ゴエモンのつぶやき

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テクノロジーを体に装着する時代は、すぐそこに

2016年10月29日 00時34分36秒 | 障害者の自立

超福祉展が見通す未来の社会像を考える――タイムアウト東京 代表 伏谷博之氏

「福祉」の新しいカタチを考え、ダイバーシティのある社会の実現を目指す「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」(以下、超福祉展)(東京・渋谷ヒカリエ、2016年11月8~14日)。福祉の概念を超える「カッコイイ」さまざまなテクノロジーやソリューションが目を引くが、会期中に開催されるシンポジウムにも注目したい。昨年までも、多様なプレーヤーが「超福祉」を巡って熱のこもったトークを展開していたが、今年は「超福祉」をさらに超えるべく、タイムアウト東京 代表の伏谷博之氏が、会期中5回開催されるシンポジウムの全体をディレクションする。シンポジウムの全体テーマ「Beyond Diversity(ダイバーシティーを超えて)」を掲げ、超福祉展が目指すダイバーシティーのある社会の具体的な姿を、より広く、深く掘り下げ描き出す。

広く未来を考える

 タイムアウト東京の伏谷氏は「初めて超福祉展を見たとき、“これは大きくなるな”と感じた」という。主催者のピープルデザイン研究所の須藤シンジ氏(代表理事)とは超福祉展以前から知り合いだった。「大きくなるな」と感じたのは、超福祉のコンセプトがこれからの世界に必要なエッセンスだと感じたからにほかならない。

* タイムアウト東京は、1960年代後半に英国で創刊され、100を超える都市で展開されているタウン情報誌「タイムアウト」の東京版を手掛け、今回の超福祉展の共催企業でもある

 「東京の新しいムーブメントを発信するタイムアウト東京としても世界に伝えるべきだと感じていた」からこそ、今年の夏前にシンポジウムのディレクションの依頼があった時には「ぜひともやらせてほしいと、こちらからもお願いしたんです」(伏谷氏)。

 背景には、2012年のロンドンオリンピック・パラリンピックで、公式トラベルガイドを担当した『タイムアウトロンドン』が“オープンロンドン”をコンセプトに編集発行したガイドブックがある。「障害者、高齢者も含め、すべての人にロンドンを楽しんでもらうためにあらゆる情報を網羅した」内容で、須藤氏もこの取り組みを深くリスペクトしているという。

 伏谷氏はこの“オープンロンドン”という考え方と、“超福祉展”のコンセプトが「同じように腹に落ちる印象があった」と話す。2020年に向けてタイムアウト東京も「すべての人に東京の魅力を存分に体験してもらえるように貢献したい」、その意味で「もっと福祉、超福祉を勉強したい」という意識もある。

 そして掲げたテーマが「Beyond Diversity」。その意味を伏谷氏は、こう説明する。

「既に素晴らしいコンセプトを打ち出している超福祉展に、何を提供したらもっと面白くなるんだろう。昨年までは技術の進化がもたらす福祉の新しい可能性が提示されていたのだとしたら、今回は、福祉にかぎらず社会全体の未来がどう変わっていくのか、未来の“ライフスタイル”がどうなるのか、広く考えるものにしたかった」

 この大テーマを基に、シンポジウムのさらに具体的なテーマを以下のように設定した。

伏谷博之氏。「未来の“ライフスタイル”がどうなるのか、広く考えるものにしたかった」と話す。

 タイムアウト東京の伏谷氏は「初めて超福祉展を見たとき、“これは大きくなるな”と感じた」という。主催者のピープルデザイン研究所の須藤シンジ氏(代表理事)とは超福祉展以前から知り合いだった。「大きくなるな」と感じたのは、超福祉のコンセプトがこれからの世界に必要なエッセンスだと感じたからにほかならない。

* タイムアウト東京は、1960年代後半に英国で創刊され、100を超える都市で展開されているタウン情報誌「タイムアウト」の東京版を手掛け、今回の超福祉展の共催企業でもある

 「東京の新しいムーブメントを発信するタイムアウト東京としても世界に伝えるべきだと感じていた」からこそ、今年の夏前にシンポジウムのディレクションの依頼があった時には「ぜひともやらせてほしいと、こちらからもお願いしたんです」(伏谷氏)。

