散歩から探検へ~政治を動かすもの

自己認識の学・永井陽之助の政治学を支柱に、自由人による主体的浮動層の形成を目指し、政治状況の認識・評価・態度を語ります。

投票成立要件と投票結果の効力~東京都小平市住民投票を巡って (2)

2013年06月04日 | 地方自治
小平市の住民投票は投票率が50%以下のため、成立しなかった。また、開票作業もされないので、結果は投票率だけが示されているだけだ。従って、住民投票条例の制定を推進したグループは投票用紙の写しを公開する請求を出したが、小平市選挙管理委員会は非公開と決定した。
 
住民投票については、先ず、憲法に規定がある。
『憲法第九十五条  一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。』
大阪都構想は最終的に少なくとも大阪市を含んで住民投票に掛ける必要があると言われているのは、憲法を根拠としている。

今回の住民投票条例は特定の争点に限定して条例化したものだ。一方、特に争点を具体化せず、一般的な意味で住民投票を可能にする条例もある。川崎市も住民投票を条例化した政令市の一つである。その場合、投票に掛ける案件の内容と共に「投票成立要件」と「投票結果の効力」は基本的な論点になる処だ。

川崎市の場合は「投票成立要件」は特に設定されておらず、「投票結果の効力」は首長・議会に対して、以下の様に尊重義務を課しているだけである。
『(結果の尊重) 第28条 議会及び市長は、住民投票の結果を尊重する。』

筆者は上記の川崎市住民投票条例の制定に際して、内容充実のため、陳情を出した。
その時、幾つかの自治体の住民投票条例を参照したのだが、政令市で参考になったのが、広島市の条例である。

『投票成立要件 第12条 住民投票は、1の事項について投票した者の総数が当該住民投票の投票資格者数の2分の1に満たないときは、成立しないものとする。この場合においては、開票作業その他の作業は行わない。
2 住民投票の結果は、有効投票総数の過半数をもって決するものとする。』

ここでは投票率50%を要件としている。その一方で、結果は“決定”であって、尊重規定ではないのだ。また、要件未達の場合は、開票作業も行わない、と丁寧に記載されている。

これに対して小平市は、
(住民投票の成立の要件)第13条の2 住民投票は、投票した者の総数が投票資格者の総数の2分の1に満たないときは、成立しないものとする。
(投票結果の尊重)第15条 市長は、住民投票が成立したときはその結果を尊重し、速やかに市民の意思を東京都及び国の関連機関に通知しなければならない。

この「第13条の2」は4月臨時議会を開催して追加したものである。バーを高くして成立を防いだ。但し、住民の意思を示すという意味で過半数の要件は、それなりに理由が通る。筆者も川崎市での条例案を検討したときは、広島市の「過半数―決定」の組み合わせがシンプルで良いと思った。

改めて、「住民自治」とは何かが問われる。

        
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