響によるものが大きいとみられている。何らかのストレスなど環境要因もあるとされるが、坂田さんは「吃音のある子どものほとんどは、普通の家庭で育っています。親を責めたり、親が自分を責めたりする必要はありません」と断言する。

 我が子に症状が出たらどうすればいいのか。坂田さんは「子どもが楽に話す経験を積むことができる環境作りが大切」と話す。言葉に詰まっても、「スラスラ話して」などとせかすのは厳禁。ゆったりした気持ちで聞く。親もゆったりと話すようにしたい。複雑な質問は避け、「何を」「誰と」などと単純な質問にすることで、負担を軽くさせる気遣いも役に立つ。

 吃音でも、多くの子どもは話をしたがっている。リラックスした環境が整ったら、できるだけ話したいだけ話をさせ、スラスラと話せる成功経験を多く積ませる。

 医師の女性もこうした環境作りを心がけ、長女も次女も症状が改善されているという。「子どもを一人の人間として尊重することの大切さを知り、親子の関係は良くなりました」と話す。

 幼児の吃音は8割弱が発症後5年以内に自然に治るとも言われている。焦る必要はない。1年以上続く場合や、症状が目立つ、子ども本人が気にする――といった場合は、言語聴覚士がいる病院など専門機関に一度相談することを坂田さんはすすめる。専門機関の中には、環境作りの支援だけでなく、必要に応じて話す練習を行っているところもある。地域の保健センターや各都道府県にある言語聴覚士会に問い合わせをすれば、最寄りの場所を教えてくれる。

 就学期になってもなかなか治らないケースもあるが、努力を続けて克服し、政治家や俳優、アナウンサーになった人もいる。坂田さんは「吃音が残っていても社会で幸せに生きている人はおり、必ず治さなければいけないものではありませんが、滑らかに話してもらいたいと思うのも親心。今できることをしてあげてください」と話す。

 

2016年10月28日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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