 背景には、2012年のロンドンオリンピック・パラリンピックで、公式トラベルガイドを担当した『タイムアウトロンドン』が“オープンロンドン”をコンセプトに編集発行したガイドブックがある。「障害者、高齢者も含め、すべての人にロンドンを楽しんでもらうためにあらゆる情報を網羅した」内容で、須藤氏もこの取り組みを深くリスペクトしているという。

 伏谷氏はこの“オープンロンドン”という考え方と、“超福祉展”のコンセプトが「同じように腹に落ちる印象があった」と話す。2020年に向けてタイムアウト東京も「すべての人に東京の魅力を存分に体験してもらえるように貢献したい」、その意味で「もっと福祉、超福祉を勉強したい」という意識もある。

 そして掲げたテーマが「Beyond Diversity」。その意味を伏谷氏は、こう説明する。

「既に素晴らしいコンセプトを打ち出している超福祉展に、何を提供したらもっと面白くなるんだろう。昨年までは技術の進化がもたらす福祉の新しい可能性が提示されていたのだとしたら、今回は、福祉にかぎらず社会全体の未来がどう変わっていくのか、未来の“ライフスタイル”がどうなるのか、広く考えるものにしたかった」

 この大テーマを基に、シンポジウムのさらに具体的なテーマを以下のように設定した。

開催日テーマ対談者
11/8(火) Beyond borders パトリック・ニューエル(TED×Tokyo 共同創立者)
齋藤貴弘(弁護士/ニューポート法律事務所/NEXTOKYO)
11/9(水) Beyond limits 為末大(スポーツコメンテーター/指導者/NEXTOKYO)
梅澤高明(A.T.カーニー日本法人会長/NEXTOKYO)
11/11(金) Beyond LGBT 長谷川愛(アーティスト/デザイナー)
増原裕子(LGBTコンサルタント)
11/12(土) Beyond inclusion 若原圭子(JTB総合研究所 主席研究員)
玉置泰紀(KADOKAWA ウォーカー総編集長)
11/13(日) Beyond nurturing 土田和歌子(パラリンピアン)
七尾藍佳(国際メディア・コンサルタント/産業能率大学准教授)

 このテーマ設定について伏谷氏は「どうも未来や将来というものは、空からフッと降ってくるもののように思われがちなのだけど、実はそうじゃない、今、ここで生きているところから地続きにあるもの。それをイメージできるところから設定した」と話す。「それぞれの領域で、2020年、その先の未来に向けて取り組んでいる人たちがいる。その人たちと議論する場所をつくりたい、何よりも僕自身がその人たちの話を聞いてみたい」(同氏)という思いもある。

自己定義と人類の拡張

 一つひとつ、テーマを概観していこう。初日のテーマ「Beyond borders」では、「日本ではすごくセンシティブで難しい」移民の問題を扱う。

「日本はイノベーションが足りないといわれることが多いが、海外からクリエーティブ移民を受け入れてイノベーションを生める場所をつくっていってはどうかということを検討している人たちがいる。このクリエーティブ移民を受け入れるべきか、そうでないのか、受け入れるとしたらどのような課題があるのかなどを考えてみたい」

 こう話す伏谷氏は、ゲストのTEDxTokyo 共同創立者のパトリック・ニューエル氏には「クリエーティブ移民の可能性について、自身も日本で活動し、さまざまなイノベーションの事例を身近に多く知る立場から意見してほしい」、対談相手の齋藤貴弘弁護士には「風営法改正をリードしてきた方で、クリエーティブ移民の検討グループにも参加し、街づくりのワーキンググループなどにも多く参加している。彼らの議論を通じて、外国人を受け入れる多様な社会の根底を考えたい」と期待する。

 ここでは、「ローカルとグローバルの在り方」という裏のテーマもある。「何でもかんでも一元化するのがグローバル化じゃないだろうと。世界からタイムアウトのメンバーが集まるときには“俺の街は~”というのがないと面白くないわけで、改めて日本って何、日本文化って何なのか、世界と対峙する方法やポジションについて考えられれば」

