診療所だより

開業医gobokuの日記

こんなこと考えながら、
こんな生活しています。

秋刀魚の骨

2017年10月25日 | 診療
この頃は、秋と言うより
すでに 朝晩は冬のようです。

なにより 診察にみえる患者さんの
服装を見ると、
女性はハイネックを、
男性はダウンを着た方が
増えているのが明らかです。

インフルエンザの予防接種にみえる患者さんは
増えてきているのですが、
外来は 相変わらず暇です。

そんな寒々とした午後の外来に
「一昨日、秋刀魚を食べたらノドに骨が刺さっちゃったんです。」と
40代の方がみえました。

「ほんまかいなぁ。」
そんな気持ちで、
ノドを見ると、なにもありません。

今度は仰向けになってもらい、
喉頭鏡で、少し奥まで見ましたが 
ありません。
この喉頭鏡は、奥まで入れると
反射で、オエーッとなってしまうので
あんまり奥まで入れられません。

患者さんに「どう?」って聞くと、
「やっぱり、刺さっているみたいです。」 と
答えたので、
「じゃぁ」と、 内視鏡でみることにしました。


少しずつスコープを進めていくと、
結構奥の喉頭蓋の手前に、
見つけました。
骨が刺さっているのを。

急いで、鉗子を準備してもらい、
骨をつかむことにしたのですが、

これがなかなか大変で、
呼吸で、骨は動くし、
スコープの位置を調整しなければいけないし、
鉗子を伸ばすタイミングとつかむタイミングを
合わせなけければならないと、
苦労はしたのですが、

それでもなんとか やっと骨をつかむことが出来、
無事摘出することが出来ました。

めでたしめでたし。です

久しぶりにアドレナリン出まくりで、
寒々とした検査室の中で、手と背中に汗をかいていました。

患者さんも、すっきりしたようで、
「ありがとうございました。」と言ってくれました。

これが この仕事をやっていてよかったと思える瞬間です。

いやー、しかし、本当に骨が折れました。

取れた骨は、診療所の博物館で、永久保存します。


 

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