ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

自分の病気、自分が主体となって治したい。あの子がついに、心を決めた日

2016年10月01日 01時54分56秒 | 障害者の自立

 先日発足した「プロジェクトYSJ(夢子に精神科を受診させる)」の続きですうつ。これまでの報告については、こちらをご覧いただきたいうつ。前回、前々回ではなぜ『精神病院に薬漬けにされるし精神病は治らない』という都市伝説が存在するのか? という点をうつりんと夢子なりに推理したうつ。今回は日本ではなぜ患者やその家族が精神病を隠したがるのか? という点について考えてみるうつ☆

うつりん「精神病院に対する差別や蔑視の根拠となっていた恐ろしい法律が、もうひとつあるうつ」

夢子「なになに?」

優生保護法というおぞましい歴史

うつりん1948年に制定された優生保護法という法律があるうつ。精神障害者や遺伝性疾患、ハンセン氏病などをもった人たちに優生手術(卵管を縛るなどして妊娠できないようにする手術)や人工妊娠中絶を強制できるようにした法律なんだうつ。これは、1996年に優生保護法が母体保護法に改正されるまで続いたうつ」

夢子「なんだそりゃ……? おぞましいの一言なんだけど……。日本にもそんな法律があったなんて」

うつりん「明治時代の呉秀三(くれ・しゅうぞう)先生の努力が実って、1960年代になるころには日本には精神病院は急増、入院患者数は倍増したんだうつ。けどそうなったらそうなったで、今度はなんでもかんでも入院・隔離! の風潮が高まってしまったうつ。そういった施設では、月経や妊娠があって手がかかるからといって、女性入院患者の子宮の摘出が半ば公然とおこなわれていたうつ。ちなみに子宮の摘出は優生保護法のもとでも違法なんだけど、それを許してしまう社会の風潮があったんだうつね。1989年に岡山・北海道・青森などで精神障害の女性の子宮が、摘出されていたということがわかったうつ」

夢子「1989年なら私もう生まれてたよ……。私宅監置されてた女性が経血のついた服をそのまま着せられてたもショックだったけど、これもひどい……

障害者は生まれてくるべきではない?

うつりん「優生保護法では生殖を不能にする手術は、本人の同意がなくても家族と優生保護審査会の決定があれば実施できたうつ」

夢子「ここでも患者本人より家族の意見が大事にされてる!」

うつりん「この法律は『障害者は生まれてくるべきでないし、子どもを産むべきでもない』という考え方が大問題だったうつ」

夢子「精神病だと知れたら優生手術されてしまうかもしれない法律があるんだったら、そりゃあ必死で自分の病気のことも精神病院への通院も隠すよね。もし精神病院に行って治ったとしても、受診したこと自体隠さなきゃいけないだろうし。それが1996年まで続いてたとは……。だから私のなかにも『もし自分が精神病だったら、それは隠さなければならない』っていう考えが無意識にあったのかもしれない!」

 うつりんの結論

うつりん「精神病院にかかっても『薬漬けにされるし病気は治らない』という都市伝説は、以下の理由からくるのではないかと思ううつ。

・そもそも数が少なくかかりづらく、仮に治療が受けられても有効な治療法がなかった時代の精神病院のイメージが現代に残っている。

・精神科病院自体が差別と蔑視の対象だった。精神科への通院は家族にとってものすごい恥とされ人には隠す行為だった。

・精神病院以外の私宅監置(警察の監督の元、自宅にトイレ付きの小部屋を作って患者を監禁すること)や灌瀧(=かんろう、滝治療のこと)施設は、比較的最近(1950年)まで続いていたため精神病院以外での治療が、いまでも社会的に受け入れられている。

・精神病患者も優生保護法などに基づいたひどい差別の対象だったので精神病の人はそのことを隠す。精神病院にかかって完治した人は治療を受けたことを隠すので『病院では薬漬けにされるし病は治らない』という都市伝説がはびこる。

……以上の理由により『精神病院では薬漬けにされるし病は治らない』という都市伝説と『精神病は隠さなければならない』という風潮が日本に発生し、現代にも根強く残っているのではないかと考えるうつ!」

夢子、病院行くってよ。

うつりん「私宅監置も滝治療も、精神病患者自身が治療の主役じゃないのが引っかかるうつよね~。患者のことなのに、本人の意思より家族の体面や都合のほうが重視されるうつ。たとえば灌瀧の場合、患者が滝に打たれている間、家族は滝壺のそばにいてお経をあげるうつ」

夢子「……重っ! 心配してもらうのはありがたいことなんだけど。ただ、ひねくれた見方かもしれないけど患者当事者としては、『家族も必死でがんばってますアピール』が強すぎると治療に集中できないんだよね……

うつりん「私宅監置の場合、家族が迷信に基づいてこっそり墓に忍び込んで死体の一部を盗、骨肉を煎じて薬にして患者に与える場合もあったんうつだって」

夢子「……そんなバイ菌の塊いらんわ! 家族の精神病患者に対する同情心って、なんだか見当違いの方向に暴走しがちだよね……。あのね、今回うつりんの話を聞いて、どんな治療法にするにも患者が自発的に治療に取り組むのがいちばん大事だと思った。患者が自分で治療方針を決めなきゃ、家族や介護してくれる人が、悪意なくても暴走しちゃう。自分でいろいろ知ったうえでやるって決めた治療が、いちばん病気に効くんじゃないかなーって気もするしね!」

うつりん「夢子、成長したうつね……

夢子「うつりんの話で、お祓いや滝治療は明治時代より前の迷信に基づいてるってわかったし、病気には効かなそうと思うようになった。あと私宅監置みたいに病院にもかからず薬も飲まないんじゃ、永久に完治しないこともわかったし。とりあえず私、病院行くわ。呉秀三先生みたいな医師に出会えればいいな☆ けど、せっかく病院にかかっても家族の体面や世間の常識のいいなりになって、どういう治療をしていきたいか自分は何も考えずにいたら、たとえばのハナシだけど、子宮を取られるみたいなことがいまでも起こらないとは限らないもんね。だから意思を強くもつよ! ありがとうつりん」

うつりん「ほんとううつか、夢子~! うつりん、これからも夢子を見守っていくから安心するうつ!」

夢子「イエ~~ィ☆」

うつりん「うつぅ~~~☆」

【参考文献】
『脳病院をめぐる人びと 帝都・東京の精神病理を探索する』(近藤裕・彩流社)
『精神病院の社会史』(金川英雄/堀みゆき・青弓社)
『青年茂吉』(北杜夫・岩波書店)
『【現代語訳】呉秀三・樫田五郎 精神病者私宅監置の実況』(訳・解説=金川英雄・医学書院)
『精神病者と私宅監置 近代日本精神医療史の基礎的研究』(橋本明・六花出版)
『産む/産まないを悩むとき』(山本百合子/山本勝美・岩波書店)
『現代医療と医事法制』(大野真義/世界思想社)

大和彩

米国の大学と美大を卒業後、日本で会社員に。しかし会社の倒産やリストラなどで次々職を失い貧困に陥いる。その状況をリアルタイムで発信したブログがきっかけとなり2013年6月より「messy」にて執筆活動を始める。著書『失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで(WAVE出版)』。現在はうつ、子宮内膜症、腫瘍、腰痛など闘病中。好きな食べ物は、熱いお茶。

女という幻想をぶっ壊す!本音情報サイト-messy /メッシー

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