 2日目の「Beyond limits」では、「人間の機能を拡張する」ことについて考える。

「技術が進み、競技用の義足などが発達しているが、こういったツールは従来の補助するという役割を超えて、人間の能力を機能拡張してくれるものになってきている。その流れが具体的に見え始めた。IoTだけではなく、さまざまな技術が人間に“マウント”されるようになったら、どんな世界になるか、そこでの生活はどう変わるのか」

 登壇する元オリンピック陸上競技選手でスポーツコメンテーターの為末大氏は、パラリンピアン支援で障害者との関係も深く、義足ほかさまざまな技術開発にも携わっている。対するA.Tカーニー日本法人 会長の梅澤高明氏はクールジャパンの仕掛人として知られる一方、テクノロジーを暮らしや街づくりにどう接続するかという課題にも取り組んでいる。

「実は、スマホを例に挙げるまでもなく、もう僕らの生活は大きく技術に依存しているわけで、それを身体に装着するときが来たらめちゃめちゃ変わる可能性がありますよね」

 こう伏谷氏は話す。『攻殻機動隊』や『マトリックス』『JM』で描かれてきた、拡張された人類の時代はすぐそこに来ているのだ。

「倫理」を超えていく

 3日目の「Beyond LGBT」は、同性婚をいち早く認めた渋谷を会場とする超福祉展ならではのテーマといえるかもしれない。「ここではバイオテクノロジーなど科学と技術の進歩が、性の在り方やパートナーシップの形にどのような影響を与えるのか。その可能性について考えたい」(伏谷氏)。

 登壇者の1人はアーティスト、デザイナーの長谷川愛氏。昨年、女性の同性婚カップルから両者の遺伝子を抽出して子供をつくった未来の家族の姿を作品にした『(不)可能な子供、01:朝子とモリガの場合』を発表し、文化庁メディア芸術祭アート部門で優秀賞を受賞したほか、多くのメディアでも取り上げられ、話題を呼んだ。もう1人の登壇者、増原裕子氏は東京ディズニーシーで初の同性結婚式を挙げ、2015年には渋谷区パートナーシップ証明書交付第1号を受けた人物。この2人の対談について、伏谷氏はこう期待する。

「長谷川愛さんの話を伺ったときに、これは大きく変わるんじゃないかとある種のショックを受けました。もちろん、倫理的なことも含め一足飛びにそういう世界になるわけではないでしょうが、そんな時代が来るのかと。科学と技術が進むことで想像だにしなかった様々な選択肢がどんどん提示されてくる。そういったことがダイバーシティーを目指す社会に何をもたらすのか、もたらさないのか。忌憚のない突っ込んだ話をお2人から聞いてみたい」

より具体的に。足元から描く未来

 「Beyond inclusion」で登場するのは、JTB総研の若原圭子氏、KADOKAWA ウォーカー総編集長の玉置泰置氏の2人。扱うのは「インクルーシブ・ツーリズム」だ。

「2020年に向けて、“おもてなし”だ何だというわりに、どうも観光や旅行の領域ではアクセシブルというかインクルーシブな観点が欠けているような気がして。前出の『オープンロンドン』ガイドのコンセプトにあるように障害者や高齢者を含む、すべての人に充実した楽しい東京体験を提供すること。そのためにこれまでどういう取り組みがされていて、今後はどのような取り組みがされていくのか。例えば、タイムアウトロンドンの『オープンロンドン』ガイドは紙のガイドブックだったが、最新の技術を使って何か新しいツールを生み出せないのか。爆買い、民泊などのわかりやすいキーワードが並ぶインバウンドだが、本当のおもてなしとは何かを探りたい」

 最終日はより一層具体的なテーマに踏み込んだ「Beyond nurturing」。強いて訳せば「新しい子育て」ということになるだろうか。実は、現在のタイムアウト東京編集部には子育て真っ最中の女性スタッフが何人かおり、「ある意味ですごく切実に聞きたい内容」でもあるという。登壇者のパラリンピアン・土田和歌子氏、国際メディア・コンサルタントで産業能率大学准教授の七尾藍佳氏はともに子育て中。女性スタッフの1人は、今の日本の子育ての在り方――特に疑問や不安点について七尾氏と話すことが多いという。

