ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

「安全」に役立つ「騒音」

2016年11月08日 02時29分06秒 | 障害者の自立

 何の音もたてずに自動車が動きだした。車に背を向けて立っていたため、危うくぶつかるところだった。

 8年ほど前、佐賀県武雄市で地元の高校生と県立宇宙科学館の共同製作による電気自動車(EV)の試乗会を取材した時のことだ。一瞬、肝を冷やした。EVがあまりにも静かすぎて車の存在に全く気付かなかった。「警報装置の整備など安全面では一考すべき点もある」と思った。

 その「静かすぎる車」の危険性が国を動かすことになった。国土交通省が先月7日に道路運送車両法の保安基準を改正し、走行音の静かなハイブリッド車(HV)やEVの接近を歩行者に音で知らせる装置の搭載を2018年3月以降の新型車に義務付けた。

 国交省によると、各メーカーが販売する新車のHVやEV、燃料電池車には標準装備されているという。ただ、静かな走行音を好むユーザーのため、通報音を止める機能も付いている。この停止機能も禁止することになる。

 視覚障害者やお年寄りらが車の接近に気付かず、事故に遭う事例があるためだ。

 走行音の静かな車の安全性は国際的にも課題となっており、今年3月には国連がガソリン車並みの音量を義務付けることを柱にした安全基準案を採択している。

 ガソリンやディーゼルでエンジンを動かす車と違い、EVなどはモーターで走行している。とりわけ発進時から低速時にかけての走行音が静かになっているのが特徴だ。

 住宅地など低速で走行することが多い地域では歩行者らの視界にない場合、接近に気付くのが遅れることがある。

 自らの体験を顧みても、車両の接近を知らせる装置は歩行者の安全確保の観点から必要だと強く感じる。

 心地よい「静かさ」を追求した消音が結果として安全を脅かすこともある。日ごろは「うるさい」としか思わない「騒音」が歩行者の安全に役立っていたとは。周囲の音が身を守るための貴重な情報源になることを再認識させられた。


=2016/11/07付 西日本新聞朝刊=

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