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「ホームドラマ」新堂 冬樹著、読んでみました。

2007年06月17日 | *本*BOOKS*


「ホームドラマ」新堂 冬樹著、読んでみました。



会社の人から「ホームドラマ」新堂 冬樹著を借りて読んでみました。

彼の作品を読むのは初めてでしたし、「新堂 冬樹」と言う名前も聞いた事がありませんでした。

少し調べて見たら、この作品は普段の彼の作風とは少し違うみたいですね。「団欒」「賢母」「サザエさん」をモチーフとしたパロディの様で、それぞれ「マスオさん?」「フネ?」が主人公となっている。

「団欒」の出だしは「マスオさん?」のめちゃくちゃ嫌な奴の描写から始まる。そうなってしまったのも家族の中で気を遣わなくていいのが「タラちゃん?」「タマ?」以外居ない事によるストレスからだろう。

アニメを見るとき、何気ない日常を描いている
「サザエさん」の中で、誰も「マスオさん?」がこんなに窮屈な日々を過ごしているなんて想像をしないだろう。

退屈な予定調和を乱さないようにする為の、家庭生活における「自分の役割」を忠実に演じていかなければならないのは可哀相だが、もっと悲劇なのは彼らに「時の流れが無い」事だろう。

「賢母」ではもう一人の予定調和の番人「フネ?」が描かれています。彼女は「マスオさん?」が自分の鏡を見ているようで嫌いな一方、彼と同じように「完璧な母」を演じている。

しかし彼女が「いい仕事」をする事が出来るのには「秘密」があった。エロカッコイイ系のファッションで着飾って、イケメンの男の子とデートをしている彼女を想像するのは「つらい」が、そんな息抜きも必要なんだろう。

自分と同じ系統の息抜きをしている
マスオさん?」を見かけ、エールを送り「フィクション」の世界に戻ってゆく彼女に人間らしさを感じた。

「邪」は過酷な下流サラリーマンの悲哀を描いている。最後に “でも、そうするしかなかった。なぜだかわかるか?いまの私の人生が、死ぬことよりもつらいからだよ。” という主人公の叫びがあるが、それはあまり共感できない。でも人間って生きている中でそういう心情になってしまう事って有るのはわかる。

「嫉」は読んでて、途中である程度結末が予見できたが、主人公の心の葛藤の描写と、嫉妬による「ここまでやるか」って言う異常な行動を読んでるうちに結構物語の中に入ってゆけた。

悲しい結末は「奥さん」「娘」「家庭教師」も、そして「主人公」もみんな「良い人」だけに切なすぎた。




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