ゴエモンのつぶやき

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離れても見守る民生委員 被災者を訪問 熊本・益城

2017年03月20日 01時37分01秒 | 障害者の自立

熊本地震から11カ月。熊本県益城町民生委員、冨田幸子さん(57)は自ら被災しながらも、地震前から担当していた地域の人々の見回りを続けている。応急仮設住宅や自宅にいる被災者をまわり、支援の枠から外れそうな人との絆をつなぎ、深めている。

 「こんにちは~。冨田で~す」。益城町小谷のテクノ仮設団地。一人暮らしの女性(87)の部屋の玄関先で、冨田さんの声が響いた。ドアが開き、冨田さんの顔を見た女性に笑顔が広がる。女性は足が悪くて1人では外出もままならず、仮設住宅の近所の人は知らない顔ばかりという。

 「次のサロン、来られる?」「病気しない、転ばないが一番よ」。15分ほどの会話は弾み、女性はさらに笑顔に。6年来の付き合いという女性は「冨田さんは信頼していて、なんもかんも打ち明けるよ。地震の後も会いに来てくれるのがうれしい」と話した。

 民生委員は厚生労働大臣から委嘱され、高齢者や障害者の相談に乗るなどの活動をしている。益城町には地区ごとに1人、計60人。冨田さんは6年前から、福富北地区で担当を続ける。

 昨年4月の地震では自宅が全壊。傾いた家の庭で子ども4人と車中泊を続けながら避難所や介護施設を回った。口づてを頼りに、20人以上いる一人暮らしや在宅介護の高齢者の居場所を捜し、1カ月以上かけてすべての人に会いに行った。

 6月には地元消防団の車庫を借り、地震前から毎月続けてきた介護予防のサロンを再開。40人ほどが集まり、会話に花を咲かせた。冨田さんは「家の片付けが進まなくて気がめいっていたけど、近所の人と話すと自分の心も軽くなる」。

 その後も、熊本市東区で見つけた貸家から通い続け、地震後は「関係が深まった」と感じる。応急仮設住宅や町外の病院に行くことも増えたが、「特別なことはしていない。会いに行って、話をするだけ」と冨田さん。「誰も来んけん、遊びに来て」「久しぶりに笑った」。そんな声に背中を押されるという。

 心配は、地震後も自宅に暮らす「在宅被災者」。冨田さんが住んでいた福富地区の約500世帯は半分以上が在宅という。「集まる場所も、支援に来る人もいない。家の外に出れば、近所の人はいない。孤独死は仮設だけの問題じゃないかもしれない」。地震で地域住民がばらばらになったからこそ、普段からの近所付き合いの大切さを感じた。

 そんな在宅被災者の居場所を増やしたいと、冨田さんは支援してくれる団体を探している。自分で団体に電話し、「仮設で手いっぱい」などと断られたこともあったが、町社会福祉協議会の職員の紹介で5月にコーラス団体が公民館に来てくれることになった。

 地震後、支援が必要な人を専門機関につなぐ民生委員の役割は、より重みを増している。「近所の人たちと、いつもつながっていられたらいいな。これからも『近所の冨田さん』でありたいです」

写真・図版 

仮設住宅に一人で暮らす女性(87)と話す民生委員の冨田幸子さん(右)

2017年3月19日   朝日新聞

 

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