ゴエモンのつぶやき

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「税による投票」一宮市に学べ

2017年07月12日 03時06分31秒 | 障害者の自立

◆障害者向けのパソコン教室、ホタルの放流と観賞会、高齢者の無償送迎サービス――。愛知県一宮市は今年度、様々な活動をする73の市民団体を対象に、計2380万円を交付する。交付先と金額を決めたのは行政ではない。市民の選択の結果だ。税金の使い道を市民自身が決める一宮市の「市民活動支援制度」が今年10月で10年目に入るそうだ。

◆財源となるのは個人市民税の1%相当額で、それを18歳以上の人口で割って「1人当たりの支援額」を決める。そのうえで、18歳以上の市民が、活動内容を示した市民団体のリストから支援先を選ぶと、選んだ人数に「1人当たり支援額」を掛けた金額を、その団体に交付する仕組みだ。

◆ちなみに、一宮市の個人市民税収は205億円、18歳以上の人口は32万人なので、今年度の1人当たり支援額は640円だった。支援先を自ら選んだ市民は対象者の12.4%に当たる3万9740人に上った。8人に1人が参加したのだから、制度は市民に根づいているといえるのだろう。

◆この制度はもともと、ハンガリーで導入され、「1%支援制度」と呼ばれていた。個人の納税額の1%を厳密に支援額に回す仕組みだったが、手続きが煩雑なため、簡素化したのが一宮市だ。奈良県生駒市なども導入している。民意を税の使い道に生かし、住民と市民団体を結ぶこの制度は一種の「税による投票」といえるのではないか。

◆2016年度のふるさと納税額が2844億円となり、前年度を7割上回った。本来、ふるさと納税も「税による投票」になるはずだったが、こちらの方は特産品のネット通販に変質した。寄付した人に対して、それを活用した事業の進捗状況や成果を報告している自治体は24%しかない。

◆返礼品競争の是正を求める総務省に対して、地方側にも言い分はあるのだろう。しかし、どう考えても特産品を売るために他の自治体の住民税が減るのはおかしい。現状が改まらないなら制度を縮小し、控除するのは国の所得税だけにすべきではないか。

2017/7/10   日本経済新聞

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