 例えば、日本の乳幼児検診。「2歳では2語を続けて話せること」というような診断項目が年齢ごとに設定されている。登壇者の七尾氏は4カ国語を操り、英語で子育てしているが、2歳児検診でそのように聞かされ「うちの子は“Let's go”と話せます」と答えたところ「“Let's go”は2語ではありません」と真顔で医師に言われたという。「笑い話みたいですが、子育ての現場ではそういうことがよくある。裏を返すと、人間の成長をカテゴライズしていっているようにも感じる」と伏谷氏は指摘する。「こうあらねばならない」という正しさは、ときに人間に基準をつくり、適さない人間を排除する力学を生み出すこともある。「子育て」を入り口に、広く人間存在全体に及ぶ議論になりそうだ。

すべての人にダイバーシティーを

 実に多彩なラインアップのシンポジウム。これはかつて招待されたダイバーシティー関連のイベントで、会場から「ダイバーシティーとかいってる割にパネリストがみんな男性で40代じゃん」という声が上がったことを反省にしているという。「今回はダイバーシティーという言葉にふさわしい、本当にさまざまな登壇者にお願いすることができたのではないか」と伏谷氏。

 そんなシンポジウム、どんな人に来てほしい、聞いてほしいと同氏は考えているのだろうか。

「超福祉展のコンセプト的には、ボーダーを越えて、老若男女、いろんな人にフラッと来て聞いてほしい、というのが一番」としつつ、「起業したい人」「日本を変えたい人」「子育てに不安のある人」など、各テーマに沿う人たちにもぜひ足を運んでほしいと呼び掛ける。「『自分の中の“昭和比率”がどれくらいですか?』というのを尺度に考えてみるのもいいかもしれない」(伏谷氏)。

 「昭和生まれがいけない」「古いのがいけない」ということではなく、昭和の持つネガティブな側面――頑迷固陋、柔軟性の欠如、閉鎖性といったものを、自分がどれくらい持っているかを意識してみるということ。「超福祉展のオープンな雰囲気に触れると、そこが変わるかもしれない」と伏谷氏は話す。

「超福祉」が世界に羽ばたくために

 最後にグローバル・メディア『タイムアウト』としての、超福祉展の世界的な評価を聞いた。

「確かに、『福祉』という観点ではもっと進んでいる国が世界にはある。しかし、『超福祉』という言葉の持つ力、福祉×技術、福祉×芸術、福祉×文化といった“掛け合わせ”の方法はすごく独特で他にない。そこに世界に広がる可能性があるんじゃないか。様々なものをいったん受容し、ミックスしてより新しい何かに作り直すのは日本人の得意とするところ。超福祉展の中で、さまざまなものが掛け合わされ、新しい価値を生み出してくことは世界にとっても意味がある。『超福祉』という言葉を、『カワイイ』みたいに、そのまま世界に持っていくことができたらいいですね」

 『タイムアウト東京』もその「お手伝いをしていきたい」と伏谷氏。「超福祉展が世界に広がる可能性があると言っても、まだまだドメスティック。世界へ向けた情報発信の部分でもお手伝いできるだろうし、2020年の“オープン東京”の実現に向けても、一緒にできることはあるんじゃないか」。

 その先にある、ダイバーシティーの実現した社会――Beyond Diversityとはどんなものだろうか。

「すごく簡単に言えば、自分の個性や、こんな風に生きたいということが受容される社会ですよね。個性を持った人を認め合える社会。評価は別として、最低限排除はしないこと。そのためには『知る』ことかなとも思う。人は知らないものに対して不寛容になりがち。リオで初めてパラリンピックを知った人は、1つ扉を開いて、今度は超福祉展を見に来て、新しい福祉の世界を知ってくれるかもしれない。今度のシンポジウムでも、その扉の先、どんな世界が見えるのか、そのためにどうしたらいいのか、一緒に考えることができたらと思います」

 テクノロジーだけでなく、地続きの「暮らし」から福祉を、そして未来を考えるシンポジウム。イノベーション、技術開発、新事業開発といったビジネスの課題を持つ人から、アートなどカルチュラルな関心を持つ人まで、どんな人にとっても意味のある内容になることは間違いない。

  • 2016/10/28   日経テクノロジーオンライン
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