ゴエモンのつぶやき

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楽膳 障害者ら使いやすい椀  見た目 自然なデザイン

2017年12月13日 11時22分54秒 | 障害者の自立

 福島市の中心部、本町の繁華街の一角に、障害がある人の社会活動や自立を支援する施設「まちなか夢工房」がある。障害者自らがつくるパンを求めに多くの客が訪れる。その傍らに置かれた赤、青、緑と、色とりどりに塗られた椀(わん)が目に飛び込んだ。

底に指はまる溝

  椀は会津漆器の木地職人、塗職人が手作りした「楽膳椀」。ぱっと見て普通の椀だが、椀の底に指を添える溝があり、握力が弱い人などでも持ちやすく使いやすい。

 同施設の運営にかかわるNPO法人、シャローム(福島市)を母体とする合同会社「楽膳」(同市)の代表商品だ。障害者の人たちや高齢者、子供なども使いやすいユニバーサルデザイン(UD)の食器として国内外の関係者からも注目を集めている。

 「障害者や高齢者が使いやすいだけなら持つ部分を分かりやすく大きくすればいい。そうではなく、自然に見えてさりげなく使いやすい商品の開発をしたかった」。デザインも手掛ける代表社員の大竹愛希さん(38)はこう話す。

 大竹さんは東京の私立大学で国際政治学を学んだ。ただ、もともと食器など量産できる商品のデザインに興味があり、大学卒業後に都内の専門学校へ。「使う人の暮らしが少しでも豊かになる、小さな幸せを感じることができるものを作りたかった」と振り返る。

 大竹さんの母が代表を務めるシャロームのメンバーは1980年代前半から障害者支援の取り組みを続けてきた。2000年を過ぎてUDの商品開発の構想が持ち上がり、デザインを学んでいた大竹さんもこの試みに加わる。

 楽膳の設立は06年。それまでの数年間は試行錯誤の連続だった。大竹さんは何度も会津地方の職人の元に出向き、試作品作りに膝を突き合わせた。まちなか夢工房にかかわる障害者の人たちからの助言も大きな力になり、ようやく楽膳椀が誕生した。

 楽膳椀(1個3900円台~1万5000円台)は、まちなか夢工房などのほかインターネットでも販売している。大竹さんの元には顧客の声が寄せられる。祖母にプレゼントしたという女性は「『椀が使いやすく食事が楽しくなった』と喜ばれた」。手に障害がある男性は「毎回の食事にぜひ使いたい」など好評だという。

ヒマワリ種の絆 

 楽膳の商品はほかにも、しっかり握れて料理をすくいやすい「らく皿」、倒れにくく持ちやすく形作った「らく杯」など5アイテム50種類前後に広がる。楽膳椀はグッドデザイン賞を、楽膳のブランドは欧州のUD表彰制度でも高い評価を受けている。

 東日本大震災、原発事故後は、福島と全国の支援者の絆(きずな)をつなぐものとして、シャロームと楽膳が一体となって、福島県外で育てられたヒマワリの種を使ったヒマワリ油の商品を企画・デザインし、販売している。福島の風評払拭と復興、子供たちの支援などに役立てている。

 ヒマワリの種の生産は今や全国の100カ所以上に及ぶ。「人は自分ではどうにもできないことに直面するが、その絆の強さは計り知れない。震災後に生まれた絆のハブとして、小さな幸せのため、様々な取り組みに挑戦したい」。大竹さんは前を見据える。

2017/12/12付      日本経済新聞

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