公文で九年

公文式教室を9年間経営していた学習塾経営者です。
公文教室とはどういうものか私の視点で公開したくなりました。

公文教室をやめる・契約解除

2006-08-17 | 契約解除・脱公文
私がフランチャイズ契約を結んだ当時の契約書には、研究会から相応の理由があって
(いわゆる契約義務違反条項に該当するなど)の場合は、
研究会から一方的に即時解約をすることができると記載されており、
かなり細々と契約義務について記載されています。

でも、契約とは相互のもののはずなのに、指導者側から研究会に対して義務違反を理由に
契約解除を要求できるようにはなっていません。

例えば、教室運営上のサポートが受けられなかったり、
要求した資料が提供されなかったり、
自教室のいわば学区内に新教室を設置するなどの行為を研究会がしたら、
こちら側から
義務違反じゃないの?と言えそうなものですが、そういうことについては一切、記載がありません。
現在研究会とのフランチャイズ契約を締結しておいでの方は、ご自分の書類をよく見直してみてください。

ただ一行、「三ヶ月前に文書をもって解約を申し出る」ことのみで、
いかに一方的な契約書となっているかあきれるばかりです。
すべてにわたって、研究会を守ることのみに終始している契約書です。

さらに、最近の契約書には、
公文教室を閉鎖する場合にはその場所で他の学習塾を開くことはできないなどの加筆もあるとか。ほんと?


そうそう、以前、うちの生徒の六割以上が来ている小学校の校門前に、
公文の新教室を設置するということがあったときも、研究会の言い分は、
「直線距離で現在の教室から三百メートルは離れているので、契約に抵触はしない」とのことでした。
「都内なんかでは、もっと近くに作ることもありますよ・・・・・」の笑いとともに。
生徒の利便性を重視して、だそうです。
仮に、道路を挟んで向かい側、だったとしても、
小学校の学区が異なれば問題にはならないとか、
研究会に都合のいい解釈はいくらでもできるようになってもいるのです。
研究会が作成する契約書であり、こちらはそれに記名捺印しなければ教室開設は
できないわけですから、文句のいいようもなく・・・・

「公文の看板があれば、生徒は集まりますよ、開設時には様々なサポートもしますし・・・」と
インストラクター研修の時にはおいしい話をたっぷり聞かされるわけですが、そのどこにも
≪最低限の生徒数を研究会が保障する≫などということはありません。
「これだけサポートをしているのに生徒が集まらないのは、先生の能力が・・・・」ということで、
チョン、です。

近頃では一年間、新入会生がないと、
「近くに新教室を設置します」などと脅しをかけられる場合もあるとか聞き及んでいます。
その場合も、新入会生がないということは、公文教育研究会のせいではなく、
指導者が悪いからということなわけです。

公文の指導要領に沿って学習をさせているのにこどもの成績が伸びない、
事務局と相談の上でこの場所に教室を開いたのに、
立地条件が悪かったのでしょうエトセトラ・・・・
とにかく、生徒が集まらないということについては、全責任は指導者がかぶります。


おっと、契約解除についての話でしたね。
ただ一行の「文書による通知」、
そこで、私の場合、内容証明つき郵便で郵送しました。
「二〇〇六年、2月末日をもって、公文研究会との契約を解除いたします」って。
なにせ、理由その他は必要ないのですから。
研究会には文書一通出せばいいわけでしょ?

しかし、実際にはそう簡単にはいきません。
何よりも、現在学習している生徒、面倒見ますよと約束してお預かりしているのに、
途中で放り出すなんてことは、私の性格上できないわけです。
公文式の学習法が良い、自学自習で学ぶことが大切、学年を超える学習・・・・と
入会のお勧めにも、日々の教室だよりにもずっとずっとそう書き続けてきて、
「や~めた」なんていうのはあまりにも無責任です。
公文式がいい、といい続けてきて、学研教室に変える、なんていうのもできかねます。
現在は、公文とのフランチャイズ契約はしていませんが、
公文式の学習方法が優れているという考えにはまったく変りが無いのです。
ただ、現行の公文教育研究会のシステム・教材では、多様化する生徒・保護者のニーズには
応えきれなくなっている、ということなのです。

私の場合、教材を提供してもらい、ロイヤルティを納めている研究会よりも、
私にお子さんを預け、会費を払ってくださっている保護者の方との信頼関係の方が大切でした。
そこでまず、保護者の方々にお集まりいただき、
「公文の看板を下ろす」ということのご説明をさせていただきました。
フランチャイズ契約により、中学生のテスト対策など他の教材を使っての指導ができないこと、
教材外の指導は契約義務違反となること、
現在の学校教育の現状では公文の教材のみでは多様化する保護者のニーズに応えきれないことなど、
なぜ、公文ではない学習塾を展開しようとするに至ったかの理由を説明し、
その席上今後使用していく予定の教材についての説明と、
公文教室で学習を継続することを希望される場合には
お近くの教室へ転出できるということをご案内しました。

まず、私の口座へ会費を払っていただいている方々にご了解を得てから、
「公文教育研究会へ通知」をしたのです。

研究会では、そういうのは
「公文の生徒を他の塾へ勧誘する行為」にあたり、「契約義務違反」だそうで
研究会から契約を打ち切られるということになるそうです。
こちらから、解約通知を契約書に則って出しているのですけれどね。
それで、私が連絡をした2月末日ではなく、
連絡の翌月の十二月末に閉鎖と言うことになりました。
「公文から契約を打ち切られ、」というわけです。

その辺の事情については前例がいくつかあったので予測はしていましたから、
なんということもなくスムーズに教材の切り替えはでき、
また、ほとんどの生徒はうちの教室で学習を継続することをご希望になりました。

で、公文の看板を下ろして、公文の教室ではなく、
公文教材ではありませんが、公文式の指導は続けています。
それができる教材屋さんから教材を購入しているので。

この教材を手に入れるルートが無かったら、いまだに歯軋りしながら、
公文教室をやっていたことでしょう、
何しろ「勉強は自分の頭ですることで、教わってできるようになるものではない」という考え方に変わりは無いのですから。
一般に市販されている、あるいは一般の塾向けテキストでは、学校と同じで
「先生が説明する」ということを前提に作られているので「練習・自習」で学習するということはできかねるものがほとんどなのです。

公文の教材・現在のうちの教室の教材については
「教材について」のところで別に記載する予定です。

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1 コメント

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はじめまして (く~ちゃん)
2006-08-24 11:28:56
はじめまして

興味深く読ませていただいています。

教室を開こうかと思っていましたので。



お忙しいとは思いますが、具体的にいろいろと書いていただけると嬉しいです。



よろしくお願いします。

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