ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

当事者とともに、「1票の壁」を考える

2017年06月19日 03時16分47秒 | 障害者の自立

 東串良町長選投開票日の2016年2月28日、全盲の石田清子さん(70)は、知人の車に同乗して投票所を訪れた。投票用紙の大きさを町選管職員に尋ね、記載台へ。字が重ならないように気をつけながら、カタカナで候補者の名前を書き、1票を投じた。

 石田さんは50歳の頃に網膜色素変性症を発症。徐々に視力が低下し、約5年前にまったく見えなくなった。点字は読めず、情報は耳でしか得ることができない。町長選では、知人から候補者の公約を聞いたり、街宣車からの訴えに耳を傾けたりして、意中の人を決めた。個人演説会に行きたくても、移動の困難さもあり気軽には足を運べないのが実情だ。

 国政選挙や知事選では、選挙公報の音声版が投票先を決める助けになっている。しかし、町長選では選挙公報自体が発行されておらず、情報不足を感じる。石田さんは「目が見える人には分からないかもしれないが、音声版の選挙公報が必要。一人の市民なのに市民じゃないような寂しい感じがする」と話す。

 条例を制定すれば、地方選での選挙公報発行は可能だが、県内では東串良町を含む23市町村で財政難や、準備期間の短さを理由に発行していない。発行している市町でも、点字版と音声版の選挙公報を作成している自治体はない。鹿児島市選管は「点字版作成は時間的に難しく、音声版は要望がない」と話す。

 一方、全国には京都市など首長選の選挙公報で点字版・音声版を発行している自治体はある。国政選、知事選で選挙公報の点字版、音声版作成を担う県視聴覚障害者センターの点字指導員、吉弘裕子さん(55)は、点字・音声化には読み方の確認などに時間がかかるとした上で「ボランティア確保の予算措置をしてくれれば努力する。全ての人に対応できる音声版に取り組む流れを作った上で、点字版を作成すればいいのでは」と提案する。

 障害者差別解消法では、配慮を求める意思表明があった場合には、行政機関は障壁をなくすための合理的配慮を行わなければならないとされる。日本点字図書館(東京都新宿区)の長岡英司館長(66)は「市町村の選挙は身近な代表者を選ぶので、きちんと参加できないのは問題。(障害者らが)声を上げれば自治体には対応する義務がある。地域の人が自治体に対して声を出していく必要がある」と指摘した。

   ◇  ◇ 

 障害者差別解消法が昨年4月に施行され、1年が過ぎた。民主主義の根幹といわれる選挙だが、障害者の投票には、さまざまな障壁が存在する。当事者とともに、「1票の壁」を考える。

06月15日   

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